自民党の女性認識――「イエ中心主義」の政治指向

著者 :
  • 明石書店
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感想 : 16
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  • Amazon.co.jp ・本 (308ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784750354231

作品紹介・あらすじ

自民党は長らく、女性を従属的な「わきまえる」存在と見なし、「イエ中心主義」の政治指向を形成してきた。戦後の保守再生の流れの中で、そうした女性認識はいかに形作られ、戦略的に再生産されてきたのか。国会に女性が増えない原因を解き明かす画期的試み。

感想・レビュー・書評

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  • 個人が個人として、誰もがリスペクトされる社会に――安藤優子『自民党の女性認識』|じんぶん堂(2022.07.13)
    https://book.asahi.com/jinbun/article/14661682

    安藤優子「女性議員に願うこと。これまでの『イエ中心主義』政治に疑問符を突き付けてもらいたい」 連載・私の書いた本 ~安藤優子『自民党の女性認識──「イエ中心主義」の政治指向』|連載|婦人公論.jp(2022年10月21日)
    https://fujinkoron.jp/articles/-/6632

    安藤優子さんの「生きづらさ」の正体は…男性社会のテレビ界での経験から(インタビュー前編):東京新聞 TOKYO Web(2023年2月15日)
    https://www.tokyo-np.co.jp/article/230909

    「平成は激動の時代だった」安藤優子が報道現場の最前線で見てきた平成と、令和への願い  Wedge ONLINE(2024年4月23日)
    https://wedge.ismedia.jp/articles/-/33591

    安藤優子(Yuko Ando)(@yukoando0203) • Instagram写真と動画
    https://www.instagram.com/yukoando0203/?hl=ja

    自民党の女性認識 - 株式会社 明石書店
    https://www.akashi.co.jp/book/b607679.html

  • キャスターをしながら上智大学大学院で学び、テレビ(フジテレビ)という男性権威主義のど真ん中にいた人が取り上げた意外なテーマ。
    8/5(金)TBSラジオ「アシタノカレッジ」のゲストで本作の話を聞けるのでオススメ(YouTubeにアーカイブあり)。

  • 認識を新たにしたことと,絶望的に再認識したこと.
    まず,著者の安藤優子さんは,てっきり「男性化した女性」で,おじさんと一緒になって女性にマウントするタイプの人かと思っていたが,その誤解が解けたこと.他で読んだ記事でも「男社会で渡っていくためには女性性の排除が必要」で,髪を短く切り,スーツを着て現場に立った,というような事を仰っていた.本書と両方合わせて,認識を新たにしたところ.
    本書を読んで,一個人の在り方を大切にされているのだなと改めて.
    一方で,自民党の強さの秘訣を再認識して,日本が本来的な文明化を果たさない限り,家父長制を基本とした階級社会と男尊女卑,排外主義,マイノリティ差別は助長されこそすれ,解消されることはないだろうな,とも.
    家父長制文化を自民党が再生産し強化し,国民が追認して再強化を繰り返す…正しさより馴れ合い,進歩より復古…悪夢の無限ループ…いつか解消される時が来るのだろうか?
    生きているうちには来なそうだ.

  • 自民党政治を戦後から振り返りながら、
    自民党の家族観や候補者選定の経緯がまとめられていてわかりやすかった。
    研究論文としての構成だったので、個人的には読みやすい。
    欧米と一線を画した政治体制/国内体制を目指した結果、性別役割分担を明確にしていったという点が印象的。
    自民党が押し付ける価値観は認識していたが、経緯とともに知れることで改めてこのままではいけないと感じたし、声を上げていきたいと思った。
    憲法記念日に読めて良かった

  • 自民党の女性観はまったくもって全時代的な、この本で言うところのイエ中心主義の中で、家庭を縁の下の力持ちで支える健気な主婦があるべき姿という事に尽きる。
    今の日本に染みついた選挙観からすれば、地元密着のドブ板選挙でしか継続して勝つことは出来ない。したがって、女性には非常にハードルが高い。議員の一定数を女性に限定する、クォーター制を入れるしか抜本的な解決は無いのではないかと思う。

