「多文化パワー」社会 (国際交流・協力活動入門講座) (国際交流・協力活動入門講座 4)

  • 明石書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784750326221

作品紹介・あらすじ

制約された環境の中で限られた能力しか発揮できない在住外国人が、彼らの能力を存分に発揮し日本社会へ活力をもたらす可能性を検証。各地域で行われている取り組みの成功例を紹介し、日本人と外国人が共に社会を活性化するための課題と道筋を本書で導き出す。

感想・レビュー・書評

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  • ちょっと企画・運営に関わっている政策研究フォーラムの分科会で
    「多文化共生」を扱うことになり、その企画構想のために図書館で借りる。

    長年、在住外国人支援の市民グループ・OCNetで関わってきたので
    「多文化共生」の社会を作っていくことが必然性を感じ
    そこになぜそういった社会を築くことが必要なのかを考える余地が足りていなかった。

    政策の視点で多文化共生を見る場合、大きな分岐点は
    2003年3月、総務省が発行した「多文化共生の推進に関する研究報告書」。
    そのなかで、ホスト「住民」の意識の重要性が指摘され、地方自治体において取り組むべき課題として
    ①地域住民等に対する多文化共生の啓発
    ②多文化共生の地域づくり
    ③多文化共生をテーマにした交流イベントの開催
    を挙げている。

    ③について
    本書でも指摘しているが、
    「「楽しさ」に力点が置かれるあまり、エンターテイメント的なイベントが目立ち
    提供される「ふれあい」が、「博物館的な展示」にふれるかのごとく
    ガラス越しの「接触」で終ってしまうことが少なくない」(P63)
    と思う。
    現在、大田区で関わっている「大田国際交流週間」は、一過性の非日常的なイベントだ。
    これを恒常的日常的な接点・交流への繋げ方が今後の課題だ。


    また、OCNetというグループの活動改善の方ばかり内向きな視点にいっていたので
    OCNetと同じような活動を行っている他団体の活動を知ることで
    マクロ的な視点での今後の活動のあり方を考えるきっかけとなった。
    とりわけ、「ならNPOプラザ」の事例に関心を持つ。
    その視点では、学習者(利用者)として入ってきた外国人が
    時間がたって、今度はスタッフの立場として
    新しく入ってくる学習者(利用者)を支えるしくみが
    他のグループでは出来ているのだが
    OCNetでできない理由はなんだろうかと考える。
    そして、小学校などへの国際理解教育への講師派遣を行っていたりする。

    地域活動をリードするような外国人が大田にはまだ登場していないし
    登場できない理由は何かを考えたい。
    その理由を越えるために自分が出来ることがあるのであれば
    それに関わりたいとも思う。

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著者プロフィール

(公財)日本国際交流センター 執行理事
兵庫県庁で10年間の勤務後1988年より日本国際交流センターに勤務。多文化共生、移民政策、草の根の国際交流研究、日独フォーラム、アジアコミュニティトラスト、フィランソロピー活動など多様な事業に携わる。2003年よりチーフ・プログラム・オフィサー、2012年より執行理事。現在、文化庁文化審議会日本語教育小委員会委員。総務大臣賞自治体国際交流表彰選考委員、内閣官房地域魅力創造有識者会議委員、新宿区多文化共生まちづくり会議会長、第一回国際交流・協力実践者全国会議委員長、慶應義塾大学等の非常勤講師等を歴任。著書に『人口亡国――移民で生まれ変わるニッポン』(朝日新書、2023)、『移民がひらく日本の未来』(明石書店、2020)、監訳書に『スモールマート革命』(朝日書店、2013年)、編著書に『国際交流・協力活動入門講座Ⅰ~Ⅳ』(明石書店)、英文共著書にAsia on the Move(日本国際交流センター、2015年)等がある。慶應義塾大学法学部卒。米国エバグリーン州立大学公共政策大学院修士。

「2024年 『自治体がひらく日本の移民政策【第2版】』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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