文章の鬼100則

著者 :
  • 明日香出版社
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本棚登録 : 143
感想 : 6
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  • Amazon.co.jp ・本 (248ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784756921413

作品紹介・あらすじ

 ビジネスで結果を出すための文章」が掛けるようになる本。
プレゼンに勝つ。企画書を通す。メールで依頼する。POPで商品を売る。プレスリリースで記事にしてもらう。いずれも原則は同じ。正確性よりも「相手を本気にさせるように働きかける文章」であることが重要なのです。
 よくある文章術の本のように、「てをには」「文法」などの話は出てきません。コピーライターとして、著述家として数多く仕事をしてきた著者が、相手の心に働きかけ行動に繋がる実践的な文章を、どのようにして書くかを熱く語ります。

感想・レビュー・書評

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  • とんでもない本。
    ページの角がほぼ折れている。

    私は普段本を読む時に、線を引く。
    そして、ページの角を折る。

    全部読み終わった時にタメになったな、タメにならなかったな、の判断をするが
    この本ほぼ全ページ折ってしまった。

    「働く文書」という良いワードを知れたのも良し。

    素晴らしい本。

  • 有名コピーを多数生み出したコピーライターの著者が「働く」文章のルールについて迫った本書。後半になるにつれ、勉強になることてんこ盛りだった。だからこそ、Principleのつづりミスがとても残念に感じた…

    no.8
    読みやすいは正義→読みにくい要因は以下
    タイトルや見出しがない/文字の級数が小さい/余白が少ない/フォントが読みづらい/感じと佳奈のバランスが悪い/句読点や改行のタイミングが悪い

    no.12
    常套句は空気と思え
    強い言葉→記憶に残る/心に刺さる/行動したくなる言葉のこと
    e.g. 高機能・高性能・こだわり・最先端・伝統・厳選した・最高の・極上の

    no.15
    文章は耳で書け
    ですます調のメリット→丁寧で柔らかい印象になる
          デメリット→語尾の変化がつけにくいので、単調になりやすい→体言止め・疑問形・否定形などを入れて変化をもたせる必要あり

    だ・である調のメリット→文章がシャープになり、歯切れがよくなる・語尾の変化もつけやすいのでリズムが出る
           デメリット→上から目線で偉そうに思われる可能性があるということ

    no. 16
    五感を意識して書く
    小説やエッセイなどでは、視覚以外の聴覚や身体的感覚(触覚・嗅覚・味覚)などの描写を混ぜるとリアリティを増す。

    no. 20
    アリストテレス説得の3原則
    ①「ロゴス」英語のLogic(ロジック)の語源。論理・理性などの意味;論理建てて理性で相手を説得すること
    ②「パトス」英語のPassion(パッション)の語源。情熱・熱意などの意味;情熱や熱意で相手を説得すること
    ③「エトス」英語のEthics(エシックス)の語源。信頼・人柄・倫理などの意味;自分を信頼してもらうことで相手を説得すること

    Skill
    no.45 目指す場所を明確に
    ・すべてのデスク上と家庭内にコンピュータを(マイクロソフト)
    ・わたしたちは10年以内に月に行くことを選択する(アメリカ月着陸)
    ・日本一おもしろいタワーを目指す(通天閣)

    no.46 言葉を化学反応させる(言葉の組み合わせによって新しい概念を作る)
    ・負ける建築;建物そのものの存在感を強めるのではなく、周りの自然や環境と調和する建築
    ・駅前留学(NOVA)
    →矛盾した意味の言葉を組み合わせることで新しい意味を生み出す修辞法を「対義結合(オクシロモン)」

    no.47 アナロジーで直感的に;アナロジーとは、Aを説明するとき、Bに置き換えて表現すること。このとき、AとBの間に共通項が必要。
    ・松下電器(パナソニック):水道水は本来価値のあるものである。しかし公園の水道水を誰かが勝手に飲んでもとがめられることはない。それは量があまりにも多く、価格が易い身体。松下電器の氏名はこのように、物質を豊富に生産し安く提供することで貧困を克服し、世の中を幸福にすることにある。
    ・Peachー空飛ぶ電車:改札を通るように自身で自動チェックイン機を通る/基本自由席・指定席は追加料金/帝国になると待たずに無慈悲に出発/電車のワゴンサービスのように飲食物は有料で/エンターテインメントは一切なし

    no.51 断言はサービス
    ・やられたらやりかえす。倍返しだ(『半沢直輝』)
    ・訴訟は勝つか負けるかのギャンブルだ(『リーガルハイ』)
    ・それは好きの搾取です(『逃げるは恥だが役に立つ』)
    ・愛しているけど好きじゃない(『カルテット』)

    no.56 断定か?問いかけか?
    もし売ろうとしている商品や提案する企画に対して、読み手が興味を持ってくれている場合は、「断定」するほうがいい。逆に、読み手があなたの商品や企画に興味を持っていないときには、「問いかけ」のほうがいいのでは?政治家の演説と一緒。

