サキ: 森の少年 (世界名作ショートストーリー 2)

著者 :
  • 理論社
4.10
  • (3)
  • (6)
  • (0)
  • (1)
  • (0)
本棚登録 : 37
感想 : 4
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (197ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784652201008

作品紹介・あらすじ

ブラックな味わい、ばつぐんの切れ味!オー・ヘンリーとならぶ"短編小説の名手"

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • サキ(ヘクター・ヒュー・マンロー)の作品から、動物や子供に焦点を当てた秀逸揃いの短編集です。
    さらっと読めてしまうのですが、強烈な爪痕が読者の心に残ります。
    まさにブラックユーモアの宝庫といえる一冊。

  • なんか、いい話なんだろうけど…なんか暗いんだな……

  • サキは大好きでいろんな訳を読んだ。最初はサンリオ文庫『ザ・ベスト・オブ・サキ』(あとからⅡも出た。)で出会った。(あまりに面白かったので友達に貸したら返ってこなかったという苦い思い出。)

    これは子ども(小学校高学年~)向けに出されたものなので、どんなものかと思い読んでみたが、うーんこれを子どもに読ませるなら、ちゃんとした訳を読めるようになるまで読ませなくてもいいかな、と思ってしまった。
    サキの魅力はブラックユーモアだけど、その毒が薄く感じられる。子どもが読みやすいように、難しい言葉を使わず、注釈もつけない方針が、却って作品をつまらなくした。
    トバモリーの喋り方なんか、ちょっと生意気な子ども程度で、彼の言葉で人間が戦慄するような感じが全くない。シジフォスの岩とか、そういう表現は、注釈つけて残して欲しかった。それが教養を育むんじゃないの?P157「ハットー大司教の伝説」を残すなら、やっぱり注釈が必要だったのでは?

    子どもの気持ちを描いた作品が多く選ばれているため、サキが幼い頃(父がミャンマーにいて、母が亡くなったため)伯母に育てられ、どれだけ彼女に苦しめられ復讐したいと思っていたか、彼女の人間としてのつまらなさを嗤っていたかがしっかり伝わってくるのは、良かった。
    スレドニヴァシュターを抜粋された短編集の中の一作品として読むのと、「物置部屋」「話上手」などと一緒に読むのとでは違うな、と。
    しかし、ちゃんとした訳で読み返したいという衝動が沸き起こったのも事実。これから本棚を掘り返そうと思う。白水社版がゴーリーの絵でいいよね。

    これを読んでサキがつまらない作家だと思わないで欲しい。

全4件中 1 - 4件を表示

著者プロフィール

Saki.
1870 - 1916.
作家・ジャーナリスト。
本名はヘクター・ヒュー・マンロー(Hector Hugh Munro)。
インド帝国警察に勤務したのち、ジャーナリストとして活躍。
そのかたわら数多くの短篇小説を執筆し、
短篇の名手と称される。第一次世界大戦時に軍に志願し、
フランスにおいて絶命。
近年の邦訳に
『サキの思い出 評伝と短篇』
(エセル・M・マンロー、ロセイ・レイノルズ、サキ 著、
花輪涼子 訳、彩流社、2017年)、
『四角い卵  白水Uブックス』(和爾桃子訳、白水社、2017年)、
『平和の玩具  白水Uブックス』
(和爾桃子訳、白水社、2017年)、
『けだものと超けだもの 白水Uブックス』
(和爾桃子訳、白水社、2016年)、
『クローヴィス物語 白水Uブックス』
(和爾桃子訳、白水社、2015年)、
『ウィリアムが来た時』(深町悟訳、国書刊行会、2019年6月)、
『サキ短編 『スキャンダルの行方』 Kindle』
(サキ全訳プロジェクト訳、Amazon Services International,
Inc.、2019年)、
『サキ短編 『ビザンチン風オムレツ』』
(サキ全訳プロジェクト訳、Amazon Services
International,Inc.、2017年)、
『サキ短編 『ラプロシュカの魂』『困った雄牛』』
(サキ全訳プロジェクト訳、Amazon Services
International,Inc.、2017年)ほか。



「2019年 『鼻持ちならぬバシントン』 で使われていた紹介文から引用しています。」

サキの作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×