思いはいのり、言葉はつばさ

著者 :
  • アリス館
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本棚登録 : 277
感想 : 23
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  • Amazon.co.jp ・本 (248ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784752008965

感想・レビュー・書評

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  • 中国に伝わる女書。その美しさに魅せられ学び始める少女チャオミン。少女たちの日常を通して、民族や女性、家族、友情が浮かび上がる。なんて繊細で切なく美しい物語を書くんだろう。思いは祈りになり言葉は翼になる。タイトル通りの素敵な物語。

  • チャオミンはニュウシユ(女書)を習いはじめます。
    花帯に刺繍されたニュウシユに心惹かれて。

    文字を知って、チャオミンは伝えたいことがあふれます。歌にのせて、文字にのせて、気持ちが自由になるのです。

  • 漢族の父とハル族の母の間に生まれたゴォ・チャオミンは、近所のお姉さんホ・ジュアヌに連れられ刺繍にと手仕事をする娘たちの集まりに参加することを楽しみにしている。
    集まりにはもう一つ、男たちに秘密の習い事がある。
    「ニュウシュ(女書)」を教えてもらうのだ。

    文字を覚えたばかりの小さな女の子の誇らしい気持ち。
    自分の気持ちを言葉の形にしてやり取りする手紙や歌。
    部族間の反発もあるけど、きちんと交流も、手を取り合うこともある。
    年上の子が小さな子を慈しみ、
    子どもの成長を見守る家族。

    ニュウシュには、女性たちの辛い気持ちを受け止めてきた歴史があるそうです。
    チャオミンたちの物語が、ニュウシュに染みこんだ女性たちの涙を天にかえしてくれているといいな。纏足の怨念は作品内ではらされていた。(受けいれ、誇りに思っていた人もいてはったんやろなとは思う。ただ、子どもの足というのが。失われるべくして、失ったものだ。)
    ニュウシュで恋文もしたためられるんだものね。
    チャオミンとジュアヌが結交姉妹になれて良かった。誰かの命と引き換えでなくて、ほんとに良かった。
    シューイン姉さんの結婚が、相手といっしょに幸せな日々をニュウシュで綴っていけるものでありますように。
    こうであったらよいなと思える物語でした。

  • 幸せを願って自由を教え、幸せのために不自由を強いる…。母親に思いを重ねて読みました。

  • 2020.01.21

  • 「辛いときは書きましょう。苦しいときは歌いましょう」
    「思いをつづることで心がきっと自由になる」

    小さい村の小さな女の子のおはなし。でもその心の内は文字と歌でどこまでも深く果てしなく広がる。読後の余韻がいつまでも残る一冊。

  • 手に取る機会があって読んだ。

    チャオミンは、十歳の誕生日を楽しみにしていた。
    近所のジュアヌと一緒に、「ニュウシュ(女書)」を習いにいく。
    ニュウシュとは、女性だけが書く文字のことだ。

    不思議な読後感でした。
    民族や文化のこと、小さくて広い世界のことをじんわり感じます。
    ニュウシュってどんな文字なんだろう、ほんとにあるのかとWEB検索すると、なんとこの本の見返しにもありました。
    細い蔓のような、模様のような文字で、デザインと一体化していて気づきませんでした。
    昔の中国の甲骨文字のような象形文字のような感じです。
    あとは、結交姉妹というのに違和感がありました。
    やっぱり中国や韓国の文化なのかな、なんて。
    てん足はどうも後ろ暗いので、YA向けかなぁと思いました。
    イラストがかわいくてよかったです。

  • ニュウシュ(女書)を学ぶチャオミンがいきいきとしてかわいらしい
    憧れのお姉さんや友だちと刺繍や歌で過ごす貴重な時
    きらきらばかりじゃない人生もこの時があれば励めそう

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著者プロフィール

福岡県生まれ。講談社児童文学新人賞佳作『カラフルな闇』でデビュー。作品に、『青(ハル)がやってきた』、『鉄のしぶきがはねる』(坪田譲治文学賞、JBBY賞)、『たまごを持つように』 、『伝説のエンドーくん』、『思いはいのり、言葉はつばさ』『日向丘中学校カウンセラー室1・2』『零から0へ』『かがやき子ども病院トレジャーハンター』など。

「2023年 『つる子さんからの奨学金』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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