- Amazon.co.jp ・本 (257ページ)
- / ISBN・EAN: 9784753310081
作品紹介・あらすじ
解離性障害の診断は実際には簡単ではない。本書で述べる多くの症候が初期統合失調症にみられる症状ときわめて類似しているため、統合失調症と誤診される可能性は高いのである。解離性障害であるか否かについて正しい判断をするためにも、解離の症候学や病態への理解はさらに普及されなくてはならないであろう。
感想・レビュー・書評
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いま読んでる。オカルト的な体験の一部が解離で説明できるような気がしたので購入。背後に人の気配を感じるとか鏡が怖い、体外離脱等。
そもそも解離に特有の体験が元々よくあることだったことによって守護霊や守護天使、鏡関連の伝承や幽体という考え方を生み出したという考え方もできる。
読了。終盤の治療論の部分で、解離性障害の交代人格と「浮かばれない死者の霊」との類似が指摘されていて面白かった。祟る霊を祀り供養することと、身代わりとなった交代人格に救済者としての存在意義を持たせ尊厳を取り戻すことが並べて書かれている。
そもそも解離という機能を持った人類が文化や信仰を生み出した以上、構造が被るのは自然なことなのだろうかと考える。適切に機能しさえすればオカルトも精神医学と表裏一体の役割を担っているのかもしれない。少なくともかつてはそうだったろうし…日常生活で推奨したりはしないけれど。
(実際、序盤の方で出てきた症例の中には「拝み屋ではなく精神科に来るなんて慧眼だな」という感想を持つくらいオカルトに親和性の高いものがあった。)詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
具体的な症例を示し解説しており理解しやすい。