- Amazon.co.jp ・本 (279ページ)
- / ISBN・EAN: 9784758412216
感想・レビュー・書評
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とても地味な静かな作品でした。
尊王攘夷の激動期に志を抱いて奔走し道半ばにして挫折した敬愛する従兄弟と、時代が移り北海道の地に獄舎を建設する業務に就いた男の物語です。
時流に乗れなかった福岡藩の葛藤や福岡博多に纏わる逸話の数々がとても興味深かった♪
何処まで史実なのかはわかりませんが、現存する地名や屋号や人物には福岡県民ならではの興味深いものがありました。
ワクワクドキドキハラハラ感には遠い作品でしたけれど、この著者ならではの物語でした。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
幕末に福岡藩で尊皇攘夷派のリーダー的存在で志に散った男と、明治まで生き残って北海道で典獄となったその従兄弟の話。
自分の正義を狂信するあまり、自分と相入れない考えの人を暴力的に排除する… 大変革の時代の怖さを感じた。 -
2016.10.11
幕末から明治にかけての薩長土肥以外の藩の迷いや苦しみがみてとれる。
月形潔の妻、磯の夫を支える言葉が凄い。
太陽を先導する月とは、考えたこともなかった•••。 -
8月-8。3.0点。
幕末から、明治の北海道で刑務所を作るまでの物語。
月形の叔父が、薩長の間を取り持ち、福岡藩を導こうと
するが、反対派や藩主に反対される。
主人公は、維新後に北海道へ刑務所を建設することに。
アイヌとの触れあいなど。
まあまあ。前半部分が、説明が多すぎる気がした。 -
月形潔(明治政府の役人、北海道樺戸監獄の初代典獄)とその従兄・月形洗蔵(筑前尊攘派の志士、乙丑の獄で刑死)の物語。
“薩長土肥”っていうけど、長州と肥前の間にある福岡藩って何やってたの?と何となく思っていたが、幕末から明治の福岡藩ってこういうことになってたんだな。
タイトルは、辛酉の獄後、洗蔵が彼の元を訪れた潔に神功皇后の話をするくだりから。 -
歴史というのは、誰もが知っているような有名な人たちだけで作られたものではないという、今更ながらのことを考えさせられた。
しかし、これを書くための資料というかニッチな調査も大変だったのだろうとも思う。 -
折り目正しく
いつもながら歴史の史実に
寄り添いながら
淡々と書き進められている一冊
(歴史の中の)有名人ではなく
「へぇ そんな人がいたのだ」の
人物が いつもながら
とても魅力的です
時折 無性に読みたくなる作家の一人です -
福岡藩の志士とその従弟の話。
結論から言いますと、
あまり面白くありませんでした。今回は。
文章が淡々としすぎているのと、前半と後半の繋がり・必然性がわかりにくく、
だからどうした?
と思ってしまいました。
もしかしたら、自分が読むタイミングが悪かったのかもしれません。
ただ前半には、薩長同盟についてあまり知られていない(のではないかと思う)内容が書かれていますので、それを知ることが出来たのは良かったです。
蜩の記も自分には今ひとつだったし、ちょっと、葉室燐さんは手が出しにくくなったかなぁ・・・・・。