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- Amazon.co.jp ・本 (252ページ)
- / ISBN・EAN: 9784763194244
作品紹介・あらすじ
北欧の森の奥深くから、それは突然現れた。その赤く光る瞳に魅了されたものは、もう、あとへは戻れない…。フィンランド文学最高の賞であるフィンランディア・プライズを獲得した、本国ベストセラーのサイエンス・ファンタジー・ノベル、ついに邦訳刊行!森と湖と妖精の国からやってきた、これまでにない物語。
感想・レビュー・書評
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もの凄く、醜くて傲慢な、エゴの物語だと思う。
恋情や愛と呼ぶには生々しく醜悪で自己完結した、勝手な想いの押しつけ合い。それは天使の異名をもつエンケリ、魔物ペイッコの仔ペッシでさえ。
究極的に自分のコントロール下で相手と結ばれることしか誰もが考えていない。だからこその、自明の破滅的な終焉。
複数の視点で進むストーリーは読みにくいけれど、それゆえ登場人物の主観が総て曝け出されるから、とても息苦しい。
支配と服従。人間の世界ではかろうじて見て見ぬふりをしてきたそのあからさまなシステムのなかに身を置いてエンケリはどうなるのだろうと思いつつ、意外と適応するのかもしれない、とも。詳細をみるコメント0件をすべて表示
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