- Amazon.co.jp ・本 (445ページ)
- / ISBN・EAN: 9784758432290
感想・レビュー・書評
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私立探偵畝原シリーズ第四弾。
北海道警察に外注される死体解体処理業者に虐待された、糞尿にまみれた血塗れの少女。
姉川の拉致。
シリーズの中のある意味、大きな節目になる一冊。
シリーズ一作目では小学生だった主人公畝原の娘も今じゃ、高校生になり、畝原も中年になる。シリーズを追うごとに、登場人物が歳を重ね、深みが増して行く。読者としては、読みどころの一つだね。
畝原はシリーズが終わる頃には幾つになっているのか。
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大好物の、バツ一、子持ちの私立探偵、畝原シリーズだが、中でも「熾火」が大好きだ。
畝原は、ある晩、血だらけのTシャツを1枚だけ着た、幼児にも見える女の子を保護する。
彼女は戸籍を持たず、ずっと段ボール箱の中で虐待を受けてきた。そして、腎臓を1つ失っていた。
ある事件がきっかけで親しくなった姉川(やはりバツ一で娘を育てている)は、女の子のカウンセリングを引き受けるが、女の子に接触する前に数名のグループに拉致されてしまう。
畝原シリーズには、なにやら得体のしれない、不気味で気持ちの悪い人間がよく出てくる。
ニヤニヤ笑いながら、平気で残酷なことをする輩や、普通の社会生活を送りながら、ネジが外れ、想像力のかけらもなく、人を傷つける者、などなど。
「熾火」も、情景描写が抜群なので、気持ちの悪さが尋常でない。
「熾火」の事件をきっかけに畝原と姉川は、「墜落」で結婚しているが、同時に、この女の子を養女にし、「幸恵」と名付ける。
人間的な扱いを受けてこなかった幸恵は言葉もしゃべれない。
「墜落」以降、この幸恵は、畝原、姉川、そして二人のそれぞれの娘たちの愛を受け、徐々に、徐々に、人間の子どもらしくなっていく。
陰惨な事件も起きる、いやハードボイルド小説としてはそうした事件がストーリーの中心となるのだが、あいまあいまに描かれる、幸恵が笑ったとか、「おとぉ」と言ったとか、
家族が暖かく見まもるなか、人間を取り戻していく、こっちのストーリーも楽しみなっている。 -
再再読。
前に書いた自分の感想の、今後も登場する刑事って誰だ?全くわからん。
玉木の鬱屈や狂気、最後らへんの一周まわった感じの淡々とした言動が好きだなーと思った。犯人のあっけらかんとした異常性と好対象、理性的に考え詰めて煮詰まって焦げ付く寸前のような狂い方。太田さんの衰えが切ないわー。そして冴香ちゃんの成長を見守る。
再読。
明美と幸恵への暴力が陰惨すぎて、しばらく読む気になれなかったが、意を決して。
ススキノの「俺」の『駆けてきた少女』、スピンオフの『ススキノハーフボイルド』と繋がり、本書を読んで大体物語が決着する。
こういうのは抱き合わせ商法っぽくてあまり好きになれない。
北海道の闇に分け入り、特に警察と犯罪組織の癒着を示唆する点、著者のテーマ。
印象的なのは、今後も登場する刑事。この頃はまだまともで、被害者に同情したり畝原を脅しあげたりと、マジメ?に職務をこなしている。 -
2014.11.14ー75
探偵畝原シリーズ4弾。
相変わらずの台詞回しとストーリー展開のテンポに一気読み。ラスト手前迄はおおいに面白く次の展開に期待するものの・・警察組織腐敗の突っ込みが足りず、犯人の異常さだけが際立って印象に残ってしまうラストは今ひとつ・・ -
畝原シリーズ第四作。
最後の最後がちょっときつい。
そりゃこの犯人がおとなしく監禁してるだけなわけないよなぁと。
生存していたからなおさら辛いものがある。
時系列的には「駆けてきた少女」の後の話。 -
主人公がいい