国民の天皇 戦後日本の民主主義と天皇制

  • 株式会社共同通信社
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  • Amazon.co.jp ・本 (420ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784764105317

作品紹介・あらすじ

本書は、日本の天皇制の変化、とりわけ現天皇の即位以降の動きを興味深く、丹念に追っている。戦争と占領、そして戦後を研究するには欠かせない本だ。21世紀の天皇制を見据える話題作。

感想・レビュー・書評

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  • 日本の天皇がどのように戦後扱われ、そして立ち振る舞い、国民がどう接したり天皇が国民や政治、世界の国々に対して対処してきたかを歴史的な資料や事実を元に考察した一冊。

    戦後、象徴天皇として日本に残った天皇制、それらがどういう経緯で政治家たちが守ったか。また国民運動としてどんな動きがあったのか、日本の教育では基本古代から教えられるので詳しく知らない現代史の昭和20年以降がこの国の形を形成した次期を克明に天皇を中心に書かれている。

    歴史を知る上でも、日本の天皇制がどのような経緯でこのような形で残ったか、また天皇の約割や今の日本での立ち位置も含めて読んでおくべき情報だと思う。

  • 憲法改正論議が高まってきましたが、最大の関心が自民党は9条、民主党が地方分権、2院制のことだったり、未だ合意まで時間がかかりそうですが、戦後・占領直後の日本で改憲論議が盛んだったときには天皇制をどうするかに関心が高かったということに時代の流れを感じました。今ではすっかり定着した象徴天皇制が君主制なのか、共和制なのか、はっきりしない状態に憲法学者の意見が分かれたという。自分自身が象徴天皇に慣れてしまっているために違和感を感じませんでしたが、憲法学者たちの論争史を読み、大変新鮮に感じました。そして戦後も昭和天皇が政治に非常に関心を持ち、吉田・佐藤首相などに内奏を求めていたという事実は全く驚きでした。田中内閣時代に増原防衛庁長官が自衛隊についての天皇の意見をマスコミに喋ったという問題は全く覚えていませんが、戦前の関与の仕方を示唆するものであるように思います。「平成の天皇と皇室」の著者高橋紘氏、や北海道大学の山口二郎教授も著者ルオフにかなり材料を提供しているようです。

  • 大学の比較政治史レポート作成時に借り、参考にする。
    レポートの完成後、普段自分からは絶対に手を出さないような内容に興味を魅かれ読破。

    明治憲法、日本国憲法に示されている天皇の役割の違い、また、同じ日本国憲法下でも、昭和天皇と今上天皇の自身の役割認識の違いや、国民の求める天皇像の違い(・変化)などが、天皇の過去のお言葉や行動の豊富なエピソードと共に記されていて、興味深かった。
    そのような実例は天皇制などに関して無知識の私にも入ってきやすかったが、一方で、しっかり理解するには前提知識と時間を要する専門的な話も多かった。

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