- Amazon.co.jp ・本 (266ページ)
- / ISBN・EAN: 9784642079204
作品紹介・あらすじ
死体が路傍・河原・野にあることが日常茶飯事だった中世。死者はなぜ放置されたか。「死骸都市」平安京で、ある時期にそれが急減することを探り出し、死体遺棄や風葬など謎に包まれた中世の死者のあつかいを解き明かす。
感想・レビュー・書評
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非常に面白かった。
著者の”平安京の内部で日常茶飯事だった「死体放置」が、なぜ13世紀前半に急減するのか”という問題提起。
それを身分制動や葬送の変遷などと共に、推定していく。
(色々あって)蓮台野に共同墓地ができて(ここに埋葬されれば誰でも極楽浄土に行ける)、非人(亡くなった人の衣服をもらう)、検非違使がそこに運び、埋葬する習慣ができたからではないか(取り締まった?)との推測。
文章は結構難しいかもしれないけれど、書かれている内容は、想像すると面白いものばかり。
参考資料なども豊富で、興味深く読み進めた。
巻末「中世京都死体遺棄年表」は、著者作成。すごい。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
12、13世紀あたりの貴族の葬送の流れが説明されてて面白かったです
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非人が寺院に対して「勝手に(…)葬送すんなよ!」とか文句たれてたり、蓮台野が「この聖地に葬られれば君も極楽OHJO☆」という口コミで人気が高まったり、非人が死者を乗せる輿のレンタルをしてたりという部分が面白かったです。葬送は身内しかできなかったという考え方はさぞ面倒だったことでしょう。