- Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
- / ISBN・EAN: 9784751522295
作品紹介・あらすじ
子犬のシャイローと出会ったことをきっかけに、少年マーティは、誰にも言えない秘密をもつことに・・・。子犬を思う少年の気持ちが、痛いほど伝わってくる珠玉の名作!
感想・レビュー・書評
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乱暴者ジャドの元で虐待されて逃げ出した犬と出会った11歳のマーティ。飼い主ジャドの元に戻したら酷い目に遭わされるのは確実で、シャイローと名付けこっそり匿うことに。家族にバレないように自分の食事を削ったり、空缶拾いでようやく貯めたお金で食べ物を買ったりしてシャイローを保護します。シャイローの表情や安心して甘えるようになる過程がとてもよい。
シャイローを自分の力で救おうとするマーティと、ジャドがほんの少し互いを理解するのも良かった。単純な勧善懲悪的ストーリーじゃないのもいい。 -
よい話でした。最初は考えなしに犬を匿う少年だが、ちゃんと考え行動し、犬を手に入れる。
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解説がないので詳細は不明だが、生活の様子から1940から60年くらいの時代設定かな、と思う。
92年のニューベリー賞受賞作。
最近の児童文学はLGBTとか虐待とか、家族の不和とか障害(肉体的障害より、発達障害が多い)とか、様々な問題を盛り込む傾向にあり、上手くまとめられないと、結局何が言いたいのか?ということになりがちだが、92年のこの作品はもっとシンプルで、読者がテーマに集中しやすく、児童文学ってこれくらいで良いのかも、と思った。
虐待から逃げてきた犬と少年の友情と、少年の成長がメインテーマだが、細部がきちんと(しかし過剰にはならず)描かれているため、物語に深みと陰影がある。犬を虐待する男が抱える孤独が描かれているのが良かった。
11才の誕生日にライフルが与えられ、近所の森で自由に撃っていい、動物を虐待するのは飼い主の自由など、ちょっと時代や文化の違いに驚く部分もあるので、解説はつけて欲しかった。解説がないのがこの本の最大の欠点。小学生位だと現代アメリカの話だと思ってしまう。
でも、犬好きだけでなくてもお薦めできる名作。挿し絵も押し付けがましくなくて良い。 -
酷い扱いを受けていたビーグル犬を見つけ、どうしようもなく心を惹かれたマーティ。
犬のシャイローを助けるため、奮闘する少年のひと夏の物語です。
今どき犬にこんな酷い扱いをする人なんていないだろうと思うのだけど、
90年代に出版されていて、舞台がアメリカの田舎だと考えればなんとなく納得できちゃうかな。
愛情をくれる人間にはブンブンとしっぽを振り、ひどいことをする相手には震えて近づこうとしない。
そんなシャイローの純粋さに触れ、マーティは少しずつ成長していきます。
マーティのシャイローに対する愛情と、子どもゆえにどうにもならないことへのもどかしさ、嘘をつかなくてはいけない辛さなどを感じることができました。
いろんな口コミを読むとあまり評価していない人もいるんだけど、わたしはすごく好きなお話で、これから何度も読み返したくなるほどです。
アメリカではシリーズとして4冊が出ていて、映像化もされているそうです!
日本では2冊目の『シャイローと歩く秋』までが出版されていて、こちらもすごく良かった!
『シャイローがきた夏』から続くお話で、ここまででワンセットになっている感じがあるので、ぜひ続けて読んでみてほしいです。 -
虐待されている犬を助けたい少年、私ならすぐ許してしまいそうだけど、法律、お金などテーマが多岐にわたるいい作品でした。
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ある日11才の男の子マーティーは小さなビーグル犬に出会います。この犬はどうやら乱暴者で知られているジャドのところから逃げてきた犬でした。ジャドがこの犬を虐待していることを知ったマーティーは、この犬にシャイローと名づけて匿います。小さな犬を守りたいという思いと家族に秘密を持つことで感じる心の痛みの狭間で揺れる思いを丁寧に描いています。嘘が破綻したあとに、家族がマーティーにどのように向き合ったか、そしてジャドが納得のいく形でシャイローを引き取れるようにしていく、その誠実な様子は心に響きます。
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「まるで魔法のボタンを押したみたいだった」ある日、11歳のマーティが出会ったのは、荒くれものの猟師・ジャドの飼い犬だった。ジャドは言うことを聞かない犬に容赦なく暴力をふるう。マーティはその犬を「シャイロー」と名付け、愛情深くかくまい、誰にも知られないように世話をするように。しかし、ある事件から、その秘密がばれてしまい・・。愛すべき犬・シャイローをめぐり、大人の矛盾や不正に立ち向かうしたたかさを身に付けていく少年の成長物語。
(第八小学校図書館だよりの紹介より) -
つつましいけれど誠実な家族。可愛らしい犬。