マンガ学への挑戦―進化する批評地図 NTT出版ライブラリーレゾナント003
- NTT出版 (2004年10月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (238ページ)
- / ISBN・EAN: 9784757140844
作品紹介・あらすじ
マンガを語る「枠組み」の問題を整理する必要を感じ続けてきた筆者が、様々な領域にまたがる問題群に橋をかけ、筋道をつける。進化し続けるマンガ批評の現在を見渡す地図を作る試み。それが、本書である。マンガを愛するすべての人におくる必携・必読の書。
感想・レビュー・書評
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漫画という文化日本人対する多面的視点からの考察。
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夏目さん、昔は「オモシロエッセイスト」だったのに、最近はすっかりマンガ学の人になっている気がする。
マンガのかなり広い分野について考察しており、マンガ学の水先案内人としては最適な人だとは思う。 -
<閲覧スタッフより>
表現への価値観や評価、歴史的な文脈などマンガ批評の分野にもその成熟が要求される。本書はマンガを語ることそのものの“枠組み”を考えることで、マンガ論の地平を切り開こうとする試みです。
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所在記号:726.101||ナツ
資料番号:10205703
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2010/8/2購入
2010/10/5読了 -
率直に言って「マンガ学」ってここまで来ていたのかー、という感想。
逆に夏目は「マンガ学」の基礎研究の蓄積の不十分さを嘆いているけれど。
「日本漫画文化論」に対する批判は明快かつ痛快。
たとえば『鳥獣戯画』に日本の漫画の起源を見て単線的に今日の日本の漫画の発展を想定しを賛美するような「無邪気」発想を排除する姿勢には、とても共感を覚える。
問題は、その進展がどのような歴史的変遷を経てきたか、だと僕も思うから。
しかし著作権の話のところは増田聡の音楽の著作権に関する論考と近いような感じも受けた。おそらくこの2人に交渉はないんだろうけど、同時代にこういう問題が別々のところから出てくるってことは、いったいどういう現象を意味しているのか、興味深い。 -
とりあえずおさえた、という感じかもしれない。
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今読んでるところ。
読み応えたっぷりの本格派論集。
相当心構えして読まないと、やっつけられちゃうよ。 -
日本社会に占めるマンガの比重の大きさに比して、その分析的なアプローチは、文化論的にも、社会学的にも、産業論的にも非常に貧弱。本書は多角的な観点から分析のための視座を提供しようとする試み。現状では夏目房之介でなければ書けない本だろう。作品批評的なおもしろさはないが、今後の「マンガ学」の発展のためには重要な指摘を多数含む。労作といってよい。