バングラデシュを知るための66章【第3版】 (エリア・スタディーズ32)

制作 : 大橋 正明  村山 真弓  日下部 尚徳  安達 淳哉 
  • 明石書店
3.67
  • (1)
  • (2)
  • (3)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 47
感想 : 5
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (440ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784750345710

作品紹介・あらすじ

初版刊行から14年、その間、目まぐるしく変化するグローバル社会の中、変わりゆくバングラデシュの経済発展の諸相と同時に、なお残る様々な課題と新たに生まれた問題を、編集に若い世代が加わり描き出す、新しいバングラデシュ入門書。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 『地球の歩き方』に加えて、あらゆる立場や目線でのリアルな現地ルポの総集編。これ一冊でバングラデシュを理解できると言っても過言ではない。

    プロフィールから。人口1億6000万人、首都ダカ、通貨タカ。90%弱がイスラム教徒、10%前後がヒンドゥー、残りは仏教徒とキリスト教徒。バングラデシュとはベンガルの国と言う意味。労働力が豊富で、メインの産業は縫製業。

    日本人の経営する工場は人気があり、ワーカー募集すれば就業時間前から100人ぐらい並ぶ。独立時に日本に助けてもらったからあなたを助けると言う親日国でもある。

    サイクロンの被害が多い。ヒ素による地下水汚染も大きな問題。ユーラシアプレートとインドプレートの境界に位置し多くの活断層が走る地震多発地帯でもある。過去150年の間にマグニチュード7以上の大地震は7つ発生した。2016年米国コロンビア大学の研究グループが人類史上最大の地震がバングラデシュで起きる可能性があるとも発表。

    …と続くが、少し話を変える。
    『ホテルムンバイ』という映画を知っているだろうか。インドで発生した武装テロリスト集団による5つ星ホテルの占拠、無差別殺戮を描いたノンフィクションの映画だ。取り残された500人以上の宿泊客を誇り高きホテルマンたちが護衛するべく必死の戦いに挑むが、簡単に殺されていくシーンが惨い。バングラデシュにも『土曜の午後に』というテロを描いたノンフィクション映画がある。

    バングラデシュでは2005年に全国63軒ほぼ同時に手製の小型爆弾爆発テロが発生。2016年にはダカでレストラン襲撃事件では多数の外国人が犠牲になった。いずれもイスラム過激派の犯行。ダッカのレストラン襲撃では、日本人7名が亡くなっている。1971年のバングラデシュ独立戦争を因縁とした宗教間、組織間、階層間対立が残る。

    貧困と悪政、宗教と悪化したままの治安。リアルを覗く一冊。

  • 2020年46冊目。満足度★★★☆☆

  • バングラデシュという国を広い視点で把握するのに良かった。
    2016年のテロの記憶と、世界最貧国、というイメージが強いけど、言語・地理的にインド北東部と接していることなどの影響というのを知る事ができたし、宗教に関しては、私が「親が仏教だったから私も仏教」というのと同じように「親がイスラム教だったから私もイスラム教」という人が多いのですね。

  • カテゴリ:教員著作物
    人間関係学科:大橋正明教授の著作物

  • 東2法経図・開架 302.25A/O28b//K

全5件中 1 - 5件を表示

著者プロフィール

1953年東京生まれ。聖心女子大学文学部人間関係学科教授。聖心女子大学グローバル共生研究所所長。シャプラニール=市民による海外協力の会評議員、日本バングラデシュ協会副会長、国際協力NGOセンター理事など。
主な著作は、“NGOs and Japan's ODA: Critical Views and Advocacy”, Chapter 20 of “Japan's Development Assistance” (edited by Kato, Hiroshi et al, Palgrave McMillan, 2015)、『グローバル化・変革主体・NGO』(共著、新評論、2001年)、『「不可触民」と教育――インド・ガンディー主義の農地改革とブイヤーンの人びと』(明石書店、2001年)など。

「2017年 『バングラデシュを知るための66章【第3版】』 で使われていた紹介文から引用しています。」

大橋正明の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×