あきない世傳 金と銀(十) 合流篇 (ハルキ文庫 た 19-25 時代小説文庫)

著者 :
  • 角川春樹事務所
4.35
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本棚登録 : 1706
感想 : 190
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  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784758443920

作品紹介・あらすじ

呉服太物商でありながら、呉服仲間を追われ、呉服商いを断念することになった五鈴屋江戸本店。
だが、主人公幸や奉公人たちは、新たな盛運の芽生えを信じ、職人たちと知恵を寄せ合って、これまでにない浴衣地の開発に挑む。
男女の違いを越え、身分を越えて、江戸の街に木綿の橋を架けたい──そんな切なる願いを胸に、試行錯誤を続け、懸命に精進を重ねていく。
両国の川開きの日に狙いを定め、勝負に打って出るのだが……。
果たして最大の危機は最高の好機になり得るのか。
五鈴屋の快進撃に胸躍る、シリーズ第十弾!!

感想・レビュー・書評

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  • えがった〜、えがったよぉ〜。゚(゚´Д`゚)゚。

    はい、菊&梅の最強助っ人コンビがいよいよ江戸に到着して幕を開ける巻の十『合流篇』
    はいもう勝った!はいもう優勝!!
    もう勝ち筋しか見えないわ!待ってろ蛸坊主!

    それにしても五鈴屋の奉公人はみんなすんばらしい
    もちろん主人の幸がすんばらしいからそういう人材が集まってくるんのね ある意味当然の結果 

    「買うての幸い、売っての幸せ。」を愚直に守り続ける
    これなのよ

    そして最後は散々やきもきさせてきた梅梅コンビが梅梅梅トリオとなりまして遂に!
    こんなもん大号泣やわ。゚(゚´Д`゚)゚。

    お梅どん、幸せになっておくれやす

    • 1Q84O1さん
      ひま師匠、あなたののんびりは一般常識からしたら、音速並みの速さです!
      ひま師匠、あなたののんびりは一般常識からしたら、音速並みの速さです!
      2023/10/30
    • ひまわりめろんさん
      誰が音速の貴公子やねん!
      さすがに照れるわ!
      誰が音速の貴公子やねん!
      さすがに照れるわ!
      2023/10/31
    • 1Q84O1さん
      貴公子はつけてません…
      勝手にいい方向に持っていかないでください!w
      この速さ、まるで音速の変人や!
      貴公子はつけてません…
      勝手にいい方向に持っていかないでください!w
      この速さ、まるで音速の変人や!
      2023/10/31
  • お梅どーーーん!!よかったよーーー!!
    あんさんは可愛い!天然!(褒めてる)場が和む!

    もう後2ページというところを左手で掴みながら、最後見ちゃおうか、いつもの大どんでん返しがないか、ドキドキワクワクハラハラ。ああ楽しい。このまま幸せに向かって突っ走ってくれー!

    やっと図書館に戻ってきた10巻。嬉しさ倍増!

  • 合流篇 ― あきない世傳 金と銀シリーズの10作目
    2021.02発行。字の大きさは…小。

    薄縹(うすはなだ)の空に、仄かな鴇(とき)色が朝焼けの名残をとどめる。
    辺りに麗らかな陽射しが溢れるまで、今少し、刻(とき)があった。
    如月(きさらぎ)、晦日(みそか)。
    初午に針供養、涅槃会(ねはんえ)も過ぎて、浅草広小路へと続く表通りには、何処となく長閑な気配が漂う。時折り、ちょんちょん、と聞こえる音、あれは花売りの老女が鋏を鳴らす音だった。
    この出だしを読んで、物語に引き込まれて行きます。

    江戸時代女性が主人として店を営むことが出来なかった大阪から、江戸へ進出して、知恵を武器に難局を切り開いて行く五鈴屋江戸本店の女主人・幸の物語です。

    前作は、困難の中から知恵を絞り、飛躍の芽が出て来る巻でした。そして、今巻は、その飛躍の芽を大切に育て、ここ一番で勝負に出ます。応援してくれる、大切な人が大阪から来てくれました。

    此度は、大阪から五鈴屋四代目店主の前妻で、幸の良き理解者で、商売上手な菊栄が、江戸で商売を始めるために大阪から移って来ました。大阪では、女名前で不動産の取得や、店主として商売が出来ません。江戸なら男女の別なく不動産の取得も、商売も出来ます。

