近衛文麿 (人物叢書 新装版)

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  • Amazon.co.jp ・本 (285ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784642052757

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  • なぜ近衛文麿が、華族初の総理大臣になったのか。そして、なぜ彼が就任当初内閣総理大臣として日本国民から人気だったのか。それが知りたくて、本著を読む。

    京都大学在学中から貴族院の議員となり、若い議員であったこと。比較的背が高くルックスにも光るものがあり、知性的であったこと。また、大正の若者の自由主義を尊重しつつ、国家主義であったこと(それは理想論にすぎなかった)などが挙げられる。

    本著を読む前は、彼を内閣総理大臣に推した元老・西園寺公望と、ずっと良好な関係だと思っていた。裏で西園寺が国民的人気者の近衛を操っているのだろうと思っていたが、そうではなかった。互いに理解できずに、関係性を続けていることがわかった。

    暗中模索の中、第二次世界大戦に向かい、国家総動員法や大政翼賛会をつくる。そして、唯一彼の味方だった国民からの支持も、失っていく…。

    関東軍の情報は彼に届くことがなく、昭和天皇から情報を得ながら。

    総理大臣になってからは、ずっと孤独な独裁政治だったんだな。

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著者プロフィール

古川隆久

1962(昭和37)年東京生まれ。1985(昭和61)年東京大学文学部国史学専修課程卒業、1992(平成4)年東京大学大学院人文科学研究科国史学専攻博士課程修了(博士(文学))。広島大学専任講師、横浜市立大学助教授などをへて、日本大学文理学部教授。専攻は日本近現代史。著書に『昭和戦中期の総合国策機関』(吉川弘文館 1992年)、『皇紀・万博・オリンピック』(中公新書 1998年)、『戦時議会』(吉川弘文館 2001年)、『戦時下の日本映画』(同上 2003年)、『政治家の生き方』(文春新書 2004年)、『昭和戦中期の議会と行政』(吉川弘文館2005年)、『昭和戦後史』上・中・下(講談社 2006年)、『あるエリート官僚の昭和秘史』(芙蓉書房出版 2006年)、『大正天皇』(吉川弘文館 近刊)などがある。

「2020年 『建国神話の社会史 虚偽と史実の境界』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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