ただいま授業中 M&Aがよくわかる講座

著者 :
  • かんき出版
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本棚登録 : 33
感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (160ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784761264321

作品紹介・あらすじ

急増する敵対的買収、TOB、MBO…三角合併解禁で再編の嵐が吹き荒れる!?本格的M&A時代の幕開けで業界、企業、社員、株主はどうなる?主要12業界カラーMAP付。

感想・レビュー・書評

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  • 比較的平易な言葉でM&Aの概略が理解出来る本。やたらと同じような例が出て来るのには閉口するが、おそらくこの本が出た当時の状況を反映しているのだからしょうがない。

  • わかりやすく、理解できました

  • Awesome for beginners :D

    ・M&Aの目的=時間を買う
    ・「ヨコの拡大」と「タテの拡大」
    「ヨコの拡大」
    規模の拡大によって生産設備や労働力を効率的に利用する。
    同じ市場で競合する企業同士の合併。
    例)3大メガバンクの誕生や製薬業界の再編

    「タテの拡大」
    川上から川下までの各過程にカニョすることで収益の確保を目指す。
    情報の共有など効率化を図ることが可能。
    三菱商事による韓国鉄鋼最大手ポスコへの出資など。

    ・2種類の買収仕掛人
    ①ストラテジックバイヤー
    買収者自身が事業を営んでおり、自社の事業に何らかのシナジー効果が得られるともくろんで他社の事業を買収するケース

    ②フィナンシャルバイヤー
    自らは事業を行っておらず、投資目的に買収を行うもの。
    「買収ファンド」と呼ばれる投資会社や投資ファンドなど。

    ・2007年5月「合併対価の柔軟化」
    →存続する会社の株式以外の財産やキャッシュでもよくなった。
    →三角合併が可能に

    ・M&Aの交渉が失敗に終わる主要因
    ①買収金額が折り合わない
    ②売り手企業に重要な欠陥が見つかった
    ③従業員の反対

    ・会社の値段の決め方
    <上場企業>
    時価総額
    <非上場企業>
    ①買収しようとする企業の純資産価値を基に計算する方法(純資産価値方式)
    ②買収しようとする企業に将来どれだけのキャッシュが入ってくるのかを予測して、それを現在の価値に割り引いて計算する方法(DCF法)
    ③買収しようとする企業と同じ事業を行っており、規模も同じような上場企業の株価を参考にして計算する方法(類似方式)

    なかでも、②が多く用いられる

    ・持株会社をつくるための会社法上の便利な手法が、株式交換や株式移転

    ・株式交換により既存の会社を親会社にする方法
    2002年、ソニーはエレクトロニクス事業にアイワのブランドを活用するため、株式交換によって、アイワを完全子会社化。(後にアイワを吸収合併)
    まずアイワの株主が、持ち株の全部をソニーに移転。
    それと交換に、アイワの株主は、ソニーが発行する株式を取得することによって、両者は完全親子会社関係になる。

    ・株式移転により全株式を保有する完全親会社をつくる方法
    ある会社(B社)が新たに会社(A社)を設立し、B社のすべての株式をA社に移転することによって、A社が完全親会社、B社が完全子会社になること。
    完全子会社となるB社の株主は、株式移転によってA社が発行する株式の割当を受けるので、今度は、完全親会社のA社の株主になる。

    ・買収社の持株比率を薄めてしまう毒薬の効果
    <敵対的買収を仕掛けられる前の予防策>
    ポイズンピル:買収者が表れる前に、既存の株主に対して、時価よりも安い価格で、その会社の株式を購入できる権利を与えておくことをいい、「毒薬条項」とも言われる。

    多くは「新株予約権」を利用して行われる。
    その会社の株式をあらかじめ定められた価格(公使価格)で買うことのできる権利のこと。
    まず、敵対的買収者が現れる前に、既存の株主に新株予約権を発行しておく。
    その際、新株予約権を公使できる条件は、「買収者がその会社の発行済株式総数の20%をかいしめた時」などとし、公使価格は「1円」などの、時価よりも著しく低い価格を設定しておく。

