- Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
- / ISBN・EAN: 9784758412728
感想・レビュー・書評
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これがデビュー作だなんて信じられないほどの大作ミステリー!!!
読み終わったあと「すごい…」という感嘆のため息しか出なかった。
こんなに緻密に散りばめられたミステリーに出会ったことがあっただろうか。
幻想ミステリーと言われるだけの小説。
誰もが知っているであろう童話のシンデレラが絶妙に絡み合ったこのミステリー。
ティナ夫人の娘2人をまず好きになります。女は器量だけじゃない。そんな風に言っているような2人には見ていて清々しい思いが生まれた。
ティナ夫人と2人娘と突如として家族となるニコラスとその娘アンジェ、そしてこの小説の冒頭部分で書かれる魔女狩り。
すべてがどのようになるのか、最後の方で盛り上がりを見せ、真相を知った時にはそれでも理解できないというか、理解しても良いのかという不安感がまとわりついていた。
そして最後の最後には全ての真相と、我々読者を驚かす種明かし!!!
勘のいい人はわかるのだろうがまったく気がつかなかったわたしはそれを知ったあと、もう一度読み返さなければならなかった。むしろ読み返したい気持ちが勝っていた。
すごい。この人の書くミステリーはすごいぞ!!!詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
表紙もとても綺麗で、宝石いっぱいの手作り風の王冠!
時は、魔女裁判も行われていた、15世紀末。
寡婦となった、ティナ.ハイデン前男爵婦人は、
住み慣れた荘園を出て大都市である、ルテシアへ。
「ハイデンの鬼姉妹」とあだ名されるほどの、醜女でありながら、その強く優しい心の持ち主である、二人の娘達と共に。
彼女を、妻に迎えたいと言う商人と、病で12歳の美しいむすめが、三人を待ち受ける。
その頃、社交界では、シンデレラを名乗る美女が…
★と言うわけで、やはり「シンデレラ」と言う名前が、登場!
皆、子供の頃に読んだり、映画を観たことの多い、
「シンデレラ」の、しあわせに暮らしましたとさ…
の後の物語! -
すばらしい!おもしろかった!
多くの人に読んでほしい本です!
シンデレラは誰なのか?冒頭の魔女裁判に登場した人物は誰なのか?
そういうことは頭のなかにあったものの、物語に引き込まれて、あまり謎解き主体で読んでなかった。
だから、私にとってラストは衝撃だった。目を光らせて読んでいたら「やっぱりー」と思えたのかなぁ。でも、こういう衝撃は読書の醍醐味だから、私はこれで良かったです。
そしてキャラクターが魅力的。
お金持ちの家に生まれて、見た目が優れていなくても、手に職をつけて前向きな姉妹。
彼女たちの仕事は、生きる糧を得る手段としての仕事ではない。でも、誰かに喜んでもらおう、自分が楽しもう、という気持ちが清々しかった。
カタカナの名前、しかも公爵だ子爵だ…と多数登場して、途中「これ関係あるのかな?」と不思議に思ったけど、ちゃんと関係ありました。
シンデレラはその後幸せになれたのか?という疑問は誰でも抱いたことがあるだろう。
この物語のシンデレラは…。
しかしこの本に関してはネタバレ書きたくないから書かないでおきます!
本当、多くの人に読んでほしい! -
キーワードは
15世紀末、魔女狩り。
心やさしい未亡人のティナ夫人と、醜い二人の実娘。
新しく家族になる、夫と、病弱で先の長くない娘・・・。
半分読んだあたりで、「これはこうで、これはこう」
みたいな感じで、要所要所の落としどころは、ほぼわかっちゃう。
わかっちゃったけど、面白かったわ(笑。
夕食のカレーを煮込みながら、一気に読みました(爆。
大島真寿美氏の「ピエタ」を読んだときにレビューで
「アニメにしたら」みたいなことを書きましたが、これこそ少女マンガ=アニメにしたらいいんじゃないでしょうか?キャラ立ちすごい(笑。
(私はピエタ絶賛派なんで、もう一度読み返すとしたらこちらではなくピエタを読みますけれども)
難しくないので、たぶん中学生ころから夢中で読めるんじゃないかな。
真面目に感想を書くなら、そうですね・・・この本で多分、唯一悪人であろう彼女は、
「・・・とれない・・・」と、自分の体を始末しなければどうにもならないと悟ったという彼女の、
人生の儚さをおもいました。
もし心がけが違えば・・・心が負けてしまっていたら、
彼女とシンデレラの人生、紙一重よね。 -
世界観がとても好きだった。
今まで読んだ本の中で、1番引き込まれて、1番はっとした。
また読み返すのが楽しみ。 -
シンデレラといえば
どの人でも ストーリーは すぐに浮かびます。
そのシンデレラをタイトルにしてあるので
どういう展開になるのやらと 読み始めました。
出てきました。
継母 そして 姉二人 しかも 美しくない~~
と、思っていたら あらら~~
三人とも とっても 心の優しい人達でした。
はて どういう展開に???
こいう結末ですね~~
なかなか テンポの良いお話でした。 -
最後のページを読んでタイトルの意味がわかって面白かった!
男装する妹のマリエッタが女性だけどたくましく豪快な性格でとても好き。ヒルダもマリエッタもいいキャラすぎ。王子様と結婚するだけが女性の幸せじゃなく、自立した女性のたくましい生き方を表現した内容になっていた。 -
ブログをこちらに書きましたので、宜しければお読みください。
↓
http://sommelierofbooks.com/fiction_nonfiction/cinderella/
第7回 角川春樹小説賞受賞作『シンデレラの告白』。
作者である櫻部由美子さんのデビュー作になるこの作品。
これがこれまで素人だった人の作品? と思わせるほど、のめり込める作品です。 -
洋書のような雰囲気。
わざと古風な、小難しい言葉を使われていて、多少読みにくさはあったものの「世界観を大事にしているのだろうな」と思えた。
タイトルのシンデレラはいったい誰なのか。
それが、読み進めていってもはっきりしない。
中盤になって、そう名乗る娘が出てくるのだが、なにやら怪しい。
ミステリー要素も加わってきて、どうなるのだろうと頭に「?」が浮かんでいるうちに、あっさりと終わりを迎えた。
好きなキャラはマリエッタ。
コミカルでふふっと笑えるシーンは、ほとんど彼女が作っていた。彼女の存在がこの本を読み進めやすくしてくれていた。
登場人物の多さは他の人も挙げていたが、カタカナ名が苦手な私にも辛かった。
誰が誰だか分からなくなってしまった。映像があれば助けられたのだろうが。
読み終えた後に、前のページをパラパラとめくって、色々と確認をした。
おそらく、伏線はたくさんあるのだろうけれど、もう一度読み直すのは・・・。
装丁はとても可愛らしくて好み。
普段ならあまり手に取らない世界を読みやすくしてくれていたので、次回作も期待しています。 -
今年のベスト3に入るかも。今後要注目の作家さん。