- Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
- / ISBN・EAN: 9784758414173
作品紹介・あらすじ
従業員5300人を擁する一部上場企業ジャパンテックパワー。
日本の将来を背負って、再生可能エネルギーの送電施設を開発・運営する期待の企業は大きく揺れていた。
株主総会を間近に控えたある日、社長が失踪。それに端を発した後継者争いが激化していく。
混乱を極める会社に追い討ちをかけるように、中国系ファンドの介入も噂されはじめ……。
感想・レビュー・書評
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思ったより面白かったですね。
山崎豊子の不毛地帯を思い出しました。
比較するのは恐れ多いですね。
最後がカッコ良すぎです。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
2023-6まあこんなわかりやすいトラブルは普通起きないけど、近いものはどこにでもあります。しかし意見を通して左遷できるような会社ってもう生き残れないよね。主人公がヒーローすぎるかな。パニックものから変わった筆致でした。
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「贅沢にはお金が必要だけど、穏やかな日々に必要なのは心でしょ」という言葉に心が洗われた。
穏やかな日々を過ごしたい。
難しい部分もあったけど勢い良く読めた。 -
クライシス&パニックノベルのイメージがある作者さんの企業経済小説。意表を突かれたが、考えてみれば日本の勝利を左右する巨大企業の後継者争いは設定が変わっただけなのかもしれない。名誉、地位に価値を置かない不屈の達磨、秘書室長の弓波の奮闘が清々しい。出処進退も潔い!
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社長の椅子を争う人間ドラマといえば、しっくりくるかもしれない。サラリーマンの良さや辛さ、人間の醜悪をうまくストーリーに盛り込んでおり、とても面白かったです。
安生さんの作品は、初めて読みましたが、他の本も読みたいと思いました! -
マスターに語りすぎ。
弓波さんもそれほどの器とは思えない。 -
安生さん、初の経済小説!パニック小説では飽き足りないのかなぁ。好きなんだけど…。なんか、サラリーマンの生態、掟、処世術の教科書読んでるみたい。「人事は能力基準に行なうものではない。それぞれの長が自分の組織を動かす為に使いやすい者かどうかで決まる」達磨➖経論の文字にとらわれず、自己の本来の面目に徹することを武帝に説いた大師。
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デザスター・パニック小説の旗手による、まさかの企業小説。ここにあるのは、著者の今までの作品のような、人間の生存を脅かすクライシスではなく、人間の私利私欲がクライシスとなる醜い権力争い。役員からの不法な命令に異を唱えて、九州に飛ばされていた弓波が、秘書室長として2年振りに本社に戻って来た直後、社長が失踪した。株主総会を前に、残った役員の間で始まる露骨な後継者争い。どこからリークしたか、面白おかしく騒ぎ立てるマスコミ。社長はどこに消えたのか。そして、会社はどうなるのか。著者の新境地だが、熱量は今まで通り熱い。