ナスカイ

著者 :
  • 亜紀書房
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本棚登録 : 49
感想 : 4
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  • Amazon.co.jp ・本 (88ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784750515045

作品紹介・あらすじ

梅佳代 ✕ 全寮制中高一貫男子校の少年たち
“ナスカイ”こと那須高原海城中学校・高等学校

刹那であり永遠
朝も昼も晩も6年間いつもいっしょ、
切なさが刹那ににじむ、
笑い声が永遠に溶ける。

写真家・梅佳代の今作のテーマは、全寮制の中高一貫校に通う男子生徒たち。
“ナスカイ”こと那須高原海城中学校・高等学校を梅が初めて訪ねたのは2010年、栃木県の那須高原で開催された芸術祭のための取材だった。「新しい紳士たれ」の理念のもと、丘の上にあるキャンパスで中学1年生から高校3年生までの少年たちが学んでいた。時は巡り2012年春、再会の機会がやってきた。ただし、彼らは那須でなく、東京の多摩にいた。2011年の東日本大震災で校舎が被災し、「いつかは那須に」の思いを胸に、新たな地にキャンパスを移し再スタートを切ることになったのだ。授業、体育祭、文化祭、寮の部屋、卒業式――「会うたびに印象が変わる」10代、移りゆく季節を駆ける少年たちの姿を梅佳代はカメラに収めた。しかし、福島第一原子力発電所事故の影響もあり、学校は那須キャンパスでの授業再開を断念、新規の生徒募集を行わないことに決めた。そして2017年3月、ナスカイはその歴史に幕をおろす。

KOKUYO特別協力! キャンパスノート仕様
アートディレクション:中島英樹

感想・レビュー・書評

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  • 那須高原海城中学校・高等学校のスナップショット。

    東日本大震災の影響を受け、2017年3月に閉校となった学校と梅佳代さんの交わりの写真集。

    今回もいい味出てます。

  • 俺たちの梅佳代

  • 311で多摩市に避難していた全寮制の那須海城高校は、福島第一原発事故で那須に戻ることが困難となり、2017年3月閉校となった。その最後の生徒たちの記録。コクのノートを模したデザイン。

  • ずらりと並んだ小汚い上履きから
    臭い匂いが立ち昇って来たような気がして、
    思わずのけぞってしまった。
    中高一貫の男子校である『ナスカイ』(那須高原海城中学・高校)
    女子がいないし全寮制ということもあるのだろう。
    全体的に皆イケてない(笑)
    そして、基本的にやってることがアホである。
    でもでも、なんだか見てるうちに泣きそうになるのだ。
    男子の青春真っ只中から、女子と世間の眼を差し引いたらこんなにも生き生きとした姿になるのか。
    なんだか愛おしいくらい楽しそうなのだ。
    そして最後の一ページを読んで本当に泣いてしまう。
    東日本大震災の福島原発の事故の影響で
    この学校は閉鎖してしまったのだそうだ。
    懐かしくなったら、あの頃に戻りたくなったら
    この写真集を開けばいい。
    おバカで可愛くて、ちょっと臭そうな
    汗にまみれた自分に会えることだろう。

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著者プロフィール

1981年石川県生まれ。〈男子〉、〈女子中学生〉で、キヤノン写真新世紀連続受賞。2006年に初写真集『うめめ』を刊行、翌年第32回木村伊兵衛写真賞を受賞。以降主な著書に、『男子』『じいちゃんさま』『ウメップ』、『のと』、共著『うめ版 新明解国語辞典×梅佳代』など。近作に『白い犬』。2013年には東京オペラシティアートギャラリーにて個展「梅佳代展 UMEKAYO」を開催。日常に潜む様々な光景を独自の観察眼で捉えた作品が高く評価され、国内外の媒体や展覧会で作品を発表している。

「2017年 『ナスカイ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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