遠足はたまごサンド 星空病院 キッチン花 (ハルキ文庫 わ 3-2)

著者 :
  • 角川春樹事務所
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本棚登録 : 155
感想 : 11
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  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784758443937

作品紹介・あらすじ

「遠足のお弁当は、卵サンドとハムサンド、昆布と梅干しとおかかのおにぎり!」
──生まれながら心臓に病を抱えている聖也は、手術を決意、入院したが、
そこに思いがけないサプライズが……(「遠足は卵サンド」)。
八十歳の夫の誕生日に、好物を作ろうと買い物に出た三江子は病院にかつぎ込まれ……(「傘寿のハッピーバースデー」)。
星空病院の名誉院長がとびっきりおいしい料理で、幸せの小さな奇跡を起こす全四話。

感想・レビュー・書評

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  • 星空病院の名誉院長・半下石安喜良(はんげいし あきら)は、元消化器外科医。
    いつもニコニコしている小柄なおじいちゃん医師は、勝手に回診して回ってはスタッフに煙たがられ、口の悪い看護師からはハゲ石、などと呼ばれている。
    しかし、悩めるものあれば必ずひょっこりと現れる。
    そして「キッチン花に来たまえ」と誘うのだ。
    手術の数だけ人生も見てきた老医師は、手術で治せないものを治すことがリタイア後のライフワークらしい。


    序章
    半下石は、妻の手術も執刀したことがあるらしい

    第一話 遠足は卵サンド
    息子が心臓に問題を持って生まれたことを、自分の責任と悩み続け、夫にも周りにもピリピリ接してしまう若い母親。
    だが、小二の息子は意外なところを見ていた。

    第二話 すき焼き鍋は知っている
    付き合っていた年上の医師が突然死んだ。
    次々出てくる噂に、彼の知らなかった顔を見る気がして動揺する若い看護師。

    第三話 人生はオッソブーコ
    麻雀で多額の借金を抱えた青年は、ガンで余命が危ぶまれている大漫画家のおばにいきなり呼び出され、使い走りをさせられる。
    彼女の「勝負メシ」に何度も付き合ううちに・・・

    第四話 傘寿のハッピーバースデー
    夫の80歳の誕生日にごちそうを作るつもりで、スーパーで食材を買い込んだ77歳の主婦。
    なのに、鼻血が止まらない。
    老夫婦の一番の収穫は・・・歳月である。

  • 最後のお話で、傘寿のハッピーバースデーが、特にいいな。こんな老夫婦になれたら

  • 毎話うるうるしながら、時にクスッとしながら読みました。
    好き。

  • 星空病院の名誉医院長による
    「キッチン花」
    とびっきり美味しい料理が
    患者やその家族たちの心を癒す

    美味しい料理って奇跡だなって思わせてくれる1冊

  • キッチン花シリーズ第2弾 連作短編集
    選ばれし者しか食べることのできない特別なレストラン『キッチン花』
    星空病院の別館にあり料理人は名誉院長
    今回も迷える選ばれし者たちが院長に半ば強引に招かれる
    面白かった
    病院が故にヒリヒリする思いを抱えた人達の心を温かく満たした
    どれも魅力的だが 骨の髄まで味わい尽くすオッソブーコが凄く気になる
    あなたがおいしいと思ってくれれば私も美味しい
    一時的に味覚を感じない状態の妻が夫に放った一言
    永く年月を重ねた夫婦の成せる味わい深い言葉でした

  • 病院にキッチン花みたいな場所があると救われるよね。何らかの病気で、不安になった気持ちが美味しい料理と、人の優しさで少しでも楽になれたら。

  • 連作短編4編
    悩み、問題を抱えた患者、看護師たちが名誉院長ハゲ石先生の料理で癒される。
    とりあえず丁寧な料理で美味しそう。
    人生はオッソブーコの漫画家とその借金だらけの甥っ子の話が良かった。

  • 2作目だと分かったのは読み終わってからでしたが、特に違和感なく読めました。
    人間の弱さや強さを考えさせられつつも気持ちが落ち着くような展開になっていくので安心して読めました。一作目も機会があれば読みたいです。

  • あー、もしかしなくてもシリーズ2作目か。
    まったく問題なく読んだと思うけど、こういう雰囲気は好きだし、1作目も読んでみたい。
    病院で名誉院長がその人だけのために料理をふるまってくれるなんて面白い。
    その半下石おじいちゃん先生がなんとも味のある感じで微笑ましい。
    みんな、そのあたたかい料理に救われて、心情が変化していく。
    自分ではどうにもならないことへの見方を変えられた人もいる、ろくでなしから更生できた人もいる。
    みんな、よかったね。

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著者プロフィール

滋賀県生まれ。看護師として病院等に勤務。2009年第3回小説宝石新人賞を受賞し『もじゃもじゃ』にてデビュー。滋賀県の食をモチーフに描いた『東京近江寮食堂』が話題に。そのほかの著書に『GIプリン』『星空病院 キッチン花』『東京近江寮食堂 宮崎編 家族のレシピ』などがある。

「2021年 『おでん屋ふみ おいしい占いはじめました』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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