- Amazon.co.jp ・本 (1ページ)
- / ISBN・EAN: 9784757736856
作品紹介・あらすじ
もうすぐ遠子は卒業する。それを寂しく思う一方で、ななせとは初詣に行ったりと、ほんの少し距離を縮める心葉。だが、突然ななせが入院したと聞き、見舞いに行った心葉は、片時も忘れたことのなかったひとりの少女と再会する!過去と変わらず微笑む少女。しかし彼女を中心として、心葉と周囲の人達との絆は大きく軋み始める。一体何が真実なのか。彼女は何を願っているのか-。"文学少女"が"想像"する、少女の本当の想いとは!?待望の第5弾。
感想・レビュー・書評
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シリーズ本編第5弾。ついに朝倉美羽が登場することになります。
心葉とななせの距離が、しだいに近づいていく中、ななせがケガをして入院することになります。彼女の見舞いに訪れた心葉は、そこで彼の中学時代の初恋の相手だった、美羽に再会します。
美羽は、ななせや芥川、それに心葉の母親が、心葉と彼女の仲を引き裂こうとしていると訴えます。しかし心葉は、彼女が嘘をついているのではないかと疑うことを恐れ、さらに自分が夢を奪ってしまった相手の少女をまたしても傷つけることはできず、ななせや芥川ではなく、美羽を選びます。
ところが、些細なほころびから、美羽の嘘が明らかになります。美羽は、心に隠してきた心葉への憎悪を彼にぶちまけます。井上ミウの小説に登場する羽鳥という少年は、美羽がモデルでした。しかし、そこに描かれていたのは、現実の朝倉美羽とは違う、心葉の理想化した美羽だったのです。そのことに美羽は追い詰められていき、さらに心葉が新人賞を受賞することで、彼女の心葉への憎しみは頂点に達したのでした。
男子向けのライトノベルでは、当て馬役のサブヒロインはあっさり身を引くことが多く、エグい修羅場は珍しいので、新鮮に感じました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
評価をするのが少し難しい──正確に言えば、書評を書くのが難しい作品だと思った。多分、良い意味で。
もはやミステリでもなんでもないのは言うまでもないんだけれど、読んでいる最中、最後の方でまた泣きそうになった。
やっぱり愛憎が絡むのは変わりなくて、五作目にもかかわらず毎回似たようなテーマにはなるんだけれど、言葉が丁寧に琴線にふれる。別に心に訴え掛けてくるような強い言葉があるわけじゃなくて、ただ、丁寧に言葉を操って描いている印象があって、その丁寧さに惹かれるのかもしれない。
決して文章がうまいわけではない。文章をブロックとして見ればありきたりなんだけれど、短いセンテンスとして見れば、非常に丁寧な印象を受ける。ただ、物語の構成はありきたり。どこかで見たような構図と内容だ。それを少し派手にしているだけに過ぎない。
作者は言葉を愛している人なんだな、と感じられる。何気なく文章に混じる言葉の一つ一つに重みようなものと、胸にすぅっと染み込む心地よさを感じる。
ただ、この書き方は、弱点だと思う。読んでいる間は切なく苦しく、そして胸に染みるのに、言葉に対してそれを織り成す物語自体がありきたりで薄っぺらく感じるから、読んだ翌日には、内容をもう忘れてしまうような、そんな感じ。胸には残りづらいと思う。
実際、これを読んだのは九月の二十九日で、およそ一ヶ月前なんだけれど、これを書いている時点で今思い返すと、あまり胸に飛び込んできたものは少ない。
ただ、ラスト、プラネタリウムで登場人物達が、一人ずつ想いを語るシーンは秀逸だ。あそこだけでこれを読む価値があると思う。
というか、そこしか覚えていないんだけれど。
でも、良かったよ。うん。 -
人を幸せにしたいなんて、なんて傲慢で、そしてなんて人間的なんでしょう。
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今作は宮沢賢治の『銀河鉄道の夜』より
心葉君の心から離れないあの子〝美羽ちゃん〟について語られる
想いはすれ違い、一方的に好きや嫌いを押し付けあう
どんなに好きで好きで好きだとしても、実際に相手はどう思っているかなんて分からない
凄く、読んでいて苦しく切なくなる
私が学生の頃、こんな重い苦しい感情を抱えたことないな苦笑
そして美羽ちゃん…ヤンデレな感じで愛?が結構怖い…… -
そろそろ厳しくなってきた/ 1巻から徐々に落ちてきている/ 主人公とか准ヒロインとかのヒステリックな内面との戦いとか本当にうんざり/ 銀河鉄道の夜をチョイスしたのは良いけれども/ 遠子先輩との絡み以外読むべき所はないと確信している/
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げげげっ!俺とした事がこのシリーズの四冊目を読まずに飛ばしてしまっている事にあとがき読んでて気付いた(汗)
なんてこったい・・・過ぎた事は仕方がない、次に4冊目を読む事としよう。 今回の話に繋がる部分があったとしたらあぁ、あの事ねってしたり顔でもしておこう。
琴吹さんは健気でいいね。 3冊目まではものごっついツンデレさんだったのに、ここでは彼氏の為に体を張るは甘えるわでなんて出来たかわいらしい彼女だこと。
銀河鉄道の夜が第三稿までと第四稿で一人登場人物がいなくなって結末が変わっているとはしらなんだ。
にしても琉人は怖いねぇ、本心はどこにあるんだろう。
竹田さんはそれこそ普通の女の子になれたらすぐ捨てられちゃいそうだな。
遠子はやはり心葉に・・・けど、あのラストは何を意味するの? 気になるが、続きは飛ばしてしまった四冊目を読んでからだ -
美羽がむかつく!(笑)心葉のなよなよもむかつく!(笑)