サボタージュ・マニュアル:諜報活動が照らす組織経営の本質

  • 北大路書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (128ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784762828997

作品紹介・あらすじ

CIAの前身が作成した「組織をうまくまわらなくさせる」ためのスパイマニュアル。「トイレットペーパーを補充するな」「鍵穴に木片を詰まらせよ」といった些細な悪戯から,「規則を隅々まで適用せよ」「重要な仕事をするときには会議を開け」まで,数々の戦術を指南。マネジメントの本質を逆説的に学べる,心理学の視点からの解説付き。津田大介氏推薦!

◆推薦のことば
日本の大企業や官僚制度が抱える問題の本質が
驚くほどわかる本書。
「あるある本」として笑いながら読んでいるうちに
やがて楽しさは空恐ろしさへと変わる。
(ジャーナリスト/メディア・アクティビスト 津田大介)

◆目次
解説 サボタージュ・マニュアル―――日本語版の発刊に寄せて
1 サボタージュ・マニュアルとは何か
2 どのようにすれば、組織はうまくいかなくなるのか

サボタージュ・マニュアル(暫定版)
1章 序文
2章 推定される効果
3章 サボタージュの促進
 ▼1 個人的な動機
 ▼2 破壊活動の推奨
 ▼3 安全な方策
4章 道具、標的、タイミング
 ▼1 一般的条件
 ▼2 武力攻勢前に
 ▼3 武力攻勢中に
5章 サボタージュに関する具体的提案
 ▼1 建造物
 ▼2 工業生産(製造)
 ▼3 生産(金属)
 ▼4 生産(鉱業と採鉱)
 ▼5 生産(農業)
 ▼6 交通(鉄道)
 ▼7 交通(自動車)
 ▼8 交通(水上交通)
 ▼9 コミュニケーション
 ▼10 電力
 ▼11 組織や生産に対する一般的な妨害
 ▼12 士気を下げ、混乱を引き起こすための一般的な工夫

あとがき

感想・レビュー・書評

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  • かつて組織の破壊工作に用いられたマニュアルの邦訳です。最近まで機密情報として公開されていませんでした。大企業や役所でありがちな「会議」「文書」「議論」この3点を積極的に行う事が組織破壊に効果的なようです。現代にも通じる反面教師マニュアルともいえます。

  • 自身が務める会社組織にマッチしすぎていて、途中から怖くなりました。後半の一部は、物理的なスパイ活動の記述が長く、現代のサラリーマンは読み飛ばしていいかもしれません。(ガチのスパイを目指す方は除く。笑)

  • 組織を機能不全にするためのマニュアル。
    今の日本の組織の至るところで見られる。
    実はサボタージュマニュアルを実践することを
    強要された結果なのではないかと思ってしまう

    機能している組織は、
    ヒト 
     正しいことに工数を効率的に使う
    モノ
     可動率と稼働率を最大化する
    カネ
     投資対効果を最大化する
    チエ
     必要とする情報を必要な人がいつでも
     利用できる
    なのだと思う。
    これらが機能しないようにするために
    何をすれば良いか、がわかる。

  • CIAの前身の組織が作成した、敵国にスパイを送り込んだ際のサボタージュ活動のマニュアル。
    さぞ壮大なマニュアルかと思いきや、書かれていることがサラリーマンあるある的な要素が多くて笑えてきます。

    例えば
    ・何事をするにも決められた手順を踏んでしなければならないと主張せよ。簡略手続きを認めるな
    ・頻繁に会議を開け
    ・会議では以前の会議で決議されたことを再び持ち出してその妥当性を巡って議論せよ
    ・あまり重要でない生産品に完璧さを求めよ

