付加価値のつくりかた キーエンス出身の著者が仕事の悩みをすべて解決する 「付加価値のノウハウ」を体系化。
- かんき出版 (2022年11月9日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
- / ISBN・EAN: 9784761276362
作品紹介・あらすじ
キーエンス出身の著者が仕事の悩みをすべて解決する
「付加価値のノウハウ」を体系化。
いかに仕事の生産性を高め、売上や利益を効率よく増やしていくのか。
いかにムダな仕事を減らし、本当に意味のある仕事に集中していくのか。
そのキーとなるのが、本書のテーマである「付加価値」なのです。
「付加価値」という言葉は、ビジネスシーンでよく聞く言葉でしょう。
ですが、「そもそも付加価値とはどういうものか、わからない」「『付加価値をつくれ』と言われるけど、何をどう考えればいいのかわからない」という人が意外と多いのではないかと思います。
仕事において重要なものであることは誰でも知っているが、その定義や「実際に仕事ができる人や、業績のいい会社がどう付加価値をつくっているのか」はあまり知られていない、体系立ててわかりやすく解説されていない。
それが付加価値という言葉の現状でしょう。
その付加価値を、誰でも、どんな立場の人でも「付加価値のつくりかた」という「スキル」として身につけて、日々の仕事で実践できるよう、わかりやすくお話ししていくのが本書です。
本書は「仕事の生産性を高めたい」と思っているビジネスパーソンにとっては、仕事術の書籍となります。ムダな仕事を減らし、本当に価値がある仕事をしていく「方法」「思考法」がわかるからです。
ムダな仕事が減るという意味では「時間術」というテーマも含んでいます。
「もっと短い労働時間で、より利益が出せるような会社にしていきたい」と思っている経営者、管理職の方には、経営書、マネジメント書として読んでもらえるはずです。
このように、あらゆるビジネス活動の根幹を支えるのが、付加価値というものです。
本書でお伝えする「付加価値のつくりかた」は、働く人すべてが身につけるべき、そして身につければ誰でも、仕事の生産性を上げられる、どんな立場でも高収益な会社に変えていくことができる「最強スキル」です。
また、「付加価値のつくりかた」は、給与はなかなか上がらないにもかかわらず、物価が急上昇していく厳しい時代を生き抜くための「最低限の教養」となるでしょう。
感想・レビュー・書評
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相手の欲求を理解できれば、相手に対してした行動は無駄にはならない。しかし、理解できずに主観で行動してしまえば、そこには価値は生まれず色々なことを損してしまう。
八百屋の話がとてもわかりやすい。
これからの自分に向けての投資だと考えたら、この本は読んでよかった。
ほぼ初めての啓発本だけど、入門編として読むには十分だった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
元キーエンスのエンジニアで、現在は独立して経営戦略コンサルティングを行っている著者による「付加価値」の創り方に焦点を当てたビジネス本。
「付加価値」の解像度を上げて、それを創出するためにはどのようにすれば良いのか?が主な内容となっている。
「付加価値」=「お客様のニーズ」−「原価」 で表すことができる。
この「お客様のニーズ」には、顕在化しているニーズと、まだお客様自身も気づいていない潜在ニーズが存在する。
キーエンスは、徹底的なお客様へのヒアリングによってこの潜在ニーズを他社よりも深く・広く拾うことができている。そしてそのニーズをカスタムではなく、一定汎用的な製品として共通化している。故に原価を抑えることができ、結果的に高い収益性を維持している。
ここで重要なのは、「お客様のニーズ」を超えた機能は付加価値にならないということである。価値としてお客様に認められない以上、対価を受け取ることはできず、それは「ムダ」である。
ここに日本メーカが陥りがちなオーバースペック、過剰品質による収益性悪化という要因がある。キーエンスは開発前段階の深いマーケティングにより、こうした技術の独りよがりを排除できている。
以上が、本書のざっくりとした要約である。
ほとんどの文章が、「キーエンスでは、、、」から始まるので、「じゃああなた自身の価値は何なの?」と著者につっこみたくところではあるが、それほどまでにキーエンスという企業の仕組みが優れているということかもしれない。
また、その仕組みを言語化して、本書のように広く伝えているところに著者の価値はあると思う。
本題以外にも、キーエンスのカンパニー・カルチャーにも触れられており、その内容も勉強になった。
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付加価値という言葉が流行り出して何十年も経ちますが、その意味を理解して提案できている会社がどれほどあるか。
