- Amazon.co.jp ・本 (32ページ)
- / ISBN・EAN: 9784751525210
作品紹介・あらすじ
作者の、画家として歩み始める原点を描いた自伝絵本。戦争で故郷を追われ、過酷な暮らしをしていた時期、父親の持ち帰った世界地図が少年だった作者にパン以上のものを与えた。
感想・レビュー・書評
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1935年ポーランド・ワルシャワ生まれのシュルヴィッツさん。
3歳の頃から絵を描くのが好きだったらしい。
ところが1939年ドイツがポーランドに侵攻。
第二次大戦の嵐に追われて、一家は難民となりソ連を経て中央アジアのトルキスタン(現カザフスタン)に逃れる。
まだ4歳だった著者の身には、それがどれほど辛く恐ろしかったことだろう。
この本は、その逃避先で実際に体験したこと。
淡々としたテキストから戦争の理不尽さが滲むが、作者の言いたいことはそこではない。
タイトルに「おとうさん」とあっても、お父さんの登場は3場面だけ。
パンを買いに行くお父さん。市場で悄然としてうなだれるお父さん。そして、パンではなく地図を買って帰ってきたお父さん。
この地図が作者の心にどれほどの想像力と希望を与えたか、後半で描かれる。
人はパンのみにて生きるにあらず。
食べるものが何ひとつ手に入らない状況でも、果たしてそう言えるかどうか。
この本を読むと、多くの親御さんは胸に手をあてて我が身を振り返ってしまうだろう。
私は子どもの心に何を残してあげられただろう・・
目の前のことばかり言ってきたのではないだろうか。
シュルヴィッツさんの一家は終戦後の1947年パリに移ったという。この本のような状況が8年間も続いたという事だ。
その2年後イスラエルに移り、働きながら夜間学校で学ぶことになる。
14歳にして初めて公教育を授かったということだ。
お父さんの地図がそれまで心の希望になっただろうことは想像に難くない。
そして、そのお父さんのおかげで、私たちもシュルヴィッツさんの作品に触れることが出来るということだ。
低学年からとあるが、出来れば中学年から中学生くらいが妥当かと。約8分。終わり方が唐突なので、後書き部分でぜひ補ってほしいところ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
難民のお話ではあるのだけど、大人が人生に迷ったときに読んでもグッとくる絵本。
子供には逆に難しいかな…おうちにあると良さそう。
低学年くらいから読んであげて、わからなくてもいつかわかるような内容です。 -
戦争中、僕たちが逃げた町も豊かではない。
お金も食べる物もない中、
お父さんがわずかなお金で食料のかわりに
買ってきたのは「地図」だった… -
裏表紙の写真の風貌からこの少年はユダヤ人なのかな。
と思った。
少年は、1936年のポーランド生まれだ。
1939年ドイツは、イギリスと宥和条約を結んだ。
その間隙を縫ってドイツは、ポーランドを攻撃する。
少年の4歳の時だ。。
ぬほ主人公はイスラエルにも住んでいたとあるので、間違いなくユダヤ人だろう。
大戦下ポーランドに住んでいれば、間違いなくドイツのユダヤ人に対するジェノサイドで家族は皆殺しになっていた。
それで家族はソ連に逃れトルキスタン、今のカザフスタンで生活を送る。
ひもじい生活の中、父親はパンの代わりに地図を買ってきた。その地図で少年は空想を膨らませる。
その後、終戦後にはパリにわたり、さらにイスラエルに渡っている。
邦題は、おとうさんのちずだ。
原題は、How I learned Geography
僕はどの様に地理を学んだか
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戦争中、ろくに食べ物もない環境で暮らす少年と家族。わずかなお金でパンよりも、世界地図を買って持ち帰った父。世界地図が少年に与えたものは・・・。自伝。読み聞かせOK。私の大好きな本。
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ポーランドを出て、移民として貧しい暮らしを強いられた作者の子供時代のはなし。
遠目がきく。高学年から。本文5分、後書き1分。 -
私も地図が大好きでよく見ていた幼少期の頃を思い出しました。