- Amazon.co.jp ・本 (234ページ)
- / ISBN・EAN: 9784760828432
作品紹介・あらすじ
どもる子どもにかかわる人に知ってほしいナラティヴ・アプローチの実際。吃音がありながら自分らしく生きる人々の人生の語りに学ぶ。
感想・レビュー・書評
-
医学部分館2階書架 : 378.5/ITO : https://opac.lib.kagawa-u.ac.jp/opac/search?barcode=3410170888
詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
吃音を題材にしてナラティブアプローチを紹介している本。
吃音に限らず治らないものに応用できます
原因は後で考えるようにしていきます -
ナラティブ・セラピー関係ということで、一応、買っていたのだが、「どもり」というテーマは、自分の関心からは遠い感じだったので、しばし積読。
だったのだが、本が「ちょっと読んでみて」とさそっているような感じがあって、読み出したら、これがすごく感動した。
まずは、「どもり」に対する周りの人からの評価からくる苦しさ、そして、「どもり」を治そうとする努力の大変さと不毛さ、そしてそこからくる無力感と苦しさ、さらに、かりに滑らかに話すことがかなりできるようになってもつねにどもらないように自分を監視しつづけることの苦しさに、自分のこれまでの「どもり」への無知を恥じつつ、共感した。
そして、「どもり」を受け入れ、ともに生きていくこと。さらには、どもりたいだけ、どもりながら、自分らしく自分を表現すること。
こういった話が、多くの「どもり」の人のストーリーとして語られていくことの驚き。そして、その多様性のおどろき。
なんか、たくさんの勇気をもらった気がした。
そして、こうしたストーリーを読んだところで、ナラティブ・セラピーの基本的な考えと基礎スキルがとてもわかりやすく解説される。
今まで、なんか小難しいナラティブ・セラピーの本を読んで来て、そうした「基本」は、すでにわかっているつもりであったが、「どもり」に関する具体的なストーリーをたくさん読んだあとで、読む解説はほんと頭にすっと入ってくる。
そして、ポイントがぐっと絞ってあるがゆえに、なにが大切なのかが、しみじみと伝わってくる。
「どもり」にフォーカスされているのだが、まさにそれゆえに、「どもり」に限らず、だれもが自分自身のなかにもつ「悩み」とともに生きる勇気をあたえる一般性に達しているな〜。そして、ナラティブ・セラピーが実際にどのようにワークするのかが、リアルにわかる感じがあった。