久住くん、空気読めてますか?(3) (ガンガンコミックスJOKER)

著者 :
  • スクウェア・エニックス
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本棚登録 : 138
感想 : 1
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (158ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784757550179

感想・レビュー・書評

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  • 大ジャンル的には、少年漫画なんだけど、甘ったるさともどかしさは、そんじょそこらの少女漫画より、よほど、読み手の心に響いてくるなぁ
    この手の作品は(3)まで来ると、少しマンネリ感が滲み出てくるものだが、てんで感じない。私の感覚が鈍いってのはあるにしろ、この『久住くん、空気を読めてますか?』に関しちゃ、読み手を飽きさせていない、と断言できる。自分の漫画読みの才能を信じたいって意味でも断言したい
    先の巻の次巻予告で、もすこ先生は、私ら読み手の期待をかなり上げていたが、全く裏切らず、予想を上回ってくれた。感謝である
    やっぱ、主人公と素直じゃないヒロインの仲が進展しないタイプのラブコメにゃ、ライバルの存在が必須。もすこ先生、押さえるべき点を蔑ろにしないなぁ
    久住とえりかの仲(と言えるほど、親密じゃねぇけど、まだ)を掻き乱す新キャラ・若菜は、底抜けにイイ人。憎んだり、嫌いになれないタイプのライバルだ
    当人は、久住を恩人として見ていて、恋愛感情はない、と言っちゃいるが、恋心は自分が最も把握できない感情だ。自分の本当の気持ちに気付いた時、きっと、彼女は相当に強力なライバルになるだろう
    えりかも、このままじゃ久住との仲を進展できない、と自覚しているのなら、普段の図々しさを恋愛でも活用して、ほんのちょっとでもいいから前に出ろってんだ。まぁ、そんな臆病なトコも、ラブコメのヒロインとして可愛く、呆れつつも励ましたくなるんだが
    他の漫画なら、普通に活躍できたであろう三咲は、相変わらず、久住と榛名のコンビの独特な雰囲気に毒され、程好い三枚目に落ち着いてしまっている。でも、そんな彼は、この『久住くん、空気読めてますか?』に必要だ、と感じている読み手は私だけじゃあるまい。感情が高ぶると、つい、自分のキモチをポロッと溢してしまう素直さは、きっと、久住に、榛名が与えるモノとは異なるイイ変化を齎してくれるだろう
    実際、久住は少しずつ、変わり始めている、と言うか、えりかに素の自分をちょっとずつ見せるようになっている。そこに、恋愛感情があるのか、は定かじゃないが、少なくとも、「特別」に近づきつつあるのは確かだろう
    そんな、青春らしい変化の兆しを見せてくれる久住とえりかの関係の変化も気になるが、個人的には、もうちょい、榛名と裕子の絡みが増えないかな、と思っている。この(3)のepisode.14「ビター・スウィート・シンフォニー」で、少し仲良くなっているトコを見てしまったもんだから、否応なしに期待してしまう私は少し、下世話だろうか
    ホント、あくまで私の予想だが、榛名の、久住のそれとはタイプの違う鈍感さに焦れた裕子は、「特別な好き」を言葉じゃなくて、押し倒した上での強引なキスって行動で、榛名に伝えられる女の子じゃないかな
    どの回もお勧めだが、私はあえて、男三人の友情が深まった、episode.17「ボーイズ・ドント・クライ」を推したい。三咲くんって、何だかんだで、悪いヤツになれなくて可愛いですよね。きっと、三咲くんは酒が飲める歳になっても、何だかんだで、ふとしたキッカケでこの二人と酒を呑んで、不機嫌になりつつも、他のダチや女と騒いでいる時とは違う楽しさと言うよりは、気持ちが落ち着く感覚を悪くねぇな、案外、と思って、自分を恥ずかしく思って、酒のせいにして奇声を発するんだろうw
    この台詞を引用に選んだのは、裕子の解かり辛いけど、確固とした優しさと、えりかへの友情を感じたから。女子同士の友情も、丁寧に描かれているラブコメはやっぱ、一級品だわ

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著者プロフィール

千葉県出身。第41回BF新人まんが大賞準佳作を受賞してデビュー。

「2013年 『僕たち、真剣交際しています。』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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