- Amazon.co.jp ・本 (178ページ)
- / ISBN・EAN: 9784758120050
感想・レビュー・書評
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根性に逃げるなと言う『イシューよりはじめよ』の次はプロフェッショナル根性論。
ハーバード大医学部の先生による研究者向け自己啓発本で、「研究者の人生はアブストラクトとして数秒で消費される運命にある」という最初の一言でガツンとくる。
35歳からの15年間にもっとリスクを取れという指摘も。日本のビジネスパーソンは35歳までは世界的に見てもトップクラスの能力を身につけるが、その後の15年で内向き(守りの)姿勢になり、他国に抜かれてしまうと。最近周囲でPIやPDの育成が重要と言われ始めた背景には同じような問題があったりするのでは。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
【研究者のみならず、仕事をする人なら当てはまる】
ハーバード大学医学部で准教授(当時)をしている作者が、同じ研究者に向けて書いた仕事術に関する本。
巷で溢れる与太話が中心の「仕事ができるようになる本」は、ビジネスマン向けに書かれたものであり、研究者が参考になるかといえば、部分的でしかない。
本書が目指しているのは、「研究者が」仕事ができるようになるための方法論。しかし、それはビジネスマンにも当てはまる項目がいくつもある。
一つ例を挙げるとすれば、「好き」よりも「得意」にこだわれ!という言葉。
「好き」は突如として「嫌い」になることがあるが、「得意」が突然「不得意」にならないことから、「得意」なことを探す努力をせよというものである。そして、「不得意」なことを改善することよりも、「得意」なことを伸ばすことに集中する方が効率がよいと述べる。
普段生活していて、自分の弱みは分かっていても、自分に何が出来るのか(強み)はあまり理解していないことが多い。実際私自身、本書を読んでふと考えてみたけれど、「これ!」といえる強みを見つけることが出来なかった。
そこで試したのが、他人に聞いてみること。同じ職場の同僚やこれまで付き合いのあった友人に意見を求めることで、自分では気付かなかった強み(少なくとも当人にとっては、自分の方が優れていると感じている点)を知ることができる。
研究者だからといって胡座を掻いていられないのが現代社会(昔もなのかな?)。研究者のみならず、ビジネスマンにも参考になる一冊であろう。 -
以前に読んだのですが、もう一度内容が気になったので、
本棚から引っ張ってきました。
今後の研究の方向について、真剣に考えているところです。
ひとりで考えすぎると、経験上、
独りよがりになることがあるとわかっているので、
本を読んだり、人の話を聞こうと思っています。
この中で、とても貴重な文章があったので、紹介させてもらいます。
P15 「仕事の最高の報酬とは人間的成長である」
研究という仕事をする意味とは、
(中略)
成果を論文として発表し、社会に問うというサイクルの中で切磋琢磨し、
人間的成長を遂げる過程にあると考えています。
いま進路で悩んでいますが、
この「人間的成長」という、私のキーワードでもある観点から見ると、
目先の短期的なメリット,デメリットに思い煩うのではなく
より困難と思われる選択肢に果敢に挑戦し
人間として、自分が,あるいは周りの人間が
より良く、そして大きく成長できる選択をする
それが本当にいま考えるべきポイントなのかも知れません。 -
研究、というより仕事を進める上で大事なことが非常に良くまとまっている。もっと内容の濃い本はいくらでもあるかもしれないが、何度も読み返すにはこんな本が適している。
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巷にあるビジネス本、自己啓発本のノウハウを研究者の仕事にあてはめてみるとどうなるかについて、かなり丁寧に再現してくれている本。副題にプロフェッショナル根性論とあるが、まさにその通りの内容となっている。ただの根性論ではない。効率性を徹底的に重視した根性論になっており、ビジネス本のノウハウを研究者が読むとこのように使われていくのかと、読んでいて驚きの連続であった。
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研究者としての仕事術,生き方を学ぶ上で参考になった1冊、
仕事の生産性,アウトプットの重要性,英語術に対して、様々なビジネス書を読んだ著者が切り口を与える。
また,これらの参考文献を頻繁に紹介しており,読者が各項目に対して次のステップを踏めるような工夫が施されている。 -
プロフェッショナルという言葉に魅かれ、図書館で手に取った。書いてあることは何処かしらで目にしたことばかり。大事なことの再確認に使えた。
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研究者の研究者による研究者のためのキャリア戦略指南書。
以下、特に参考になった項目
・「好き」よりも「得意」にこだわる仕事術
・批判され/批判して自分を磨く「フィードバック力」
・変化に対する苦痛・恐怖を克服する
・自分のストーリーを語る「物語力」
・創造性とは