食の500年史

  • NTT出版
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感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (270ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784757142510

作品紹介・あらすじ

世界の食文化はどのように形成されてきたか?人類の食文化の歴史はグローバリゼーションの歴史だった-。政治、経済、民族、環境など複雑な要素が絡み合う世界の食の歴史を、コロンブスの交換から現代までの流れのなかでダイナミックに読み解く。

感想・レビュー・書評

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  • 帝国主義は入植先の従来システムを暴力的に破壊しすぎでは!?と衝撃を受けた。時代背景もあるが、単なる食文化の違い(環境によるもの)を遺伝によると断じて差別につなげているのがグロい。
    幸にして飢饉を経験したことはないが、国家による保障が無ければ暴動になるというのはよく分かる。
    訳者後書きが内容を簡潔にまとめてくれていて助かった。

  • 食という切り口での歴史の本です。このような視点でとらえた歴史書はとても新鮮でした。

  • 食に関する5つの歴史的テーマを取り上げている。「食の伝搬と普及」、「農業と牧畜の緊張関係」、「食の階級間格差」、「食と社会的アイデンティティ(ジェンダーも含む)」、「国家による食の生産と分配」の五つである。食、人間、病原菌等が東半球と西半球で交換された1492年から始まる「コロンブスの交換」の影響力は、食の分野でも圧倒的なので、「交換」以降の500年についての様々な食に関するエピソードが各テーマで取り上げられており、どれも興味深い。特に植民地と移民が宗主国と移民受け入れ国の食に与えた影響が面白い。移民料理人による多元化された食の浸透と肥満が富の象徴から貧困層のリスクになったことにより、肉食中心の西欧の食の優位性は脅かされているという指摘は鋭い。気候変動の食糧生産への影響など、取り上げられていない項目も有るが、今後の食を考える材料はほぼ提供されている。

  • 食文化の流れは、植民地支配の影響が大きい。そして料理は他と区別し優位に立つ意味があった。欧州の侵略はひどいと思った。珈琲が上流階級の飲み物としてひろまり、珈琲カスをミルクに入れて下層の人々に広まったのがカフェオレ。
    とりあえずざっと読んだが、感想をかける理解はこの程度である。ああ情けない。前半つまらなくて意地で読んだが、興味がある内容なだけに書けないことが悔しい。よって再読決定。

  • 最初の世界料理
    第1部 変化の要因
    第2部 近代の味はどう形成されたか
    第3部 グローバルな味覚

  • 日本への言及があったことに驚く。
    食の歴史を概観。
    多元化の過程が興味を引いた。

  • 食をテーマに、世界史を駆け足で切り取っていくような本。人間にとって「食」というのは、他の動物のそれとは違った様々な意味があり、人の歴史に与えた影響は計り知れないもの。経済や政治、人口構造、社会や国の構造...。

    食文化の発展には様々な世情が相俟って今があるともいえる。江戸時代の日本の地位、富、権力の混乱などが、庶民階級の自由闊達な食文化の発展と、侍の簡素な食の美学への追究の裏にあったり。歴史を「食」という側面から見れる本でした。世界史をよく覚えていれば、もっと面白く感じたかもしれない。

  • 食の歴史についての情報が広く浅く記載してある。
    2回の産業革命(農業・工業)では、多様性がなくなり、同一のものが大量に作られるようになる。食料の供給量は向上するので、人口は増加する。
    工業革命では、生産者と消費者の分離が進み、料理する人と食べる人との社会的な関係の希薄化が進んだ。
    植民地開拓時代は、西欧諸国の食の価値に優位性があったが、現代では、様々な国の食文化が広まり、食の価値は平等になってきている。
    しかし、食料の分配に対する不平等は、これからも続く問題であろう。

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