彫刻の解剖学: ドナテッロからカノーヴァへ (イメージの探検学 1)
- ありな書房 (2010年10月1日発売)
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感想 : 2件
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- Amazon.co.jp ・本 (282ページ)
- / ISBN・EAN: 9784756610157
作品紹介・あらすじ
ドナテッロからミケランジェロへ、初期ルネサンスから盛期ルネサンスへ、《ラオコオン》の発見を契機に1510年代にローマに生起したヘレニズム的転換を視座に据え、ジャンボローニャからベルニーニ、そしてカノーヴァへ、マニエリスムからバロック、そして新古典主義へ、これらの芸術家が創造した圧倒的な彫刻作品を解剖し、それらの創造の秘跡を探険する!
感想・レビュー・書評
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彫刻の解剖学=その彫刻の事だけではなく、どの様な時代に、どの様な影響をうけ、どの様な発想のもと、どの様な所から制作費/制作依頼をうけ、どの様に制作していき、その完成を観た周囲の各人諸々の反響はどの様なものだったか。そして、その結果、その後に続く、次に生まれる芸術観は何であったか。という学術が…彫刻の解剖学。反クラシック的特徴をもつ【ラオコーン】の発掘によ、歴史が動いたのは、そこに思いもよらなぬ偶然の積み重ねが加わっている事。この群像をいち早く目撃した男が本来は彫刻家であるにもかかわらず、当時 世界の中心であった場所にきわめて大規模な壁面を描かざるをえなくなったからである。それも20mもの距離を置いてしか観る事かできない天井に。
『ラオコーン』の発掘は、時代の要請や意識、さらにミケランジェロという類まれな才能と一体となって、未来の扉ひらいたのである。
そして…彫刻の黄金期、バロック美術が、生まれる。
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