右の売国、左の亡国:2020年、日本は世界の中心で消滅する

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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784757224636

作品紹介・あらすじ

終わるどころかますます強化される「戦後レジーム」。
もはやわれわれ日本国民に残されているのは、「愛国を装った売国(=保守)」か「ストレートな亡国(=左派・リベラル)」か。
この究極の二者択一をいったいどうとらえればよいのか?

戦後日本政治の正体を白日の下に引きずり出した画期的評論!

感想・レビュー・書評

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  • 絶望しかない。

    まやかしの財政破綻論に始まる消費税の導入と税率増、デフレ期の構造改革に緊縮財政という経済的失策を続ける自民党がなぜ政権を維持し続けられるのか。

    政権交代の受け皿として、いまだに9条護憲とかの寝言を言い続けるサヨク・リベラルは論外で、反対側には自民以上にグローバル資本への隷従が見えている「改革」勢力しかなく、「日本」という国のナショナリズムを背骨とする選択肢が出てこない。

    いくら戦後GHQがWGIPにより日本のナショナリズムを思想的に壊滅させたとはいえ、この状況は酷過ぎないか。

    健全な国家観があれば、国家の役目は自国民の安全保障であり、そのためにはある程度の軍事力が必要なことぐらいは小学生でもわかる。

    しかし、戦後日本は9条を逆手に取って国力を経済成長に振り、バブル期頃まではそれでうまくいっていた。本来、国民を幸福にするための経済が、いつの間にかグローバリズムという拝金主義に乗っ取られ、「カネだけ、今だけ、自分だけ」のグローバリズムにとってナショナリズムが主張する安全保障、災害対策、国民への投資(教育や医療)は都合が悪い。

    何かしらの陰謀はあるとは思うが、それにしてもカネに支配されてしまったやるせなさ感は半端でない。

    あと、巻末用語集の出来が結構よい。

  • 右も左も相反することを述べているようでいて、その実無視しえないほどに共通性を有していることを看過し、そうなったいきさつを述べた本。

    政治色の強い話、この手の本は色眼鏡で見ないとなんだけれど、説明やそうなった流れの解釈は腑に落ちやすいものだと思う。敗戦を迎えて総懺悔をすることとなった日本では「肯定」の思想は受け入れられにくく、右も左もお互いを批判しあうことでお互いを正当化してただけのプロレスだったとの主張は面白いと思った。

    >戦後日本はアイデンティティの確立よりも繁栄の実現を優先刺させてきたがゆえに、あらためてアイデンティティを追求しようとすると、自己否定に陥ってしまう

    との指摘は現代の日本の状況を考える際にとても大事になっていくんだろうなと、そしてそこから目を背けようとしてきたがゆえに理想も現実も崩れてきてるのが今なんだろうなと強く思う。

  •  このままの日本であれば書かれているようなこともありうるのかもしれない。
     
     だが、右も左も考えない純粋な日本人のための政策を行おうと努力している人たちも存在する。

     本当に必要なことは日本国民が同志でけんかするのではなく一緒になり本当に憂えることをすることだと感じる。

     そのためには日本の事を良く思わない国のいいなりにならないことが一つと、日本にすり寄る国から一歩引くことこれがとても重要に思われる。

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著者プロフィール

1966年、東京生まれ。評論家・作家。東京大学教養学部卒業。1989年、戯曲『ブロークン・ジャパニーズ』で、文化庁舞台芸術創作奨励特別賞を受賞。1990年、最初の単行本となる小説『チングー・韓国の友人』(新潮社)を刊行した。1992年の『ゴジラとヤマトとぼくらの民主主義』(文藝春秋)より、作劇術の観点から時代や社会を分析する独自の評論活動を展開。これは21世紀に入り、政治、経済、歴史、思想、文化などの多角的な切り口を融合した、戦後日本、さらには近代日本の本質をめぐる体系的探求へと成熟する。著書に『平和主義は貧困への道』(KKベストセラーズ) 、『右の売国、左の亡国 2020sファイナルカット』(経営科学出版)、『僕たちは戦後史を知らない』(祥伝社)、『バラバラ殺人の文明論』(PHP研究所)、『夢見られた近代』(NTT出版)、『本格保守宣言』(新潮新書)など。訳書に『新訳 フランス革命の省察 』(PHP研究所)、『コモン・センス 完全版』(同)がある。『新訳 フランス革命の省察』は2020年、リニューアルのうえPHP文庫に収められた。

「2021年 『感染の令和』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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