政宗くんのリベンジ (5) (IDコミックス/REXコミックス)

著者 :
  • 一迅社
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感想 : 2
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (166ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784758064972

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  •  幼心に刻み込まれた自らのトラウマとそれに伴う自信の無さ、自我の弱さ。その一方で、復讐してやるという意味で捻じ曲がっているとはいえ、努力をすれば解決できると信じる未来志向とが、少年の中で葛藤を生む。
     しかも、自覚的ではないが、優しくされた女の子に愛惜の感情が残っているのは間違いない。

     他方、徐々に明らかにされていくのは少女の方のトラウマ。彼女自身が持っている自我の弱さは明らかだが、その自我の弱さが生まれたのは、幼き日の自分の我儘な台詞(実際、イイ子ちゃんばかりではないのが普通で、よくあること)が、大切な空間と関係を破壊してしまったため。実際、イイ子ちゃんばかりではないのが普通であり、そのような発言は頻出ではあるが、この認識が足りず、結果、トラウマとなってしまった。

     私は割に、この2人の関係性を愛でているのだが、もしもこれが愛でられなかったら、本作を面白く感じはしないだろうなとは思う。

     一見、主人公は残虐姫にこっぴどく振られたのは確かだ、といっても幼児期の出来事。この時期の「あなたなんか嫌いよ」発言にさほど重みはなく、好意の裏返しの場合も少なくない。
     しかし、この事実が、幼少期の主人公のトラウマになるとともに、残虐姫に対する強烈な印象と記憶を植え付けた。ここが藤ノ宮と愛姫との決定的な差になっているのだろう。そして、その心のうちが、本人の自覚しないままに、政宗くんの態度や行動指針になっているのだ。

     さて、正直、男性の描く鈍感ハーレム作品(マンガ、ラノベ、アニメを問わず)は、こういう心の襞を描かない(描けない)からつまらないのが多いが、本作はそういうことは少ない。
     確かに、政宗は経験不足のために人の心の動きに対して鈍感ではある。しかも、藤ノ宮や委員長の好意を上手く拾い上げ、自らの好意とを連鎖させて、互いの関係性を発展させるという経験も乏しく、そういう意欲もない。
     ただそれは「復讐」という自己のトラウマ克服に目が行っているからなのだ。そう考えれば、政宗くんは実は、恋を知らないというのではなく、恋をしたいわけですらなさそうだ。
     もちろん、今後はその心のうちが変わっていくという描き方をされるのだろうが、個人的には、先に言ったような政宗くんの一本気なところを愛でているという気もしないではないところ。

  • 愛姫の親衛隊3人組登場。
    親衛隊も、委員長も今巻は少し自分勝手すぎる気がする…。
    兼次はお金目当てのようだけど、安達垣家からお金をもらっているのだろうか…?
    吉乃の出番が少なかったことと、政宗と愛姫の絡みが少なかったことが少し残念。
    小十郎の片思いを応援したい。

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