どもる子どもとの対話: ナラティヴ・アプローチがひきだす物語る力

制作 : 伊藤伸二  国重浩一 
  • 金子書房
4.75
  • (3)
  • (1)
  • (0)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 21
感想 : 4
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (234ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784760828432

作品紹介・あらすじ

どもる子どもにかかわる人に知ってほしいナラティヴ・アプローチの実際。吃音がありながら自分らしく生きる人々の人生の語りに学ぶ。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 医学部分館2階書架 : 378.5/ITO : https://opac.lib.kagawa-u.ac.jp/opac/search?barcode=3410170888

  • ナラティブ·アプローチの観点から吃音にアプローチする本。

    一見単純に見えるアプローチ法の奥深さを解説していて非常に参考になった。

    また、最後の章では、メッセージ仕立てになっており、吃音当事者に対して勇気と希望、現実を与えてくれた。

  • 吃音を題材にしてナラティブアプローチを紹介している本。
    吃音に限らず治らないものに応用できます
    原因は後で考えるようにしていきます

  • ナラティブ・セラピー関係ということで、一応、買っていたのだが、「どもり」というテーマは、自分の関心からは遠い感じだったので、しばし積読。

    だったのだが、本が「ちょっと読んでみて」とさそっているような感じがあって、読み出したら、これがすごく感動した。

    まずは、「どもり」に対する周りの人からの評価からくる苦しさ、そして、「どもり」を治そうとする努力の大変さと不毛さ、そしてそこからくる無力感と苦しさ、さらに、かりに滑らかに話すことがかなりできるようになってもつねにどもらないように自分を監視しつづけることの苦しさに、自分のこれまでの「どもり」への無知を恥じつつ、共感した。

    そして、「どもり」を受け入れ、ともに生きていくこと。さらには、どもりたいだけ、どもりながら、自分らしく自分を表現すること。

    こういった話が、多くの「どもり」の人のストーリーとして語られていくことの驚き。そして、その多様性のおどろき。

    なんか、たくさんの勇気をもらった気がした。

    そして、こうしたストーリーを読んだところで、ナラティブ・セラピーの基本的な考えと基礎スキルがとてもわかりやすく解説される。

    今まで、なんか小難しいナラティブ・セラピーの本を読んで来て、そうした「基本」は、すでにわかっているつもりであったが、「どもり」に関する具体的なストーリーをたくさん読んだあとで、読む解説はほんと頭にすっと入ってくる。

    そして、ポイントがぐっと絞ってあるがゆえに、なにが大切なのかが、しみじみと伝わってくる。

    「どもり」にフォーカスされているのだが、まさにそれゆえに、「どもり」に限らず、だれもが自分自身のなかにもつ「悩み」とともに生きる勇気をあたえる一般性に達しているな〜。そして、ナラティブ・セラピーが実際にどのようにワークするのかが、リアルにわかる感じがあった。

全4件中 1 - 4件を表示

著者プロフィール

1944年、奈良県生まれ。明治大学文学部・政治経済学部卒業。大阪教育大学特殊教育特別専攻科修了。大阪教育大学専任講師(言語障害児教育)を経て、現在伊藤伸二ことばの相談室主宰。日本吃音臨床研究会会長。国際吃音者連盟顧問理事、大阪教育大学非常勤講師。言語聴覚士養成の専門学校4校で吃音の講義を担当。
 著書 『やわらかに生きる~論理療法と吃音に学ぶ』『話すことが苦手な人のアサーション~どもる人とのワークショップの記録』(金子書房)、『知っていますか? どもりと向きあう一問一答』『知っていますか? セルフヘルプグループ一問一答』『どもる君へ いま伝えたいこと』(解放出版社)、『治すことにこだわらない、吃音とのつき合い方』(ナカニシヤ出版)など多数

「2010年 『吃音ワークブック』 で使われていた紹介文から引用しています。」

伊藤伸二の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×