少なくとも私はできていませんでした。
価値というのはあくまでもお客さんが決めるものであり、自分が高いか安いかなどの判断をするものではないです。現に、自分も人からは高いと言われたもののそう感じなかったシーンによく遭遇します。
顧客に「高い」と感じさせず、「感動した」と感じさせることが営業の役割であり、それに見合った商品を開発し続けることが会社の存在意義だと感じました。
また、売り手発想で物事を考えると成功率は極めて低いこと、仕掛人としてとてもカッコよく見られますが、実際にはマーケットインの発想を積み重ねたからこそプロダクトアウトで成功できることも学びました。
例えば、恵方巻が良い例です。これを売りたいという発想と、これを買うことでライフスタイルがこうやって面白くなるという思いがマッチして結果、プロダクトアウトという形として売れました。
大切なのは「必要とされるか」「楽しくできるのか」を両方満たすことなんだと理解しました。 -
書かれていることはもっともなことで、実は仕事は単純にすればするほど効果が出てくるが、その仕組み作りが一番大変であることを理解しました。 一つでもやりとげてみよう
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潜在ニーズを引き出す重要性。
バックオフィスは付加価値創出する人の、煩雑業務、雑務を行うことで貢献。
大手みたいにきっちり仕事が決まっているならそうなるのかもしれない。
何個も役割を兼任していると、付加価値創出は大変だが、手をつけても咎められないのが良いところ。 -
元キーエンスのコンサルティングエンジニアの方による付加価値をいかに顧客へ提供するかについて、営業、開発、マーケティング、バックオフィス、それぞれの観点から紹介した本。
そもそも付加価値とは何かから始まり、いかに我々が付加価値をちゃんと理解せず、適当に日々を過ごしているかを気づかせる。付加価値とは顧客の潜在+顕在ニーズの総和から原価を除いたものであり、それは顧客だけが決められる。
また顧客ニーズとはその先にいる顧客の顧客のニーズでもあり、まずはそこから考えることが重要だという。顧客にとってもその顧客に対して付加価値を提供する必要があるわけで、そのために自社の製品やサービスがいかに役に立つのかを訴求し理解してもらえればほぼ売れたも当然だからだ。
あとは製品やサービスの開発になるわけだけど、そこでも徹底した標準化と世界初ということにこだわる。そもそも個別仕様で対応することはある意味誰でもできるのだけれど、それでは高コストになり顧客にとっても自社にとってもよろしくない。ということで他社でも使える形に標準化する一方で、世の中にはない製品であることを重視する。他社でも作れる製品となると、価格競争に巻き込まれてしまうからだという。そして、何よりすごいのはこれが仕組み化、構造化されていて、一部のトップ営業だけができるわけではなく、すべての人がこの行動ができるようになっている点。それがキーエンスと他社の最大の違いだという。
本書では時間を使うとは、人の命を奪うことというやや強めの表現が使われているけれど、おそらくこれはあえて使っていて、人の時間を無駄に使ってはいけないし、使うなら最小の時間で付加価値の高いものに使わないといけないというメッセージなんだと思う。日本は得てして儲けることは悪いことという考えがあるけれど、それは裏を返せば、付加価値を低く見積もるというか、人の命や時間を安く扱うということでもある。なので、付加価値の高い仕事には高い報酬で応える。これが連鎖していけば、日本全体も豊かになる。こんな発想でみんなが行動できていたら素晴らしいのになと、日本論的なことにも思いが及んだ。
いずれにせよ、ビジネスパーソンなら読んでおいて損はない良著だと思う。 -
付加価値とは何か?付加価値はどうすれば生み出せるのかを著者の言葉で教えてくれます。
わかりやすい言葉とロジックなので、言いたいことはよくわかります。
この本自体の付加価値はあるとも思ってます。
ただし、キーエンス出身者の書籍に対する率直な疑問も残ります。
キーエンス出身で、キーエンス内での経歴が誇らしいのであれば、キーエンスに在籍しつづければ良いとも思ってしまいました。
個人的な学びはたくさんありましたが、批判的な言い方をすると古巣の経歴と文化でしかマウント取れてない書籍と言えなくもないです。
著者がキーエンスをやめてから仕事がうまく立ち行かなかった、本当に苦しかった時の話を深掘りして、それをどのように付加価値を高めて克服したのかというストーリーの方が、高い感動を味わえたような気がします。
とりあえず、付加価値を高めるためのヒントは十分に得られたので、評価は★5つです。
偉そうなレビューですみません。 -
付加価値は顧客ニーズの外にあるのではなく、中にある。
潜在ニーズ。
そんな感じの図が勉強になった。 -
立ち読みで十分。キーエンス本。利幅をどうやって取るか。利益率をあげるのは感動。「感動こそ価値の源泉であり、価値の最小単位」