    試作の藍染めの木綿の浴衣が出来てから、急がず、焦らず2年の歳月をかけて大川の花火の打ち上げの日に合わせて、藍染めに白で抜いた大柄の花火の柄を売り出します。これが売れに売れて……。

    【豆知識】
    〇縹(はなだ)もしくは縹色(花田色、はなだいろ)とは、明度が高い薄青色のこと。
    〇鴇色(ときいろ)は、トキの風切羽の色である。やや紫に近い淡いピンク。
    〇如月(きさらぎ)は、2月。
    〇晦日(みそか)は、月末。
    〇初午(はつうま)は、2月の最初の午の日。旧暦で1年のうち最初の(つまり1月の)午の日も初午には違いないが、通常は稲荷社の祭の日である2月の初午をいう。
    〇涅槃会(ねはんえ)は、涅槃講や涅槃忌とも称し、陰暦2月15日、釈迦の入滅(にゅうめつ)の日に、日本や中国などで勤修される、釈迦の遺徳追慕と報恩のための法要である。現在では、3月15日に行なわれているところもある。←Wikipedia
    2021.04.03読了

    ※シリーズの感想と読了日
    あきない世傳 金と銀(九) 淵泉篇 2020.10.26読了
    https://booklog.jp/users/kw19/archives/1/4758443610
    あきない世傳 金と銀(八) 瀑布篇 2020.03.19読了
    https://booklog.jp/users/kw19/archives/1/475844322X
    あきない世傳 金と銀(七) 碧流篇 2019.09.14読了
    https://booklog.jp/users/kw19/archives/1/4758442843
    あきない世傳 金と銀(六)以前の本は、ブクロク登録前に読みました。

  • 本当は11巻から読んでなかったのですが…
    やっと最終巻まで手元に揃ったので再読。

    いや〜嬉しい‹‹\(´ω` )/››
    今までの苦労が報われる一巻となってます!
    さぁ次巻は音羽屋が何らかの悪巧みをしてきそうなんで不安ですけど…菊栄の先行きも期待大だし吉次の舞台も楽しみ!!

    やっぱこのシリーズ面白い(。>ω<)ノ




    • 1Q84O1さん
      昔に一巻だけ読んでそのままだ…(;・∀・)
      昔に一巻だけ読んでそのままだ…(;・∀・)
      2023/09/02
    • みんみんさん
      みをつくしの数倍の苦難が…
      もう奉公人が素晴らしいのよ!!
      早く読んで‹‹\(´ω` )/››
      みをつくしの数倍の苦難が…
      もう奉公人が素晴らしいのよ!!
      早く読んで‹‹\(´ω` )/››
      2023/09/02
    • 1Q84O1さん
      みをつくし以上の苦難ですと!?
      あの苦難で十分では…(¯―¯٥)
      みをつくし以上の苦難ですと!?
      あの苦難で十分では…(¯―¯٥)
      2023/09/02
  • このシリーズも第十弾。ということはもう五年も幸たちにヤキモキさせられているんだ。

    とにもかくにも、良かった。こんなに安心して読み終えた『あきない世傅』が今までにあっただろうか。
    じっくりと丁寧に時をかけた職人の技と商人の知恵のコラボ。今ようやく機が熟し、江戸に艶やかな大輪の花を咲かせる。
    飼い犬に手を噛まれるような仕打ちに、苦汁を嘗めさせられた五鈴屋江戸本店の皆も、ようやく笑顔を取り戻した。
    しかも最後の最後に遅咲きの梅も花開き、嬉し涙で幕を閉じるなんて。

    でも安心してばかりもいられない。このままで済むわけがない。髙田先生のことだから、次回はきっとあの蛸が動き出すはず…すっかり髙田先生慣れしちゃって、ついつい疑り深くなってしまった。

  • 「あきない世傳 金と銀」シリーズも10作目。
    ここ2作の辛さを吹き飛ばす、忍耐の後の復活へ。

    大阪では女名前禁止の掟があり、女主人として店をやってはいけなかった幸。
    五鈴屋の東京での本店という形で成功していたのが、身内が商売敵に走った思わぬ事態になっていた、その後。

    絹を扱うことが出来なくなり、雌伏する日々を無駄には過ごさず、木綿の商いに力を入れ、日々の誠実な努力はさらに念を入れていました。
    浴衣を街歩きに着られるものにしようと発想し、その柄を考案するのに苦心する賢輔。
    2年の月日をかけて、職人たちと一丸となり、絶対に喜ばれるものを作り上げた五鈴屋の面々。
    そのお披露目の時がついに。

    幸のよき理解者で女ながら商売上手な先達でもある菊栄も、大阪からやってきています。
    そして、幸のかっての女衆仲間のお梅にも、春が…
    久々に、多幸感に包まれました。すっきり(笑)
    またこの先には波乱があるかもしれませんが…?!