  • 興味深く読みました。各政治家分析と男性社会でのサバイブについて。

    ワタシが一番要らないと思っている日本語は‘世帯主’

  • 「女性と男性の候補者が同程度だった場合迷いなく男性を選ぶ」というのが本音だろうね。私はできるだけ女性に投票するようにしているし、地方議会レベルでは女性議員も増えたけれど、自民党が政権をとり続ける限り家父長制の地獄は終わらないのである。
    女性議員のキャリアパスの傾向を見るにはあまりにも母数が少なすぎてパーセンテージを出す意味はないように思えた。

  • まさに、よくぞよくぞ!という気持ち

    これを出版までもっていくにあたり力を貸して
    くださったすべての方々に感謝いたします

  • 女性の発言力は競争意識ばかりじゃないし、そう見えるのは自分がそうだからなんだろうな
    わきまえないよりそっちが気になった

    なんで同数が均等になったことにそんな突っかかってるんだ?平等って平等で差がないことだろ?むしろ限定的な同数よりいい言葉になってると思うけど、相手の意図がどうであろうと
    その時々で人材の性別バランスなんて変わるだろうに
    なんか女性にこだわりすぎて目線が短期的だし、同じ穴の狢感が……

    なんか途中で自民党の政治指向なんてこの本を読むまでもなく明らかじゃんって思っちゃってだいぶ読み飛ばしちゃいました
    男性的な女性になってしまった反省的な本だと聞いて気になった記憶があるんだけど、なんでこうなったかみたいな話ばかりで盛大な言い訳本みたいで早々にうんざりしてしまった
    大局的にフラットに見る人いないんかな

  • 序 章

    I 女性認識の形成と再生産―自民党の政治指向をめぐって
    第1章 女性議員数の推移と概観
    第2章 自民党の政治指向「イエ中心主義」
    第3章 家族イデオロギーの形成と日本型福祉社会
    第4章 日本型多元主義による「イエ集団」としての政党
    第5章 政治指向の象徴としての血縁継承

    II 自民党議員のキャリアパス分析―候補者選定の傾向について
    第6章 「イエ中心主義」の議員選定
    第7章 医療関係出身者のキャリアパス
    第8章 教育関係出身者のキャリアパス
    第9章 メディア出身者のキャリアパス
    第10章 民間企業出身者のキャリアパス
    第11章 地方議会から国政へのキャリアパス
    第12章 地方議会と女性議員

    終 章>

    索 引

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著者プロフィール

1958年生まれ。東京都立日比谷高校からアメリカ・ミシガン州ハートランド高校に留学。同校卒業。上智大学外国語学部比較文化学科卒(現:国際教養学部)。上智大学大学院グローバル・スタディーズ研究科グローバル社会専攻修士課程修了(2005年4月~2008年3月)。社会学修士号取得。東京大学大学院人文社会系研究科客員准教授(2009年4月1日~9月30日)。上智大学大学院グローバル・スタディーズ研究科グローバル社会専攻博士課程後期・満期退学(2013年9月)。グローバル社会学博士号取得(2019年9月)。
初めての報道番組テレビ朝日系の「今、世界は」では主に〈連帯〉発足当時のポーランド、ソビエト連邦、フィリピンの米軍基地潜入ルポ、アメリカ日系一世の記録などの取材レポートを担当する。続く「TVスクープ」でも、ロッキード裁判に揺れる越山会をはじめとする国内取材、また、民放連賞を受賞した「写真の中のベトナム戦争」(1985年)では、レポーターを担当。1986年5月には、テレビ朝日系「ニュースステーション」のフィリピン報道で、ギャラクシー賞個人奨励賞を受賞。
その後はフジテレビ報道と契約。1987年から連日、ニュース番組の生放送でキャスターとして取材、放送を手掛けてきた。フジテレビ系では「スーパータイム」「ニュースJAPAN」「スーパーニュース」を経て、2015年3月30日から同系の「直撃LIVEグッディ!」MCに(2020年9月にて終了)。

「2022年 『自民党の女性認識』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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