    ・黄金株(ゴールデンシェア)
    合併などの一定の議案について拒否権を持つ特別な種類株式。
    議案を拒否する権限を持つ株式のため、1株だけ発行されるのが普通。

    ・ホワイトナイト
    敵対的買収を仕掛けられたターゲット企業からの養成を受けて、あるいは自ら名乗りでて、敵対的買収に対抗して、ターゲット企業にとって友好的にM&Aを行う企業やファンド。

    ・クラウンジュエル(敵対的買収防衛策)
    買収者は狙った企業に魅力があるからこそ、買収を仕掛けてくる。
    そこで、買収者が狙っている資産や事業を安い価格で他社に売却・処分してしまうことで、ターゲットとしての魅力を失わせるという敵対的買収防衛策。

    ・パクマンディフェンス
    買収を仕掛けられたら、反対に、その買収者に対して買収を仕掛け返して、敵対的買収者を飲み込んでしまうという買収防衛策。

    ・配当を増やすことで株価を上げ、買収されるのを防ぐ。

    ・筆頭株主が安定株主でないと株式を集められやすい。
    大企業、オーナー一族などが筆頭株主となっていて、その比率が20%を超えているような企業は、一般的に敵対的買収は困難。
    逆に、強固な筆頭株主が不在で、上位10名の株主の顔ぶれをみても、機関投資家や外国人投資家がちらほらという場合には、敵対的買収を仕掛けやすい企業。

    ・親会社より子会社が大きいと狙われやすい。
    割安な親会社を支配することで、価値の高い子会社をも支配できるから。

    ・PBRが低い会社は割安で狙われやすい。
    PBR=株価÷1株あたりの純資産
    その会社が株式市場で、現実の資産価値の何倍まで評価されているかを示す数値。
    例)PBRが1倍の会社の株を買ったとすると、仮にその会社が今つぶれてしまったとしても、買ったお金と同じ額が株主に戻ってくるということになる。
    会社の価値は、純資産の額よりも高いのが通常。会社の価値には、現に持っている資産価値だけでなく将来利益を生み出す力(ブランドやのれん)も含まれるから。

    PBRが1を割っている会社は、理論上は、買収したうえで、資産を切り売りするだけで、十分利益が出るため、買収ファンドなどに目をつけられやすい。

  • M&Aの入門書として読みました。本書はM&Aとは何なのか。から説明してくれているため、知識が全くない状態からでも読むことができます。是非、M&Aについて学びたい方の一冊目として読んで頂きたい。

  • M&Aに関する知識が非常にわかりやすく簡潔に書かれている。
    冒頭部に乗っている業界MAPは、過去の合併や提携まで載せれていて、よくまとまっていてわかりやすい。
    初心者には非常によい。
    しかし、簡略化しすぎている部分が多々あるので、これを読んだ後に、さらに詳しい本をよむとよいだろう。

  • 会社法を勉強しているとM&A関係の用語が多く出てくる。無論,これらを法的に理解すること自体は,会社法の基本書のみで可能である。しかし,実務上のニーズや,その動向などをイメージすることはなかなか難しい。
    本書は,ビジネスマン向け,あるいは法律とは無縁の教養書として販売されているものである。従って,法的に詰められた議論などはほとんどない。しかし,大ざっぱに言葉の意味を知ることができ,会社法の教科書や講義をすんなりと受け入れられるようにする最低限の基礎を身につけさせてくれる。
    肩の力を抜いても1時間か2時間ぐらいで読み終わるので,会社法の組織再編がよくわからない場合は読んでみるべきだと思う。

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著者プロフィール

弁護士

「2014年 『8時間睡眠でも司法試験に合格した人の「超」効率勉強法』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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