    これどこの会社でもあるあるだと思うんですよね。
    こんなことがたくさん出てきます。

    仕事でモチベーション下がったり、進まなかったりというのは自分だけのせいでもなく、こういった原因によるところが多かったりもするのだと思います。

    こういった問題は、大きな組織ほど分かっていてもどうにもならないことが多いから根深い問題ですよね。
    実際にここに書かれていることを把握しておくだけでも、仕事が進まない際に抱え込まずに客観的に見れるようになるはずです。

  • インターネットでよくレビューを見かけるので気になって読んでみました。
    「(妨害・破壊工作などの)行為をひとつひとつを眺める事により、組織がなぜうまく回らなくなるかを逆照射しようというのが、本書の狙いであるようだ」(あなたの会社はなぜ非効率?-HONZ)との解説もあるように、このマニュアルに書いてあることを逆張りすることによって会社組織を効率よくする……みんなそんなに会社好きなのか。正社員はえらいなー大変だなー。

    前半部分は「日本版の発刊に寄せて」と、このマニュアルをビジネスに活用するための解説に割かれていますが、肝心の後半マニュアル部分はそんなホワイトカラー向けよりもむしろ工場・炭鉱・交通機関などの労働者階級の市民に向けた、小さなことからコツコツと、小市民的草の根破壊工作for騒乱計画(プロジェクト・メイヘム)。誰でも簡単にDIYできる発火装置の作り方、ガソリンエンジンに砂糖を混入させて動かなくさせたり、蒸気ボイラーの効率をまめに下げたり、収穫した作物を家畜にこっそり食べさせたり、用務員はわざとゴミをため込んで自然発火しやすくさせたり。そして市井に紛れて生活するためにいつもはまじめに、ヤバくなったら謝りまくっていざとなったらとぼけろ!みたいな。ちょっと牧歌的とも言えます。なんといっても70年前のもの。

    きっとこれはビジネス書ということにしておかないと公序良俗に反するということで第三〇館や〇田出版みたいに目をつけられてしまうからこういう風に出版したのだな、と勝手に思いました。どんな職業のどんな立場の人も、「道具」を「武器」にすることができる。怖いと思うか、楽しいと思うか。さてどっち。

  • 今年一番に、読む前と読んだ後で、自分への変化を感じた本
    2022-07-22 2度目の観測

  • 昨年、働き方改革の関連で話題になっていて、ようやく手に取った。

    組織や生産活動に関する、一般的な意味での「妨害」のありかたの数々。

    「議事録や決裁の『言い回し』で細かく議論せよ」とか
    「長い説明をせよ」とか
    「手順を重視せよ」とかいったことは、大企業や省庁にとって耳が痛いはず。
    ただし、そういうことばかり記された文書ではないことには注意。

    トイレットペーパーは補充するなとか、排水管の詰まらせ方とか、あるいは
    「とぼけろ」「指示を誤解せよ」とかも並列で書いてあるのも面白かったし興味深いが、
    「非効率な仕事をする者をおだてて、気持ちよくさせ、昇進させよ」というのも印象に残った。というか、どきっとしたな。

    なお、期待していたほどではなかった。「本文」の前の「解説」が、冗長に感じられ、それでいて「本文」だけだと今一つのインパクト。

  • マニュアルそのものは、、諜報機関の文書とは思えないくらい散漫だった。。 が、日本語の解説は学問的裏付けのある分析もあり素晴らしい。
    アンチイノベーションの本として何度か読み返したい。

  • 【由来】
    ・「イスラエル情報戦史」のamazon関連本で。

    【期待したもの】
    ・人のいやがることをあまり思いつかないので知っておきたいかなと。

    【要約】


    【ノート】


    【目次】

  • 「こうすれば敵の組織は混乱に陥る」誰でもできるスパイ活動の実在したマニュアル。とにかくながったらしい文章で回答しろ!会議を開いて何も決めるな!士気を下げろ!などなど、一種の風刺、あるあるネタと笑うこともできる。が、無意識に自分もこういう行動をしているかもと気付いたら、ちょっと怖くなった。自らをモニタリングすることから始めなくては。

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