作品紹介・あらすじ
人気マンガからシャカイが見えてくる!
描き込まれた「欲望や本音」との上手な付き合い方。
エロマンガ、戦争マンガ、スポーツマンガ、ヤンキーマンガ、少女・少年マンガ……
人気マンガをどう読むか?マンガから読み解く現代社会論。
感想・レビュー・書評
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漫画論評。
主観的にユニークに語られるさまざまな漫画たち。
淡々としたエッセイのような切り口。
普通に漫画読みたい人へというより、こういう読み方もあると知ることができる書。
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マンガというプラットフォームから、子ども・戦争・欲望などあらゆる方向へと深く掘り下げてゆく。筆者は左翼を公言されているが、思想的の方向は関係なく、その思考や知性にただただ脱帽するばかりである。いわゆる有害図書ではないマンガでも『日常の意識に刷り込まれる』危険を持っていること、暴力や性描写を含む作品でも『暴力性を自覚しつつ楽しむ、というわきまえをするしかない』ことなど、ハッとさせられた箇所は枚挙に暇がない。
世の中には簡単ではない問題が溢れている。自らの思考に対して、常に慎重であること、そして単純な正当化をしないこと、何かを決定したり行動したりする時でもその過程で生じた矛盾や迷いを捨てないこと。筆者とマンガからそう教わった気がする。
著者プロフィール
1970年愛知県生まれ。京都大学法学部卒。自らのブログ「紙屋研究所」で漫画評論や育児論、社会時評をつづる。
著書に『オタクコミュニスト超絶マンガ評論』(築地書館)、『超訳マルクス――ブラック企業と闘った大先輩の言葉』(かもがわ出版)、『“町内会”は義務ですか?――コミュニティーと自由の実践』(小学館新書)、『どこまでやるか、町内会』(ポプラ新書)など。
「2018年 『マンガの「超」リアリズム』 で使われていた紹介文から引用しています。」
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