ナチス・ドイツの有機農業: 「自然との共生」が生んだ「民族の絶滅」 (KASHIWA学術ライブラリー 9)

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  • 柏書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (306ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784760126798

作品紹介・あらすじ

ナチス農本主義とシュタイナー農法は、反発と歩み寄りを繰り返しながらファシズム時代を共有した。生命共生国家はなぜホロコーストに行き着いたのか。エコロジーに潜む危険性をナチ農政に読む。

感想・レビュー・書評

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  • ヒトラーは「第三帝国は農民帝国か、しからずんば死か」という言葉をのこしたといいます。親衛隊長のヒムラーは元肥料の研究者。「生命」を声高にいい、土壌と植物・生命の共生をいうけれど。農業大臣のダレーは、ナチスの世界観は日本の神道に非常に近い、と語ったという。
    どちらも優性思想ということなのか。
    エコロジーは、何か間違うとこういうことになるのだ、という恐ろしい例なのかもしれません。「生命」を語るときに、自分自身も生命であることを考えられるか、棚上げにするか。難しいぜよ、こりゃ。

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著者プロフィール

1976年生まれ。京都大学人文科学研究所准教授。専門は農業史、食の思想史。2006年、『ナチス・ドイツの有機農業』(柏書房)で日本ドイツ学会奨励賞、2013年、『ナチスのキッチン』(水声社/決定版:共和国)で河合隼雄学芸賞、2019年、日本学術振興会賞、『給食の歴史』(岩波新書)で辻静雄食文化賞、『分解の哲学』(青土社)でサントリー学芸賞を受賞。著書に、『カブラの冬』(人文書院)、『稲の大東亜共栄圏』(吉川弘文館)、『食べること考えること』(共和国)、『トラクターの世界史』(中公新書)、『食べるとはどういうことか』(農山漁村文化協会)、『縁食論』(ミシマ社)、『農の原理の史的研究』(創元社)、『歴史の屑拾い』(講談社)ほか。共著に『農学と戦争』、『言葉をもみほぐす』(共に岩波書店)、『中学生から知りたいウクライナのこと』(ミシマ社)などがある。

「2022年 『植物考』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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