散歩するネコ れんげ荘物語

著者 :
  • 角川春樹事務所
3.41
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本棚登録 : 685
感想 : 65
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  • Amazon.co.jp ・本 (182ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784758413312

作品紹介・あらすじ

キョウコは、月10万円の生活費で「れんげ荘」で
おおむねのんびり穏やかに生活している。
母親が突然倒れ、救急病院のICUに運びこまれたり……、
バイトしては海外旅行をしていた隣人で
「旅人」のコナツさんの将来について相談に乗ったりと……、
いろいろなことがあるものの、ラジオを聴きながら、
ゆっくりコーヒーを呑んだり、時折遊びに来ていた猫(ぶっちゃん)が
飼い主と散歩しているところに出会ったり……。
日々季節の移り変わりを感じながら、
丁寧につつましく暮らす、小さな幸せの物語。

感想・レビュー・書評

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  • シリーズ4作目。これでしばらく終わりと思ったら8作目まで出ているんですね。先が長い。
    前作では母親が入院で終わっていたが、命を取り留めたものの認知症が進んだ状態。ケンカ状態だったキョウコを思い出せず、何とか面会はできる。通常は可哀想と思ってしまうが、二人にとっては揉めなくて良いようなのが辛い。
    施設に入れることで、姉夫婦に費用面含めて申し訳ないと思ってしまうキョウコ。限られた予算を細く長く使うキョウコは何も出来ないことの罪悪感が強いよう。
    働くことを求める行政の方々との攻防。周囲の人達は働かないことに理解があるが。
    倉庫部屋に住むコナツさんが30才を過ぎて、旅人生活に限界。何かと世話を焼くキョウコさんは逆にコナツさんが働かないことに危機感。
    ストレスを感じる日々の中で息抜きになるのがネコ。前作で出て来たネコに再び会う。
    キョウコの心の浮き沈みが激しく、読んでいて辛くなる事も・・?

  • タイトル的に癒されるかなぁと購入。
    れんげ荘シリーズ、これ4冊目でした。
    前の3冊を読んでいないから、
    ちょっと理解に苦しむ登場人物もいるが…
    もしかしたら前の3冊を読んだら
    見方が変わるかもしれないな。

    古いアパートに女性3人で暮らしていて、
    それはなんだか楽しそうではあった。
    が!
    無職で貯金を切り崩して生きる主人公(50代?)。
    不安すぎる…
    ご飯の買い物と図書館通いのみ。
    仕事をする気はないから、
    切り詰めて生活する毎日。
    あまりにも不安すぎる…
    仕事せずに暑い日は部屋でゴロゴロしたり、
    時々通ってくる猫を愛でたり、
    羨ましいと思う部分はあれど、
    やっぱり不安すぎる…
    しかも、もっと不安な人物もいて、
    このシリーズずっとこれじゃあるまいな?
    と癒されるどころか不安なまま終わる(笑)

    これは後の3冊も読んでみなければ。

  • 久しぶりのれんげ荘。
    シリーズで読んでみたくなった。安定。
    自分の老後はどうなる?
    れんげ荘のみんなの生き方に興味あり。

  • ぶっちゃんは少なめだったけど、会えてよかった。
    前回同様、そこで終わる?というところで終わってしまったので読まずにはいられない。

  • 「れんげ荘」シリーズの第4弾。

    タイトルに「散歩するネコ」とありますが今回はネコのぶっちゃんの出番は少な目でキョウコさんのお母さんの認知症・介護関係とコナツさんの就活の話が中心でした。

    相変わらずのほほんとした空気感の中で物語は進んで行きます。

    オンボロアパートで一人暮らしの50代のキョウコさん。

    働かず貯金を切り崩しながら図書館通い、趣味は刺繍、共有スペースのトイレやシャワー室に花を飾り、そして程よい距離感を置きながらアパートの住人達と付き合い、時々ぶっちゃんと触れ合う。

    ストレスを感じさせないこんな生活理想やん!

  • 「れんげ荘物語」シリーズ。
    大手広告代理店を退職して、働かない暮らしを選んだキョウコ。
    貯金を取り崩し、月十万の予算でつつましく暮らす。
    独り暮らしではあるが、アパートの住人との関係も良好、ときどき遊びに来る、猫の“ぶちお”との逢瀬(笑)を楽しみにしている。

    淡々と続く毎日であるが、誰の日常にも、ちょっと困ったことや、すっきり解決しないことが訪れる。
    仲の悪かったお母さんが倒れたこと。
    それで新しい関係になってしまったことは、自分に照らして考えてしまう。

    そして、コナツさんに振り回されすぎ。
    コナツさん、何か隠れた精神障害があるのかもしれません。
    結局、キョウコはお人好しすぎるのだなあ…
    消極的にではありますが、気にかかります。
    次が出たらまた読みます。

  • れんげ荘物語シリーズ。
    このシリーズは、本当にサラッと読めて、温かいお話なので読んで癒される。
    特に、クマガイさんの言葉には、キョウコさんと一緒になって励まされている。
    こんなおばさまがお隣にいてくれたらいいな。

    ・そう、わからないの、誰にも。だからくよくよ思い悩んでも仕方がないのよ。それだったらそう思わなくてもいい環境に自分を置いた方が、精神衛生上いいんじゃないかしら。(p65)

    ・誰も明日はわからないのよ。だから享楽的という意味ではなく、なるべく自分が楽しく過ごせるように過ごしましょうということよね。(p65)

  • 1作目からファン。今回のキョウコは人の役に立ちたいという思いが強い。無職では社会貢献できないから、ということだろうか。お金は入ってくることはないので、家族のイザ、に協力できない心苦しさも手伝っているように思う。
    それとは別に、キョウコのれんげ荘での暮らしが好きだ。部屋を清潔に保ち、食材に気を遣い、隣室の住人と交流し、近所を散策する。近所の犬に恋焦がれる。豊かなのだと思う。だから、このシリーズが好きだ。

  • 今まではキョウコさんの穏やかな日々を楽しく読んでいたのですが、ここにきてモヤっとした気持ちが拭えません。何よりも病を得て倒れてしまい、認知機能障害になってしまった母に対する拘りの無さにいくら兄夫婦や周囲が許してくれているからといっても、もう少し何かしらの変化があって然るべきなのでは?と思ってしまいます。気持ち的に他人と思われていて気楽、というのは本人の気持ちなのでどうしようもない事ですし、兄達に申し訳なさを感じているのは解るし、出来ることはやっているのも解るのですが…う~ん。結局は私の「こうあるべき」という無意識が炙り出された、って事です。

  • お母さんの病気の症状、記憶にないことがキョウコにとって安心材料になるとは。義姉のお母さんへの対応、すごいな。嫁のかがみというか、この母にあそこまでできるのがすごい。キョウコも実は優しくて、コナツさんへの対応を見るとほっとけないんだろうなと思う。

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著者プロフィール

1954年、東京都生まれ。日本大学芸術学部卒。数回の転職を経て、78年、本の雑誌社に入社。デビュー作『午前零時の玄米パン』が評判となって、作家専業に。「無印物語」で人気を博す。『かもめ食堂』『れんげ荘』『三人暮らし』など著書多数。

「2023年 『老いとお金』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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