ひび割れた日常——人類学・文学・美学から考える

  • 亜紀書房
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本棚登録 : 193
感想 : 9
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  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784750516745

作品紹介・あらすじ

未曾有の危機を前にして、私たちは「何を考えればよいのか」を見失ってしまった——。

「人間の想像力の果て」からやってきたウイルスによって、我々の日常に無数のひびが走った。
消せない不安と変化を余儀なくされた日々の営みを前に、思考の足場をどこに築けば良いのか。

生命、自然、生と死、共生と敵対。
いま浮上する課題をめぐって、三人の異才がアイディアを持ち寄り、変奏し、問いを深めていくリレーエッセイ。

感想・レビュー・書評

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  • 人類学、文学、美学それぞの観点が交錯するリレーエッセイ。
    「三人寄れば文殊の~」というが、同じ災厄を経験した世界中の人々から、コロナと共存する智恵はきっと出てくるはず。

  • リレーエッセイという手法、面白いな。手紙のやりとりをこういう形でやってみたいかも。
    御三方それぞれの視点が交差する様、少しずつズレて発展していく様など非常に楽しい。

  • 人類学者、作家、障害についての研究者三人によるコロナ後の日常についての刺激的なリレーエッセイ。
    同じテーマを語っていても、各々の感じ方や表現の個性がとても興味深い。類似性と違いが同時に目に入ってくるのが楽しい。

  • コロナ禍によって、これまでの日常は間違いなくひび割れた。そして今もなおひび割れたままである。
    そのひび割れた日常を突きつけられ、嫌でも思考を巡らせている僕にとっては、このお三方によるリレーエッセイは大変な刺激となった。
    「生命と自然の問題」から出発し、思考の幅を限りなく広げ、縦横無尽に言葉を紡いでゆく。
    私たちは人間であるまえに生物としての“ヒト”であることを忘れがちだが、ウイルスもヒトも同じ生物。下手に闘うことを選ぶのではなく、共存の道を探りたいというのがもしかしたら著者たちの仮の結論なのかもしれない。それは僕も全く同意する。だからこそ日本のコロナ対策は気絶するほど過剰だと思わざるを得ない。
    余談だが、伊藤亜紗さんのエッセイ「胎盤とバースデーケーキ」は特に心に響く文章だった。

  • プレセンタって平らなケーキって意味なんだ〜

  • 2020I067 914.68/O
    配架場所:A1 東工大の先生の本

  • 人類学者・小説家・美学者によるリレーエッセイ。コロナウィルスをきっかけとして、人間と自然の関係を考える。オンライン授業の広がりで、仕事を持った社会人学生が、必須科目を受講しやすくなったという話を聞いたことがある。視点が違うとマイナスもプラスに転じる。振り返ってみると、コロナウィルス感染の蔓延に脅威は感じても、ウィルスそのものに怒りはない。結局、苛立つ原因は人間側の言動に対してだなと改めて思う。

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著者プロフィール

東京工業大学科学技術創成研究院未来の人類研究センター長、リベラルアーツ研究教育院教授。マサチューセッツ工科大学(MIT)客員研究員。専門は美学、現代アート。東京大学大学院人文社会系研究科美学芸術学専門分野博士課程修了(文学博士)。主な著作に『ヴァレリー 芸術と身体の哲学』『目の見えない人は世界をどう見ているのか』『どもる体』『記憶する体』『手の倫理』など多数。

「2022年 『ぼけと利他』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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