▼あらすじ
人気モデルとして活躍する志水瑛知は新進気鋭のブランドGallantQuartzのメインモデルに大抜擢される。
しかし、自分を推薦したデザイナー・玖保晶之が高校時代に体の関係を持った同級生だと知り――
俊英・楔ケリが描く、執着と愛憎の渦巻くファッション界。
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ストーリーの完全度:★★★★☆
執着攻め度:★★★★★
シリアス度:★★★★☆
エロ度:★★★☆☆
萌え度:★★☆☆☆
総合評価:★3.5
楔ケリ先生の作品は前回読んだ「狂い鳴くのは僕の番」が面白かったので今回も期待して通常版と特装版、2冊買ったのですが…。
結果的に1冊で良かったなって少し後悔してます。表紙はデザインが凝ってて物凄く好みなんですが…(^^;)
丸々一冊表題作で、ページ数もなかなかある為、それなりに読み応えはある作品だと思うのですが、いかんせんちょっと詰め込み過ぎな感じがするんですよね。
これ、一冊に纏めるのは無理があったんじゃないかなって思います。(そもそも途中までシリーズものだと思ってた)
あれこれ色んな設定やらキャラやら伏線やらを盛り込むのは良いのですが、正直言って情報が多過ぎて読みづらいですし、結局風呂敷広げるだけ広げて畳み切れてないので個人的に引っ掛かる部分が多過ぎて読後感にモヤモヤしたものが残ってしまいました。
あと、キャラクターに全く好感が持てなかったのが致命的だったな、と。
まず、攻めについてですが…何ていうか、始終軽薄そうでイマイチ本心が分かりづらいんですよね…。加えて受けに執着する理由が一目惚れ的な感じなのであまり説得力が無く、その上執着心だけは異常に強いのでいっそ恐怖すら覚えました(笑)
受けは受けで口は悪いわ態度は悪いはコミュニケーション能力は無いわでとにかく全然可愛げがなく、魅力と言ったら本当に顔ぐらい。モデルとしてのプロ意識があるんだか無いんだかも分からず、私からしたら「こいつのどこが良いの?」ってレベルです(-_-;)
ファッション業界を舞台にしたお話なので雰囲気自体は華やかで素敵でしたし、洋服や小物のデザインなんかもお洒落でそこはセンスの良さを感じたのですが、上記に挙げたようにストーリーが読みづらかったり説明不足な点が多かったりとマイナス要素が多く、今回は残念ながらあまり楽しめませんでした。
楔ケリ先生の作品なら何でも好き♡という方なら楽しめるかもしれませんが、ストーリーを期待して読むと少々がっかりする作品かもしれません…(^^;)