- Amazon.co.jp ・本 (176ページ)
- / ISBN・EAN: 9784756148032
作品紹介・あらすじ
本展は、デザイン活動35年を迎える川崎和男氏の代表作を一堂に紹介し、タワシ、メガネ、インテリア、車椅子、コンピュータ、ロボット、家庭用原子力発電機、さらには人工臓器に至るまでの氏の活動の全容を伝えようとするものです。
感想・レビュー・書評
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デザイナー川崎和男の作品集であり、その時点での彼の言葉のまとめ。
半分はビジュアル、半分は言葉、という作品集。
まとめ的な要素が強いので、僕には新鮮味は薄かったけど、ビジュアルとマインドを合わせて堪能できるのは便利。
僕は彼のスタンスは、古風なデザインスタイルだと思ってるけど、たぶんモダニストなんだと思う。
建築のモダニストたちの作品の感触とダブるイメージがあるので…偏見かもしれないけど。
そこに共通するのは、常に「理論」で多くを「定義」し、それに即して「一貫した手法」をその作品に使う、ということ。
※だから彼は意思伝達手段の「言葉」にも、製作手段の「コンピューター(Mac)」にも、常に「定義」を強く持ち込もうとする。
コンセプトとかイメージとか、そういう感覚的なところがモダニストの作品には薄い(と僕は思ってる)。
デザイナーという人種の、もっとも素直で実直なスタイルの一つだ(と僕は一方的に思っている)。
彼の作品集の半分が「言葉」で埋められているのは、大前提にしたい理論や定義がたくさんあるから。
ユーザーじゃなくて、すべてのジャンルで「モノを作っている」人間に対して、伝えたい・説明したい事象や想いが膨大にあるんだと思う。
身体的にはまともじゃないけど、戦うデザイナーとして力強い姿勢にはMの僕はいつもメロメロにされる。
※Macフリークなのに、MSのカンファレンスに呼ばれて講演したときも「もしお困りなら助けてあげますよ、マイクロソフトさん」って冒頭からカマしてた
形・ビジュアル・機能など、デザインリテラシーがある人にとって、読み取れることは多いと思う。
作品そのものより、デザインや「定義」そのものの対象について。
特にMっ気のある人は、一度は川崎和男に陶酔してみるべし。詳細をみるコメント0件をすべて表示