ゆうべ、もう恋なんかしないと誓った (ハルキ文庫 ゆ 5-1)
- 角川春樹事務所 (2003年5月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (247ページ)
- / ISBN・EAN: 9784758430449
感想・レビュー・書評
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唯川さんの本を初めて手に取ったのは二十歳の頃だった。あれから十年、たくさん恋をした。でもちっとも上達しない…。唯川さんの描く女性たちの抱える闇に危うく引きずり込まれそうになる。
昔は単純に好きかそうじゃないか、それだけ考えれば良かった。いつの間にか、ただお互い好きなだけでは付き合えなくなって、慎重に選んだはずの相手にはときめかないし、年齢や周りの結婚に追い立てられて逃げ場がない。お別れする度、また1から誰かを探す道程にぞっとする。それでもずっと1人ではいられないから、立ち止まることはできない。この繰り返しに疲弊して皆結婚するのだろうか。いっそ出家すればこんな思いを2度としなくて済むのか。
いつか、今の苦しさも懐かしく振り返るようになるのだろうか。好きだから離れるしかなかった恋愛にも意味はあったと思えるように、全てを消化できるのか。
生まれ変われるなら来世は犬か男性がいいな。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
短編集です。
いろんな女の、幸せ・不幸せがつまった本でした。
幸せとは何かを考えさせられました。
最初の何個かはあまり共感できず、もしかしてこの本は楽しめないかもと不安がよぎりましたが、読み進めていくにつれ、引き込まれていきました。
こんなにさまざまな女性を描ける唯川恵さんの脳みそは、どうなっているのか。
(ほめ言葉) -
唯川先生では初めてのショートショートでした
しかし中身はいつもの、いやいつも以上のブラックだ… -
随分意地悪に感じるけど、恋愛ってはたから見ればこんなもんなんだろうなとも思う。
そんな中ラストの「運命の人」がじんわりいい話。 -
読んだ後、少し経つとストーリーまったく覚えてないパターンが多いからあまりこの手の恋愛小説は読まないのだけど、もらったから久しぶりに女な小説ね。
10Pあるかないかのショートストーリーだから物足りなさはあるもののサクサク読めてよいのではないかしら。
24個のラブストーリーね。
陳腐なものも、ねっとりしたものも、共感できるものも、ホラーなものも。
一番印象に残ったのは鎌田敏夫さんが書いてる後書きにあった部分w
人間は本能の行為であるものを文化にしてしまった。恋愛というよく分からないものをつくり出してしまった。そして、自分でつくり出したものに翻弄されることになる。
恋はバラ色。それは、人間が勝手につくり上げた幻想だ。でも、人は恋をすることで、匂うようなバラ色の花を見てしまうことがある。一瞬の幻想が、実在しているもののように思える時がある。
それは、人間だけが持つことのできる、素晴らしい文化なのだ。だから、人は恋をやめられない。
だってさー。
恋もしたいし幻想も抱きたいよね、そしてお互いいつまでも相手に幻想を抱かせてあげられるような関係でいられたらパーフェクトなんだけどなぁ。 -
短編で読みやすい。
恋愛って一瞬の情熱、幻想だとみんなわかっているが、みんなこの甘美な毒にはまる。20歳になるまでの指定書にすれば、この物語を反面教師にして、また違う人生を送れるかも。 -
短編形式なのでさらさらすらすら読むことが出来た。
ちょいちょい昼ドラのような話もあったが、面白い。
最後の話がよかった。 -
唯川さんの本は、いつも自分が「女」なんだってことを思い知らせてくれる。
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24の恋愛ショートストーリーが収録されています。
共感できる部分もあり、私には理解不能な部分もあり。
一つ一つの作品がかなり短いのが勿体ない気がします。
もう少し掘り下げてほしいと思うものもちらほらと… -
24のショートストーリー。 恋愛も結婚もしたくなくなる。でも、最後の話は希望がもてて良かった。