女子学生、渡辺京二に会いに行く

  • 亜紀書房
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感想 : 28
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  • Amazon.co.jp ・本 (276ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784750511238

作品紹介・あらすじ

齢80歳にしてますます明晰。『逝きし世の面影』の著者と学生との2日間にわたる奇跡のセッション。私たちの生きづらさのワケとは?

感想・レビュー・書評

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  • 社会の役に立とうなんて思わなくていい、人間は生まれた時から自ら実現されたものだ、と言う言葉に救われた。

  • この前読んだ仕事のお守りで紹介してくれていた本。世の中の役に立とうなんて考えなくていい、世の中とうまくやれないのでもいいからそれを自己啓発とか言って組み替えようとしなくていい、と書いてあったのを見て図書館で借りて読んだ。210ページくらいからかな、もう、怒涛のごとくすげえなあということが書いてある。そんなのが終わりまで続くんで、これはもう買ってしまえ、ということでアマゾンで買ってしまった。
    でも、組み替えなくていい、そのまま微調整しながらだけど押し進めて行っていいというところが、どうやるんだろう?と齢55にしてまだバチーンと表せないから、無名の人生という新書もついでに買ってしまった。くるのが楽しみだな。

  • 至言「就職口がないというのは、経済の話にすぎない。就職がうまくいかないぐらいで、自分は社会に必要とされていないなんて、なんでそんなふうに追い込まれていくのか?」
    「社会のために役立ちなさいなんて、いらんことです。」
    「自己実現の欺瞞」

  • 自己実現は生まれ落ちたときに成されている。自分の性格は磨くもので修正するものではない。自然の美しさを認める存在としての人類で役割は充分。無名に埋没せよ。
    一生、本を読み続けます!

  • 〈本から受け取ったメッセージ〉
    無名の人生を生き抜くことで、様々な苦しみから解放される。埋没せよ。

    <本のポイント>
    ①自己実現という考え方が、近代の世の中を生きずらくしているということ。
    ②理想の社会を目指すことが、逆にすべてを管理される苦しい社会を生み出すこととなる。プライベートの振れ幅を包み込む社会にすることが大事。
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    津田塾大学の学生さんたちが、卒論のテーマを持って渡辺先生の話を伺いにいく対談形式の本。
    渡辺京二先生が真摯に学生さんたちと対峙し、その思いを惜しみなく語っているのが感じられる。

    そして、無名の人生を生き抜くことが、今の社会で私たちが抱えている様々な苦しみから解放される術として示されているようで、ほっと肩の力が抜けた。

    「無名に埋没せよ」

    力強く温かい言葉として刻み込まれた。

  • 何をがんじがらめに生きているんだろう。
    過去も未来も、あったもんじゃない。
    今感じることが真実。

    て、最近こうゆう本に良く当たる。

  • 「たとえば国家とか民族ということで、同じ日本人であるとか、同じ天皇陛下の赤子であるとか、あるいは自分は国家の一員である、ということになると、これは民族対民族の対立を生む。サッカーの試合じゃないけど、ニッポン、ニッポン、ニッポンと言って、団結しましょうとなると、とんでもないことになる。だから自分を超えたものと言ったって、自分を超えたおおきなものがなんであるのかということが問題である」(p227)

    「あたしは平凡な社会人になったらもう学問とは縁がない、とは思わないことです。普通の平凡な社会人でもちゃんとした読書人にはなれます。一生本を読みつづけることが大事です」(p258)

    「一晩寝ましょう。お酒でも飲みましょう。いやなことはいっぱいあるから、なるべく、さっと忘れましょう」(p263)

  • 渡辺氏が孫のような女子学生に「あなたたちの志は気高くとてもりっぱだよ。でももう少し肩の力を抜いて事に当たったほうが良いんじゃないのかな。」と言っているような気がしました。自己実現というような風潮に踊らされるな、周りの人の評価を気にせず、自分の考え方や生き方を磨きなさいと仰います。今に生きる我々にはかなりの難題でしょう。でも、私は氏の『無名に埋没せよ』には至極感動しました。こんなことを宣う御人はそうそういらっしゃるものではございません。

  • 津田塾大の三砂ゼミの女子学生たちが卒論を抱えて渡辺京二さんのところを訪れて、それぞれプレゼンしては渡辺さんからコメントを貰ったのを書籍化したという、珍しい企画物。渡辺さんの独演会ふうの結果に終始しているのだが。

  • 現代の女子学生(優秀な一部だと思われるが)の問題意識や思考が少しわかって興味深かった。研究テーマとか、非常に細かく分かれるようになったのだなあと。渡辺氏の、年を経て辿り着いた思考は、これからの人生に役立ちそうである。自分の考えを主張しても、説教臭くない語り口が良いし、わからないことは「そうなの?」と年少者に尋ねる姿勢も好感が持てた。「何らかのテーマについて考え続けること」は、しんどいし、特別に何らかの成果をもたらずとも限らないが、自分も細々と続けたいと思わされた。

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