- Amazon.co.jp ・本 (215ページ)
- / ISBN・EAN: 9784760127320
感想・レビュー・書評
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長編に挑戦する自信がなくて、短編集に手を出しました。ベルンハルトのエッセンスに触れるぐらいは出来るのかなぁと期待していましたが、やっぱり長編を読まないとダメみたいです。
ベルンハルトの文体は原語じゃないとわからないでしょう。だから短編の翻訳は限界があると思います。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
子供のような大人が登場する。面白い。
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短篇集。11篇収録。
冒頭の「ヴィクトル・ハルプナル 冬のメルヘン」は、アンソロジー『現代作家創作童話集』に収められた子ども向け作品とのこと。
医者である語り手が、夜の喬木林で両足のない男に蹴つまづいた、というところから始まる話は、なかなかに強烈。
いかにも善い人らしく振舞っていた語り手の、男と別れて後の「あれ、半バカじゃなかろうか。どうかしてるんじゃなかろうか・・」という底意地の悪い投げ出しっぷりが、子ども受けしそう。
無力感にうちひしがれながらも、ある一つの事柄に関する想念だけがどんどん積み重なっていく・・・というような作品が多く、なんだかこちらまでその重さによろめいてしまいそうになる。
ベルンハルトのファンにはフリークという言葉が似合うという。
そこまでにはなれそうもないが、『消去』と『ヴィトゲンシュタインの甥』は読んでみたいところ。 -
読んでいて、中原昌也を思い出した。いわゆる「生き方が下手」と言われてしまうような人に対する温かい視線がある。表題作でもある「ふちなし帽」が秀逸。
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落ちとか爽快な読後感はあまりなく、生きることへの馬鹿ばかしさとかがテーマだったりします。が、好きでしょうがありません。寧ろ文体も平易で読み易いのにこういう言い回しもできるか とか、文が重なり進むごとに深まる読み応え感がそれこそ音楽ぽい。
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どうも、『消去』を読むべきらしい。