イギリス風殺人事件の愉しみ方

  • NTT出版
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感想 : 4
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  • Amazon.co.jp ・本 (300ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784757143296

作品紹介・あらすじ

古今東西、残酷な殺人事件や処刑に興味を引かれるのはなぜか? 特にイギリス人はその傾向が強い。ヴィクトリア朝から現代に至る殺人事件や犯人像を紹介しながら、一般読者の反応、小説、映画などの想像世界の豊饒さが生み出されてくる過程をつぶさに検討していく。
好評『暮らしのイギリス史』の著者が放つ、異色の文化史第二弾!

感想・レビュー・書評

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  • 19世紀から20世紀にかけて英国における大衆による娯楽の対象となった犯罪について、公開処刑や世間を騒がせた殺人事件から推理小説のような犯罪を扱った作品まで幅広くまとめたもの。ただ対象が広い分、記述が散漫で結果全体として作者が何が言いたいのか? 一貫した主張のようなものがあまり感じられないのが残念。

  • 英国人の「殺人好き」はつとに有名だが、本書はそういった英国人たちによって営々と記録されてきた実録殺人記…ではなく、「それに触れた同時代人たちの反応」の記録である。
    「殺人の歴史」(ベルナール・ウダン)の時も書いたけど、実録殺人マニア歴四半世紀の私は、この手のものとはどうも相性が良くない。情報的価値はあちらよりかなり高く、耳寄りなネタなどもたくさん詰まっていたのだが、やはり今ひとつノリきれなかった。むしろ、いわゆる「黄金期の本格探偵小説」など、フィクションの事件・犯罪・センセーション(の歴史)に興味がある人にとって有益な本かもしれない。
    あと現実的な注意として、200年前の殺人事件の概要を「当然の常識」として話が進むので、そちら方面の最低限の予備知識は不可欠である。原著の解説は少なく、それかあらぬか訳注があるのだが、こちらは逆にいらんことまで言いすぎという…何とも、素材は悪くないだけに惜しい1冊だった(誤植も多い)。

    2016/3/8~3/14読了

  • 英国人は殺人事件好き。コリンズやドイルやクリスティ、チェスタトンやクロフツやセイヤーズなど英国人(クロフツはアイルランドか…)の有名な犯罪小説作家が大勢いるのも、本書を読めばうなずける。
    実際の殺人事件を民衆がどのように受け止めてきたのか、犯罪小説がなぜ求められたのか、英国の様々なミステリ事情を時代の流れに沿って紹介していて分かりやすく、そして面白い。

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著者プロフィール

王宮を管理するヒストリック・ロイヤル・パレスの主席学芸員。著書に『暮らしのイギリス史』(NTT出版)などがある。

「2015年 『イギリス風殺人事件の愉しみ方』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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