  • 高田郁『あきない世傳 金と銀(十) 合流篇』ハルキ文庫。

    シリーズ第10弾。今回も書き下ろし。コロナ禍により、1ヵ月遅れでの刊行らしい。

    前巻では次々と五鈴屋の幸に降りかかる苦難とそれを乗り越えた先に見えた新たな光が描かれていた。本巻ではこの新たな光が大きな星となり、輝き出すのか……

    呉服商いを断念することになった五鈴屋江戸本店。主人公幸や奉公人たちが職人と知恵を寄せ合って見出だしたこれまでに無い藍染めの浴衣という新たな光。一方で、未だに燻り続ける結の裏切り。この先、波乱はあるのか。

    本体価格620円
    ★★★★

  • 気がつけばもう十巻。

    幸と五鈴屋は、雌伏の時。
    前巻で見えた、木綿地に鮮やかな染めをほどこした反物、湯上がりに単で着られる浴衣に仕立てるというアイディアを、ひたすら練り上げ温めて、発売にこぎつけるまで、あっという間の2年間。
    この策は大当たりし、珍しく明るい希望が見えたところで次巻へ続く。

    菊栄が隣の提灯屋を買い上げた時には、きっとそうだろうと予感はしていたが、なんとも気風の良いこと。この人の物語でもう一作書けるんじゃないか。

    今作では音羽屋も結もほとんど姿を見せなかったせいか、珍しく終始爽やか。
    でも、もちろんこのままで終わるはずはない。
    次は、またきっととんでもないピンチが襲ってくるに違いないとドキドキしつつ、楽しみに待つことにしましょう。

  • 毎巻ハラハラドキドキの連続であったが、久々に安心して読むことができた気持ちのいい第10巻。
    今までにない藍染めでの浴衣地を作り上げようという幸たちの奮闘努力が実を結ぶ、まさに盛運の巻。
    しかも、お梅さんの恋の成就も。
    新しい浴衣地の予想を超えるばかりの売り上げ。
    だけど、このまま順調に進むわけなどないだろう。次巻はまた、波瀾万丈が待ち受けているのだろう。

  • 『明けない夜はない』
    暗く重く辛いことが続いた9巻の幸と五十鈴屋江戸本店にようやく明るい夜明けが見えてきた

    絹物商いを禁じられ、太物(木綿)のみ扱う五十鈴屋は、また幸の才覚により、江戸中に大ムーブメントを起こした

    身分を問わず、懐豊かな者にも倹しい暮らし向き者にも、好んで纏われる浴衣地
    藍染の浴衣地一面に所狭しと白く抜かれた両国の花火が上がる!

    賢輔が長い苦悶の末に生み出した花火の下絵に、錐彫の梅松と道具彫の誠一の型彫師の技が加わり、さらに型付師の力造の技が、さらに藍染師の技が結集した

    江戸の500ある湯屋で、またそこここの通りで五十鈴屋の浴衣が舞う。想像すると壮観な光景だ

    それも、じっと我慢し、出会った人々との繋がりを大切にしてきた幸とその考えをそっくり反映した五十鈴屋の姿勢があったからだろう

    今は、藍染だけでなく、カラフルな地色と模様の浴衣が当たり前だが、こんなふうに一枚一枚職人の手によって仕上げられたものだとは、感激した

    梅松と梅とのロマンスや江戸に出てきた紅屋の菊栄の計画と心遣いもこの巻に彩りを添えてくれた
    菊栄の商才も今後遺憾なく発揮されることだろう

    ますます今後が楽しみになった
    10巻が出版されたばかりなのに、早くも次巻が待ち遠しい

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著者プロフィール

作家

「2023年 『ベスト・エッセイ2023』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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