- Amazon.co.jp ・本 (371ページ)
- / ISBN・EAN: 9784757140677
作品紹介・あらすじ
君たちは、人生のすべてではないにせよ、生活の大半を、哲学を避けて過ごすことができる。というのも、哲学なしでも人は生きていけるからだ。友人がいなくても、愛がなくても、芸術がなくても、音楽がなくても生きていけるのと同じだ。それは可能だけれども、なんだか不幸でもあるよね。そしていつの日か、君たちの人生の節目、かつて少しだけかじった哲学が、おそらく必要なものとして、必然として、救いの手としてよみがえってくることもあるだろう。
感想・レビュー・書評
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そうか!!この本はあくまでもフランスのリセの哲学の授業の副読本扱いなんですね!あくまでも正式な哲学教科書ではなくて参考書扱いなわけですかあ!!だけれども、正式な哲学教科書にも負けない本格派で、別のレビュワーも言っていたが、バカロレアの試験対策のコラムも実に小論文対策にも応用可能な書き方をしているし、あらためて、シャルル・ペパンという哲学の先生が書かれた2冊の哲学の教科書を読むのも一興かと思いましたよ。改めてそちらのレビューも書きたいです。とにかく面白いけど本格派!!
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図書館の予約本が来るまでの合間の再読。
芸術や自然、意識や真理など、哲学で扱う対象を、さまざまな書物の抜粋を交えつつ平易な言葉で説明する、フランスの高3向け教科書、副読本。
マルセル・デュシャンの「レディ・メイド」を取り上げて説明する芸術のデコーダーの大切さは、ゴンブリッチの「美術の物語」の文脈を思い出させた。
進歩の拡大は隷属の強化に結びつくというマルクーゼの言葉や、パノプティコン、自由の意味、行使の仕方など、改めて考えさせられることは多い。「倫理が見失われているなら、法は強制力を持てない。規則や法律はあくまで人間のためにある。人間がそれらのためにあるのではない」ということを、こうやって明快に高校の授業で教えてもらえるのは幸せだ。
十数年ぶりの再読だが、時が経って読み直しても受け取り方に変わりがない本の一つ(哲学の特殊性かもしれないが)。特に、「真理は個別的であって普遍的ではない。相対的であって、絶対的ではない。特殊であって一般的ではない。歴史や時間を超越するものではない。反対の証明がなされるまで、時代が真理だと認めることが真理だ」という著者の言葉は、前回も今回も同様に重かった。
フランスの高校生がバカロレアを受ける前に、学校の真面目な教科書の傍らにこれがあるのは、ちょっと助けになるかもと思う。特に付録の試験対策は実用的で、試験とは無関係な読者の立場なら無責任に面白く読める。 -
38321
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高校の時に買ってそれ以来事有るごとに愛読していました。大学で哲学を専門で学び卒業した今、再び手にとって通して読んでみました。
実に良い教科書です。哲学を専門で学ぶ人は勿論、哲学に興味が有る人向けの入門書としては、真っ先に取り上げてお勧めしたい本です。
日本で国語が「現代文・古典」と「小論文」に分かれているように、あるいは、英語が「英語(文法規則や基礎単語)」と「コミュニケーション(英会話)」に分かれているように、哲学を学ぶ上では教科として「哲学史」と「哲学的思考表現」の二つが必要だと思います。前者は一般的な講義の形で、時系列・テーマに沿って体系的にこれまで哲学として扱われた作品やその著者、歴史的背景を学びます。後者は、かつて哲学者が考えたようなテーマや現代の実生活上で起こりうる哲学的アプローチが可能な問いについて考え、自分なりに論を組み立て記述する、あるいは論理に基づいて思考し対話する訓練をし、日々考えつつ自分の生活や信条を豊かにするものです。この教科書は後者に当たりますね。
この本で取り上げられている西洋の哲学者について、とりわけそのチョイスについては、メジャー所の3分の1程度は押さえられていますがそれ以上にニッチな哲学者が多いです。また、東洋哲学やイスラームの哲学などには一切触れていません。だから、主要な(と言っても随分チョイスも偏っています)西洋の思想の中枢部分を分かり易く解説してはいますが、哲学史、あるいは西洋哲学史としての活用はさしてお勧め出来ません。もっといい図書はそれこそごまんとあります。
ただ、現状「哲学的思考表現」の教科(があったとしてそれ)の教科書として採用出来る図書というのは、滅多にないのも事実です。和書だと野矢茂樹『論理トレーニング』、伊勢田哲治『哲学思考トレーニング』くらいでしょうか。この本は実際に高校の教科書(フランスで、ですが)にも使われているくらいですから取っ付き易く面白いです。大学のゼミや社会人向けセミナーなんかにも活用出来ますね。 -
タイトル通り教科書なのでなんとなく読んでもなんとも身につかない内容だった。
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某ブログで見かけて。全くわからなかった。何が言いたいの?
●面白かった点
なし
●気になった点
ターゲットにしている読者が分からない。
細かく章を切っているが各章で何を言いたいのか不明。過去の思想の列挙なのか、比較なのか、分からない。 -
この本を読んで哲学書(解説書てわなく原書)に触れた時の違和感の正体が分かった気がしました。
それは、その哲学書に書かれている内容がその時代には真理となり得るものだったが、現在からすれば大抵はそうでなくなっているということです。
つまり、時代の変遷、文化や技術の発展により、その真理はもはや真理でなくなっていることの方が多いからです。
もちろん普遍的なものも中にはありますが、むしろその時代背景においてどのような思考を経て、哲学者はそう考えるに至ったのか。
現在においてどの部分は今も言えることであり、どの部分はそうでないのか。
今真理と言えることも、100年後あるいは1000年後には埃をかぶった古臭い思想になるんだろうと。
それは、人間は物事を360度すべての角度から見つめる事ができないから。
生まれや、育ち、文化や宗教によって同じ物でも結論は180度変わる可能性があり得ると。
だからこそ、前提や当たり前を疑い、問いかけるという哲学自体がいつの時代も必要なのだと感じました。
日本にも哲学の授業があればいいのに。
個人的にはキュニコス学派の思想が刺激的でした。まあ、今の時代同じ事をしたら法で裁かれますが、問答無用で。 -
エロネタもある哲学書wwこれは楽しみながら哲学の本が読めるので哲学が苦手な人でも読めると思う。
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藤澤友紀子先生推薦
「哲学」なんて自分には関係ない、難しいと思っている人に読んでいただきたい本
です。
「自由」、「規則」、「携帯」など生活の中にあって当たり前のこと(もの)を、疑ってみる。
今までよりも、世の中のことが分かりやすくなると思います。 -
哲学の本で初めて楽しく読めた。