インタ-ネットは「僕ら」を幸せにしたか?: 情報化がもたらした「リスクヘッジ社会」の行方
- アスペクト (2005年8月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (340ページ)
- / ISBN・EAN: 9784757211704
作品紹介・あらすじ
IT革命がもたらした「利便性」と引き換えに、私たちはいま多くの「何か」を無意識のうちに失おうとしている。それは「プライバシー」「自由」「民主主義」「多様性」「主体性」…。気鋭のジャーナリストがネット社会の光と影に迫ったノンフィクション。
感想・レビュー・書評
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読了日2010年
Did the Internet make us happy?
第1部 ネットワークが自由意志を制御する The Network controls free will
第2部 ユビキタス社会は誰のためのものか? Who will have the benefits in the Ubiquitous society?
第3部 ネットワークに組み込まれる現実社会
Network covering real society
p.64
「もしグーグルで検索して何も出てこないとすれば、それはネットでは存在しないことと同じ。ネットでの死を意味するわけです」詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
タイトルの問いの答えが見つかるかどうかは何とも言えないが、様々な角度から現在の情報化社会をとらえている。
多くの取材が積み重ねられているので、現実感がある。
情報化社会の光と影について捉えた良書の一つかなと思う。 -
11058
ユビキタス ICタグ 監視社会 生体認証 -
前半部分は技術的な説明で間伸びしたインターネットの振り返り、後半部分は情報化社会におけるプライバシーの問題を分析しているが、執筆時期の関係から内容が古いし不十分。ソーシャルメディアに関する分析はほとんど無いので今読む必要は無いのでは、過去を知りたいのであればボリュームはあり、資料としての価値はあるかも。
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3月2日読了。
もともと「ITは人を幸せにするか」という連載だったそうで、こちらの題のほうが内容に合っていると思う。
2005年刊行で、ブログや検索など、いわゆるネット関係にも触れられているが、主眼は、当時普及し始めた情報技術(ICタグ、監視カメラ、バイオメトリクス等)について。利便性や安全のためということになっているが、監視化されていく危険と隣り合わせだと警鐘を鳴らしている。
刊行から10年後ぐらいに読めば、当時のことを俯瞰できる資料として、興味深く読んだと思うが、5年ぐらいだと、内容が古いという印象がぬぐえなかった。
監視が常態化することによって、監視を前提に行動が規定されてしまい、主体性のある意思決定ができなくなる。また、ネットで狭い集団内でのみコミュニケーションしていると、考えが極端な方向に偏る集団分極化に陥りやすい。結果、全体主義的な方向にいきやすくなるのではないかという懸念が表明されていた。が、これらは現実の社会のありようと重なる部分もあり、逆に、現実の社会のありようが新技術に与えている影響、新技術の方向性を決めている部分への言及がほとんどないのは一方的に過ぎる気がした。ただ、そう思うのは、刊行から5年たっているからとも思う。問題点を絞り切れていないようなもどかしさがあった。 -
どんなことでも良い面悪い面はあると思いますが、コミュニケーションの形態として、今後もっとリアルな方向に進めることができないものかと思います。
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2005年時点の日本ネットワーク経済社会の現状をほぼ俯瞰してる。タイトル的に凡百のネットバッシング本みたいにも見えかねないところがいかんともしがたいが、これだけ読んどけば確実にそれっぽい話はできるという便利な本。それぞれに結論らしきものはくっついているけど、それらの前提になる「自由意思ってそもそも何か?」って議論が無いので結論の体をなしていないのはご愛嬌。だってただのアンチョコ本なんだから。だからこその香山リカ推薦じゃあない
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20代のアナログ志向が増えてるんだって。ジャーナリストが書いたこの手の本は、切り口は一通りさらうけど、理論がナイから何だか消化不良なのだ。でも何だかわかった気になるのだ。読みやすいから。