- Amazon.co.jp ・マンガ
- / ISBN・EAN: 9784758068840
感想・レビュー・書評
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予想外の展開で面白い
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4巻でつばきが茉莉に渡した『御霊前』。外袋だけでも陰湿だというのに、その中身は更に陰湿なものでしたね……
というか、『御霊前』から連鎖する事態が本当に陰湿。つばきを敵に回すとどうなるか、という点をこれ以上ない形で示していたね
一方でそれは自見にとって最大のヒントになったようで
まるでミステリーの解決編のようにつばきの本性を詳らかにしていくシーンは驚きの連続
つばきが見たままの人間でないことはう薄々察せられる程度に情報は出ていたけど、まさかつばきを縛っているのが両親などではないというのは予想外だったかな。また、一連の騒動を起こしたのも自見に自分を助けさせる為だったというのも驚き
ただ、つばきがどうしようもなく計り間違えたのは自見の本性について。彼女は自見が自分と同じタイプであるという前提で自分たちは理解し合える筈だと全ての計画を練っていた。
でも、自見は他者が見ていた以上にその中身は空虚なものなのか…?つばきの挑発に乗らないどころか、あくまでもつばきと向き合っていたのはそれまでは生徒であったためだからと流儀を崩さない点には本当にドン引きしてしまう
彼にとってつばきは自分と似たタイプでは無いということなのだろうか?
こうなってくると過去の事件ですら、自見にとって「教師という道以外の選択肢が無くなった」きっかけではないように思えてくる
他者の理解を強烈なまでに拒絶する自見の過去とは一体何があったのだろうね?
結局、つばきは策を弄しすぎたと言えるのだろうね
自分を最も不幸なだと位置づけ、他人を下に見て言葉や権威で相手を操ろうとしすぎてしまった
自見を相手にするならば、あのような状況は作らずに自見が教師である時間に理由をつけた上で素直に「助けて」と言えばまだ状況は変わっていたかもしれないね
そして……
虐めっ子グループに属していながら大人しそうに見える恵利香が本当に大人しいなんて有り得ないとは前々から思っていたけど、想像以上のものを隠していましたよ……!
黒幕とかそんなやわなものではなくて、本当のモンスターと言った印象を受ける
警察に捕まることを自由だと考える自見とつばき
この二人にとっては社会に居続けることこそ不自由な地獄なのかもしれない
だとするならば、つばきにその地獄を強いた恵利香は闇の深いモンスター性を持っているような気がしてしまう