    no.69 「土星の輪の謎」でひっぱる
    最後まで読んでほしければ、冒頭でなにかの謎を提示して、それを解明していくというスタイルがおすすめだ。

    no.81 6つの「影響力の武器」を手に入れる
    ①返報性;人間は誰かから何かしてもらったら、何かをお返ししないと気持ち悪く感じてしまう
    ②コミットメントと一貫性;人間は一度何かを宣言してしまうと、それをひっくり返して別の意見を述べにくくなる
    ③社会的証明;人間は自分ではそういう人間ではないと思いながらも、他人の行動に大きく影響されて(同調して)しまう
    ④好意;人間は自分が好ましく思っている相手から進められると、それがとても良いものに見え、手に入れたくなってしまう
    ⑤権威;人間はなにかの権威(権力・肩書・実績・ユニフォーム・ルックスや身なり)から命令されると、あまり何も考えずに従ってしまう
    ⑥希少性;人間は希少性に弱い。数が少ないことや、日時が限定されている、めったに手に入らない条件が呈示されると、そんなにほしくないものでも、つい欲しくなってしまう

    no.83 能動的コメットメント効果
    あなたが、約束を守らせたかったら、その相手に自らコミットメント(サインや日時を書かせる等)させることが重要。

    no.84 ポストイット効果
    目立つポストイットに個人的なメッセージが添えられていることで、自分だけの特別な依頼に感じた。つまり、自分に関係があると思ったのだ。これは、ポストイット自体が重要なポイントではない。肝心なのは、あなただけへの特別なメッセージですよということを、相手にきちんと伝えることだ。

    no.86 不参加でも意思表示効果
    インフルエンザのり感リスクを減らす予防接種を希望します
    インフルエンザ罹患リスクを減らしたとしても予防接種を希望しません
    のようなどちらの選択肢も用意する。

    不参加の場合も自らの意思を表示しなければならないことで、職員たちが受けるか受けないかを真剣に考えた結果だと思われる。

    no.87
    譲歩&おねがいプラス効果
    売り手①値引きを了承する
    売り手②値引きを了承するとともに、なにか新しいお願いをする。(レビューをしてもらうなど)

    書いては潜在的に売り手のことを警戒している。だから価格だけを示されても、それが本当に最低価格なのかわからない。しかし、売り手からなにか新しい条件が加えられることで、その価格が最低に近いものであると認識する
    →つまり、新たな条件が加えられるぐらいだから、売りてもかなり頑張ってくれている、と買い手は思うというわけ。

    no.91 PREP法
    Point;冒頭で私はこう考えるなどの要点・結論・主張を示す
    Reason;なぜそうなのかの理由を説明する
    Example;理由に至った具体的な実例(エピソード・データ)を描写する
    Point;もう一度要点等をまとめる

    例示
    P 論理的な文章を書くときにはPREP法が使える。
    R なぜなら最初に要点が書かれているので、何が言いたいかがすぐわかり、読んでいてイライラしないからだ。
    E 実際に、同じテーマを設定して、100人の学生に①自由に文章を書く/②PREP法に沿って書くという②パターンで小論文を書いてもらった。すると80%以上の学生で校舎の小論文のほうが読みやすくなった。
    P 以上のことから、論理的な文章を書くときにはPREP法が使える。

  • 昨日、上司から貸していただいた本。著者の言葉には一切無駄がなく、読み始めると止まらなくなる。この本に書かれていること全てが重要。仕事に活かしたい。

  • 極普通

  • 文章を書くということは、誰かに読んでもらうということが前提としてある。読んでもらうためには、読み手が読みたくなる必要がある。読み手が読みたくなる文章の書き方について、書かれていてわかりやすかった。

  • 文章を書くにあたってのマインドを伝えつつ、アイデアやフレーム等が中心の内容。
    「なぜ書くか?」が重要という部分、ものすごく共感するポイントでした。

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著者プロフィール

コピーライター。湘南ストーリーブランディング研究所代表。
大阪大学人間科学部卒業後、大手広告代理店勤務を経て独立。数多くの企業の広告制作に携わる。東京コピーライターズクラブ(TCC)新人賞、フジサンケイグループ広告大賞制作者賞、広告電通賞、ACC賞など受賞歴多数。特に企業や団体の「理念」を一行に凝縮して旗印として掲げる「川上コピー」が得意分野。「物語」の持つ力をマーケティングに取り入れた「ストーリーブランディング」という独自の手法を開発した第一人者として知られる。現在は、広告制作にとどまらず、さまざまな企業・団体・自治体などのブランディングや研修のサポート、広告・広報アドバイザーなどもつとめる。著書は『物を売るバカ』『1行バカ売れ』『コト消費の嘘』(いずれも角川新書)、『キャッチコピー力の基本』(日本実業出版社)、『江戸式マーケ』(文藝春秋)など多数。海外においても「ストーリーブランディング」をテーマにした本がベストセラーになっている。

「2023年 『ストーリーブランディング100の法則』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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