初・中級学習者向け日本語教材 日本文化を読む

著者 : 京都日本語教育センター

• アルク (2013年10月10日発売)

感想・レビュー・書評

[ルナCEO＠月5万を授けるプロさんの感想 · 2024年4月4日]

本書は、初中級の日本語学習者に向けて、日本文化や事情を題材にした質の高い読解教材です。優れた作家の作品から厳選された章立ては、学習者の知的好奇心を大いに刺激するものと思われます。

特に高く評価できる点は、各章で初級文法項目が系統立てて復習できる構成になっている点です。本文を読み込む過程で、文法事項への気づきを促すよう工夫されています。単なる一方的な知識の押し付けではなく、能動的に文法理解を深められるでしょう。

また、村上春樹や向田邦子といった著名作家の作品に触れられるのも魅力的です。質の高い文章を通して日本文化を体感できるのは貴重な経験となるはずです。さらに、音声CDと4か国語の語彙リストが付属しているのも使い勝手が良いでしょう。

一方で、扱われるトピックスのバリエーションが分かりませんし、作品の選定基準なども不明です。また、文法事項と読解素材のリンクが希薄な章もあるかもしれません。

総じて、文化と文法の両面から日本語を学べる良質な一冊ですが、教材性や構成面で改善の余地も多少はあるように思われます。

[Tilcさんの感想 · 2020年3月27日]

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