- Amazon.co.jp ・本 (284ページ)
- / ISBN・EAN: 9784758434706
感想・レビュー・書評
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確かに、横の音より上の階の音のほうが響く。
それに加えて聴力がずば抜けて良かったら、あれこれ想像しちゃうな。
同一人物だったのが驚きだったけど。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
情報書類等の翻訳をしている、常人離れした聴覚を持つ二十八歳の真昼の、階上の住人の心の動きまでがわかったり殺人者に違いないという暴走した思い込みに思えてしまう疑惑に主観ばかりを感じてしまい、耳に囁く声も中盤辺りまで精神疾患を疑っていた。同じ能力を持つ人との恋愛と能力故の上手くいかなさ、過去の人殺し等。
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聴覚が異常に鋭い女性が、自分の住むマンションの上に引っ越してきた男性の素性を怪しむところから、話は進んでいく。
最後はお互いが疑心暗鬼になり、さらに共通の敵まで現れたりと、じっくりと怖くなっていく。 -
京子が主人公の話しが読みたいと思った
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聴覚が鋭すぎて他人の考えてることまで感じてしまう…。
SFじみた設定ですが、それほど不自然な感じはせず、もしかしたら、そういう人もいるのかもなぁ~と思っちゃったのは作者の筆致ゆえでしょうか。
でも!どうしても物語には馴染めず、感想としてはイマイチでした。 -
マンションの4階で翻訳の仕事をする真昼。
彼女には人よりも異常に聴覚が優れているという悩みがある。
そのため、別の部屋の住人の話声どころか、その会話の内容ですら聞き取る事ができる。
さらには心の声ですらも-。
そんな彼女は何よりも静かな環境を求めて、頑丈な造りのこのマンションに越してきた。
一足違いで5階に越してきた男性は日中は家におらず、いてもそれほど物音が気にならない人だった。
そんな住人が越して数か月後、新しい住人は真昼の願い通り・・・いや、願い以上に静かな人だった。
独身男性らしいが、週に2、3日は家に帰ってこない日があり、テレビなど音の出るものはほとんど持っていない。
そして、何故か異常に手を何度も洗う。
その暮らしぶりに徐々に不信感を抱くようになる真昼。
さらに、彼は夜中に時折うなされて叫び声をあげる事があり、それらの事から関連づけて「彼は人を殺しているのではないか」と真昼は疑うようになり、その思いは段々確信へ変わっていく。
そんな折、彼女は同じ翻訳の仕事をする女性から一人の男性を紹介される。
異常な聴覚をもつ故に、恋人をつくることも、結婚もあきらめていた真昼だったが、その男性とはすぐに打ち解けてつき合うようになる。
そして、二人は互いに同じ悩みと秘密をもつ事を知る。
彼も真昼と同じく、異常な聴覚をもち悩んでいること、そして、それが原因となりある秘密を抱えているという事-。
この世の中に自分のような悩みをもつ人間は自分だけなのでは?と思っていた二人は急速に愛を深めていくが、そんな二人に悪意の影が忍び寄る。
これは読んでいて、物足りないという思い、もどかしい思いが募る話でした。
話の進行のほとんどは主人公の女性の頭の中で進んでいき、実際に起きる出来事というのはそれほど衝撃的な事もなく平坦としたもの。
上の階に住む住人が殺人者でないか?、もしそれが本当なら何か恐い事が起こるのではないか?という思い・・・それら全てが彼女の頭の中で考えた事であり、彼女と同じように異常な聴覚をもってない身としてはどうしても共感しにくいし、現実感がない。
だから彼女の思いや彼女がその後、上の住人が殺人者かどうか確認しようとした行為だとかが突飛なものに感じられる。
ただ、作中書かれているいくつかの事は興味深く面白いと思いました。
感受性の強い人は罪人の末裔だとか。
癒し系の音楽はそういう人にとって細胞の記憶をよび起させ、不安な思いにさせるだとか。
その根拠となる話が「ああ、そうか。そういう見方もあるか・・・」という感じで、何となく納得してしまいました。
私も以前、そういった音楽を聴いた事があり、似たような経験をした事があります。
波の音、イルカの鳴き声、そして歌詞のない歌声が流れるというCDでしたが、聴いている最中、自分が海の中にいるような気になり、体が冷え切って寒くなり、さらに流れる歌声が気持ち悪く感じられてリラックスするどころか、気分が悪くなった事があります。
また、風の音、鳥の鳴き声というのも不安になる音だというのも何かで読んだ事があります。
奇跡的に出会った二人。
でもその後の出来事により、その関係性が変わってしまうのが見ていて切なく感じられました。
ストーリー自体は平板なイメージで退屈な話の運びですが、作者の言いたい事やテーマは伝わってくる話で、書かれている内容は個人的に興味深く読めました。 -
途中で飽きた。
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特殊な能力のある男女。知りたくないことまで聞こえてしまう苦悩。そのせいで心から人を信用できず、常に疑い続け自分の心をも閉ざさざるを得ない状況で。ずっと流れ続ける重たい空気が不気味で読了後もすっきりしなかった。
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鋭い聴覚を持って生まれた真昼は静かなマンションの四階で翻訳をしながら暮らしている。ある日上の階に新しい入居者が入り,真昼は上の階の住人の物音が気になりだす。しかし上の階の住人は男であるが手を頻繁に洗う以外はあまり音を立てずに生活をする。逆にそれが気になり出し,真昼は彼を殺人者だと感じ取り・・・
いつもの明野照葉作品よりは面白くなかったです。何か誰にも感情移入出来なくて。ただ結局自分の保身に入る人間の裏側はよく描かれていたと思います。