本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784750356259

作品紹介・あらすじ

難民の国際的保護制度は、1951年の難民条約とUNHCRに基礎を置くが、その制度は「迫害」から逃げる人々が念頭にあり、内戦や暴力による「命への危険」から逃げる人々に対処できていない。また、貧困・失業から逃れる経済移民が難民制度を利用することにも対応できない。
他方で、開発途上国に残る90%の難民は忘れられている。最も脆弱な人々である残された難民は、自由のない難民キャンプで教育も受けず仕事がないまま何年も何十年も過ごすことになる。
本書では、90%の難民の留まる周辺国で、難民に就労機会と教育を提供することで難民の自立を推進することを提唱する。
難民の自助努力を支援するアプローチ、受け入れ社会への貢献、さらには出身国の再建を可能にするオルタナティブなビジョンをA.ベッツとP.コリアーという著名な専門家が提示した重要な1冊。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 東2法経図・6F開架:369.3A/B39n//K

  • 【配架場所、貸出状況はこちらから確認できます】
    https://libipu.iwate-pu.ac.jp/opac/volume/570616

  • 【書誌情報】
    『難民――行き詰まる国際難民制度を超えて』
    原題:Refuge: Rethinking Refugee Policy in a Changing World (Oxford University Press, 2017)
    著者:Alexander Betts
    著者:Paul Collier
    監修者:滝澤三郎
    監訳者:岡部みどり
    監訳者:佐藤安信
    監訳者:杉木明子
    監訳者:山田満
    訳者:金井健司
    訳者:佐々木日奈子
    訳者:須藤春樹
    訳者:春聡子
    訳者:古川麗
    訳者:松井春樹
    訳者:松本昂之
    訳者:宮下大夢
    訳者:山本剛
    出版社:明石書店
    定価:本体3,000円+税
    ISBN:9784750356259
    判型:4-6
    ページ数:336
    出版日:2023/08/15

     難民の国際的保護制度は、1951年の難民条約とUNHCRに基礎を置くが、その制度は「迫害」から逃げる人々が念頭にあり、内戦や暴力による「命への危険」から逃げる人々に対処できていない。また、貧困・失業から逃れる経済移民が難民制度を利用することにも対応できない。
     他方で、開発途上国に残る90%の難民は忘れられている。最も脆弱な人々である残された難民は、自由のない難民キャンプで教育も受けず仕事がないまま何年も何十年も過ごすことになる。
     本書では、90%の難民の留まる周辺国で、難民に就労機会と教育を提供することで難民の自立を推進することを提唱する。
     難民の自助努力を支援するアプローチ、受け入れ社会への貢献、さらには出身国の再建を可能にするオルタナティブなビジョンをA.ベッツとP.コリアーという著名な専門家が提示した重要な1冊。
    [https://www.akashi.co.jp/book/b631860.html]


    【目次】
    日本語版への序文(オックスフォード、2023年3月31日 アレクサンダー・ベッツ) [003-011]
    監修者まえがき(訳者を代表して 2023年3月31日 滝澤三郎) [012-015]
    目次 [016-019]
    図表 [020-022]
    この本を書いたきっかけ [023-027]

    イントロダクション 029
      避難の目的
      壊れてしまったシステム
      新しいアプローチの必要性


    第I部 なぜ危機は起こるのか
    第1章 世界的な混沌 045
      何が強制移動や外国への避難をもたらすのか
      なぜ脆弱性は増加しているのか
        「相互確証破壊」の終わり
        民主主義的平和
        私たちにはできる
        資源ブーム
        イスラム過激派
      集団暴力の現実化
      避難するという選択肢
      避難所

    第2章 難民制度の変遷 067
      冷戦時ヨーロッパの難民制度
      ヨーロッパ中心主義のグローバル化
      1951年難民条約の沈黙
      誰が難民とみなされるべきか?
      見つからない保護提供者――誰が負担すべきか
      見つからないモデル――なぜ難民キャンプは不十分なのか
      UNHCRと21世紀
      危機と改革への機会

    第3章 大混乱 099
      危機の火種――シェンゲン体制
      火花
      ローマでの幕開け
      シリアへの飛び火
      シリア難民危機の第一段階(2011年~2014年)――心なき頭
      シリア難民危機の第二段階(2014年11月~2015年8月)――新たなランペドゥーザ
      シリア難民危機の第三段階(2015年9月~2015年12月)――頭なき心
      シリア難民危機の第四段階(2016年1月~)――心なき頭の復活
      現在までの整理


    第II部 再考
    第4章 倫理を再考する――救済の義務 143
      難民を救済する義務
        心の第一原則――思いやり
        頭の原則――比較優位と負担分担
        心の第二原則――国際的連帯
        高所得国の倫理的なジレンマ
        頭なき心のもたらす悪影響
      移住の権利はあるのか
      取り残された人たちの人権
        心の第三原則――必要性
        なぜ選別が重要か
      統合する権利と義務
      暫定的な小括

    第5章 避難所を再考する――すべての人に手を差し伸べる 179
      なぜ「出身国への近さ」が最も重要であるのか
      人道的サイロの失敗
      都市難民の放置
      開発の機会としての難民
      中米のサクセスストーリー
      お互いに得をする機会

    第6章 難民支援を再考する――自立を回復するために 215
      難民の経済生活
      ウガンダ例外主義
      自立の影響
      繁栄するか生き延びるか?
      ヨルダンはウガンダではない
      別のアプローチ
      ヨルダン・コンパクト
      難民のためにグローバリゼーションを活用する――どう機能させるか
      グローバルなプロトタイプとは?
      難民問題を超えて

    第7章 紛争後を再考する――復興の促進 245
      なぜ復興が重要なのか
      紛争後のリスク軽減
      復興の促進
      回復を遅らせる

    第8章 ガバナンスを再考する――機能する制度とは 267
      目的を再考する
      責任を再考する
        法の限界
        地域主義のリフレーミング
        実践的なパートナーシップ
        国家(政府)を超えて
        多国間主義を超えて
        人道主義を超えて
      組織を再考する
      改革プロセス


    第III部 歴史を変える
    第9章 未来への回帰 297
      シリア難民危機の再現
      世界を取り巻くその他の危機
      私たちのアプローチの明確化
      未来の再生


    注釈 [309-323]
    索引 [324-331]
    著者・訳者紹介 [332-33]

全4件中 1 - 4件を表示

著者プロフィール

オックスフォード大学の強制移住および国際問題の教授で、30代で同大学難民研究センターの所長。UNHCRや幾つもの国際機関や政府のコンサルタントとして働いた経験がある。主要著書には、Refugee Economies: Forced Displacement and Development(Oxford University Press)等多数。2016年には世界経済フォーラムのYoung Global Leaderに、またForeign Policyによって世界のトップ100人のGlobal Thinkersの一人に選ばれている。

「2023年 『難民 行き詰まる国際難民制度を超えて』 で使われていた紹介文から引用しています。」

アレクサンダー・ベッツの作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
ティム・インゴル...
トマ・ピケティ
ガブリエル・ブレ...
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×