“文学少女”と月花を孕く水妖 (ファミ通文庫 の 2-6-6)
- エンターブレイン (2007年12月25日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (328ページ)
- / ISBN・EAN: 9784757739185
作品紹介・あらすじ
『悪い人にさらわれました。着替えと宿題を持って、今すぐ助けに来てください』-そんな遠子からのSOSで、夏休みを姫倉の別荘で"おやつ"を書いて過ごす羽目になった心葉。だが、そんな彼らに、八十年前起こった惨劇の影が忍び寄る。"令嬢""学生"そして"妖怪"。役者は揃い舞台は整い、すべては再び崩壊に向かう。事態を仕組んだ麻貴の望みとは?自らの"想像"に心を揺らす、"文学少女"の"秘密"とは-。夢のようなひと夏を描く、"文学少女"特別編。
感想・レビュー・書評
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シリーズ本編第6弾。今回は少し時系列を遡って、夏休みの話です。
心葉と遠子は、姫倉麻貴(ひめくら・まき)の別荘に招待されます。この別荘で、80年前に惨劇が演じられたと伝えられていました。姫倉の令嬢・ゆりは、屋敷を訪れた学生の敷島秋良(しきしま・あきら)と恋に落ちますが、やがて秋良は屋敷を去り、その後ゆりは自殺し、巫女の彼女が封じていた「白雪」という妖怪が封印から解き放たれ、5人が殺害されたというのです。その後、妖怪の噂のせいで、この屋敷を解体しようとする計画は頓挫し続けます。
麻貴は、この事件の真実を突き止めるため、心葉と遠子を呼び、さらに屋敷の解体計画を進めることで、妖怪にまつわる秘密を明るみに出そうと考えたのでした。
クライマックス直前の、一休みといった感じのストーリーです。ただし最後のほうで、遠子の秘密がちらっと示唆されていて、ますます期待が高まります。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
密かに高見沢さんが好きなので、彼の出番が通常より多くて嬉しかったです。 泉鏡花をモチーフにしているだけあり「鏡花水月」という言葉がぴったりな作品でした。
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そこまで大掛かりにすることあったのかな...麻貴先輩は。らしいと言えばらしいけど。それより遠子先輩の秘密が気になる。
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文学少女シリーズ番外編。夏休み中のお話で、舞台は姫倉の別荘。いつも以上に切なく、そして最終章へと感じさせるラストで良い読後感でした。今回は泉鏡花の小説が主題。読んだことない本を読んでみたい気にさせるのは、このシリーズの魅力であり、すごいなぁって感じてしまう。読書感想文にはぜひ文学少女をおすすめしたいですね。
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今作は泉鏡花の『夜叉ヶ池』より
シリーズ番外編
過去の惨劇に巻き込まれる心葉君と遠子先輩
語り継がれる物語と、過去の日記と出来事
新たに動き出そうとする惨劇は、誰かが秘密を握ってる
このシリーズに出てくる子達は、皆闇を抱えていて可哀想だなぁ…
まだ皆若いのよ
当たり前の青春を謳歌すれば良いのにと思わずにはいられない
せっかくの夏休みの殺伐
麻貴先輩、結構恐ろしい少女だ -
久しぶりに文学少女シリーズを読んだから、蛍の登場するお話がどんなのだったか思い出しながら読み進めました。重いお話だったけれど、遠子の想像によってどこか透明感のあるものになった。泉鏡花の作品は読んだことがないので、今度読んでみようと思う。ただ、今回のお話の中で、バロンをああする必要はあったんだろうかと思った。
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うろ覚えだけど心葉はななせを選ぶんだもんなって思うと遠子先輩切ない。