文にあたる

著者 :
  • 亜紀書房
4.02
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本棚登録 : 1647
感想 : 120
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784750517544

感想・レビュー・書評

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  • 心震えました。
    校正者・牟田都子さんのエッセイ。

    文字を、文章を、読むことが好きであればたまらない世界です。

    どのお話も驚きと発見に溢れていて、読み終えてしまうのがもったいなくてひとつひとつ味わうように大切に読みました。

    校正の仕事は単に誤字脱字を直すだけだと思っていたら、記述が正確かどうかこんなに徹底的に調べるとは!
    思い込みで読み流してしまいそうな一つ一つを調べてみるアンテナに驚きです。
    「揚げ物が苦手だと口にした登場人物が居酒屋でポテトフライを注文していたり、間取り図を描いてみると出入り口のない部屋が出現したりする、」
    そんなことも見つけなければいけないなんて、なんて大変な仕事なんだろう。

    一方、小説において、どこまでリアリティを求めて指摘するか。
    読者としては小説なら曖昧でもいいのではないかと思いますが、そのポイントに対して身近だったり専門だったりする人にとっては違和感に感じてしまうこともあるということで、誰にとっても間違いのない完璧な本を作る難しさを知りました。

    これからはどんな本も今以上に、言葉のひとつひとつを、文字のひとつひとつを大切に味わって読もうと思います。

    帯付きも帯なしもどちらも素敵な装丁。

  • 校正とは?
    知らない世界は面白そうなので何の知識もないまま読み始めた。
    校正の仕事はどのようなものか、それと向き合うことによって考えたことなどが書いてある。
    とにかく正解が存在しないので大変そう。間違いではないということだけではないのだ。

  • 本づくりの裏方、校正というお仕事にスポットをあてた一冊。読書好き必見。

    校正という仕事、誤字、脱字のほかファクトチェックなど仕事の内容は実に奥深い。国語辞典を何冊もみたり図書館へ駆け込んだり。インターネットの普及は校正の仕事にかなり影響を与えているが結局のところ人の力を介している所がなんとも凄い。

    どんな本にも製作者たちの努力が詰まっている。これからは心してホンを読んでいきたい。

  • ドラマ 地味にスゴイ! 校閲ガール・河野悦子
    で校閲という仕事は知ったけれど、実際に校閲を生業にしている方の言葉には、圧倒された。
    読者を威圧することはなく、語りかける言葉づかいに著者の人柄をかんじるからご心配なく。
    辞書についても興味深く感じられる部分があって、本から知ることができる一冊だと思った

  • 絶賛の書評があまりにも溢れていて、私もそれらを読んでから本書を手に取ったので、ちょっと期待しすぎたかもしれない。著者のジェンダー観に危ういものを感じてしまったのも、ページをめくる手を重くした。ごめんなさい。

  • 校閲の仕事について知ることができたのは勿論、プロとして本と向き合い続ける筆者の覚悟に胸が震えた。日々素晴らしい本と出会えることに改めて感謝したくなる一冊。

  • どんなに苦労して仕事を完了しても言葉である限り100%の出来となるでことはなく、この本の校正は素晴らしかったですと声が上がることもなく、売り上げが伸びるわけでもない校正という仕事の素晴らしさ、面白さを覗くことのできる本です。

  • 牟田都子「文にあたる」
    akishobo.com/book/detail.ht… そうわたしは話題本とは相性悪いんだった、何度繰り返せば学習するんだ自分よ。裏方業を評価されたいという訴えや苦労話はどんな仕事だとしても興ざめする。変化球の承認欲求だな。引用や作家の話はおもしろかったから全部その方向なら良かったなー

  • 司書の内実についての本も普段知ることのない叡智に触れられるまたとない機会であったが
    校正の存在に関しても、過去から現在に至るまでの読み解いた多くの書籍の中で、筆者が触れるように全てが十全な裏方の存在を通して世に出ているとは限らないまでも、我々の目に触れるコンテンツの裏側にある、ほとんど感知することもない労力のありがたさと難解さを、筆者の経歴のおかげもあってより確かに感じることが出来る。

  • 校正という仕事についての苦労ややりがい、この職についた経緯や覚悟など、誠実に語られている。校正という仕事の奥深さを感じた。
    またこの本の表紙の装丁が素晴らしい。

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著者プロフィール

1977年、東京都生まれ。図書館員を経て出版社の校閲部に勤務。2018年より個人で書籍・雑誌の校正を行う。
これまで関わった本に『へろへろ 雑誌『ヨレヨレ』と「宅老所よりあい」の人々』(鹿子裕文、ナナロク社/ちくま文庫)、『何度でもオールライトと歌え』(後藤正文、ミシマ社)、『ブスの自信の持ち方』(山崎ナオコーラ、誠文堂新光社)、『家族』(村井理子、亜紀書房)、『はじめての利他学』(若松英輔、NHK出版)ほか多数。
共著に『あんぱん ジャムパン クリームパン 女三人モヤモヤ日記』(亜紀書房)、『本を贈る』(三輪舎)。

「2022年 『文にあたる』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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